サイト表示速度を上げると、SEOも売上も変わる？PageSpeed Insightsの上手な使い方
「サイトの表示がちょっと重い気がするけど、どうすればいいの？」
そんな悩みを抱えている方、意外と多いのではないでしょうか。
サイト速度の改善は、SEO（検索エンジン対策）の観点で大切…とよく言われますが、実はネットショップ（ECサイト）やサービスサイトの売上にも直接影響する重要なポイントです。
この記事では、難しい専門用語は最小限にしながら、「なぜサイト速度が大事なのか？」「PageSpeed Insightsってどう使えばいいの？」という基本的な部分を分かりやすくまとめていきます。
表示速度が遅いと、なぜ損をするの？
ユーザーが離脱しやすくなる
サイトを開いたときに表示が全然始まらないと、ブラウザの戻るボタンを押して別のサイトに行ってしまう人が増えます。これはネットショップなら大きな機会損失につながりますし、ブログやオウンドメディアでも「最後まで読んでもらえない」原因になります。検索エンジンの評価が下がりやすい
Googleは、「ページがすぐ表示されるかどうか」を検索順位の判断材料のひとつにしています。極端に遅いサイトは、せっかく内容が良くても上位表示されにくくなる可能性があります。スマホユーザーは特にシビア
通信環境によっては、スマホの4G/5G回線でも読み込みに時間がかかることがあります。モバイル利用者はサクッと情報を得たい傾向が強いので、重いページは開かれなくなるリスクが高いです。
PageSpeed Insights（PSI）ってなに？
1. Google公式の無料ツール
**PageSpeed Insights（PSI）**は、Googleが提供しているサイト速度のチェックツールです。URLを入力すると、ページの読み込み速度をスコアで示してくれて、何が問題になっているかを具体的に教えてくれます。
2. フィールドデータとラボデータ
PSIの画面には、実際のユーザーが使ったときの平均データ（フィールドデータ）と、Googleが仮想的な環境で計測したデータ（ラボデータ）の2種類が表示されます。
フィールドデータ: 実際に世界中のChromeブラウザを使ってアクセスしたユーザーのリアルな測定結果。
ラボデータ: Google側のテスト環境でページを読み込みしたときの理想的な診断結果。
3. スコアが低い＝改善の余地あり！
スコアは0〜100点で、80点以上なら「まあまあ速い」、90点以上なら「かなり速い」という目安になります。ただし、スコアだけに一喜一憂しなくてもOK。大事なのは**「どの箇所を直せばもっと速くなるか」**を見つけて、地道に調整することです。
Core Web Vitals（コアウェブバイタル）とは？
PSI上でも注目されている指標がCore Web Vitals。特に下記の3つが2023年現在、SEOでも大切と言われています。
LCP（Largest Contentful Paint）
画面で一番大きな画像や文字が表示されるまでの時間。
2.5秒以内くらいだと良いとされています。
FID（First Input Delay）
ユーザーが最初にボタンやリンクをクリックした際、サイトが反応し始めるまでの遅延。
100ミリ秒以内を目標に、と言われています。
今後はINPという指標に切り替わる予定なので、さらに広い操作範囲での応答速度を考慮しましょう。
CLS（Cumulative Layout Shift）
ページ読み込み途中にレイアウトがガクッとズレるかどうか。
0.1未満が望ましいライン。
これらは「読み込みが速いか」「操作しやすいか」「レイアウトが安定しているか」というユーザー体験を直接反映するものです。スコアが低い箇所があるなら、まずはそこを優先的に直していくといいでしょう。
具体的な速度改善テクニック
サイトの速度を上げるための方法はいろいろありますが、ここでは比較的カンタンに始めやすいものをまとめてみます。
1. 画像を最適化する
サイズを適切に調整: 元の画像が高画質すぎると容量が大きくなり、読み込みが遅くなる原因に。必要以上に大きな解像度を使わない。
圧縮ツールを使う: JPEGやPNGを無駄なく圧縮してくれるオンラインツールやWordPressプラグインを活用する。
遅延読み込み（Lazy Load）: 画面をスクロールして初めて見える画像は、後から読み込む設定にしておけば、最初の描画が速くなる。
特にECサイトや写真多めのブログでは、画像だけでページ容量の大部分を占めることもあるので、ここを最適化するだけでかなり速度が上がります。
2. JavaScript・CSSを軽くする
不要なコードを削除する: 使っていないプラグインやライブラリがあるなら思い切って消す。
圧縮（Minify）: コード内の改行や余白を取り除く。専門のツールやビルドツールを利用すれば自動化できる。
非同期読み込み: スクリプトをdeferやasyncで読み込むと、ページの表示をブロックしにくくなる。
特に広告タグや解析タグがたくさんあると、その分だけ読み込みが増えるので、どれが本当に必要か定期的に見直すとよいでしょう。
3. キャッシュを活用する
ブラウザキャッシュ: 長期間変わらないファイル（ロゴ画像など）にはキャッシュ有効期限を設定する。
サーバーキャッシュ: WordPressならキャッシュプラグイン（W3 Total Cacheなど）を導入し、HTMLの生成結果を保存しておく。
CDN（Content Delivery Network）: 地域ごとに分散配置されたサーバーから配信することで、高速化とアクセス集中の耐久力アップが狙える。
4. ホスティングやインフラを見直す
サーバーが混み合っていないか: レンタルサーバーや共用サーバーを使っていてレスポンスが遅いなら、より上位プランやVPSなどに切り替えるのも手。
HTTP/2やHTTP/3対応: 最新プロトコルを使うと読み込みが効率的になる場合があるので、ホスティング会社の仕様を確認してみよう。
5. AMPは必要？
モバイル高速化のためのAMPという仕組みもありますが、最近はAMPが無くても高速表示ができるサイトが増えています。デザインの制約や運用コストとのバランスを考えて、本当に導入が必要かどうか検討してみてください。
ECサイトへの効果は絶大
ネットショッピングサイトは特にページ数が多く、商品ごとに大きな画像を使うことが多いですよね。さらに、「トップページ → カテゴリ → 商品詳細 → カート → 決済ページ」と複数のステップを踏むため、どこか1ページが遅いと購入完了までたどり着く前に離脱されるリスクが高まります。
カゴ落ち対策: 決済ページが重いと、そのまま面倒になって購入を諦めるユーザーがいる。
売上アップ: ページが1秒速くなるだけで、CVR（コンバージョン率）が何％か改善されるケースも。
実際、大手ECサイトが施策を打った際の成功事例では、画像の読み込みタイミングを工夫しただけで売上が伸びたという話もよく聞きます。試してみる価値は高いですね。
継続的な計測と改善が重要
サイト速度は、一度改善して終わりではありません。新しくバナーを追加したり、機能を増やしたりするたびに少しずつ重くなることがあるからです。
定期的にPageSpeed Insightsをチェックする
Search ConsoleのCore Web Vitalsレポートを見る
プラグインやテーマのアップデートの影響を監視する
このように、継続してチェック→問題発見→修正→再チェックのサイクルを回すことで、常に快適な表示速度をキープできます。特にセールやキャンペーンを頻繁に打つECサイトだと、余計なスクリプトが増えがちなので要注意です。
まとめ
ちょっとした工夫だけでサイト速度はグッと向上し、ユーザーが離脱しにくい環境を作ることができます。さらに、Googleの検索結果でも不利になりにくくなるので、集客や売上アップにも好影響が期待できるでしょう。
もし「サイト速度が遅いかも？」と感じたら、まずはPageSpeed InsightsでURLを分析してみてください。
画像の最適化、
JavaScript・CSSの削減や非同期化、
ブラウザやサーバー側のキャッシュ設定、
CDNやホスティングの見直し、
など、すぐに実行できる施策は意外にたくさんあります。ECサイトなら、速度改善の成果が売上に直結しやすいので、とても費用対効果の高い取り組みになるはずですよ。