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横浜市長選は菅総理の命運を握っている


9人が出馬予定の横浜市長選


8月8日告示、8月22日投開票で横浜市長選が行われます。執筆時点8月3日はオリンピック開催中のため、市長選の報道はやや控えめです。

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致が、最大の争点となっています。現時点では9人の立候補が予定され、大混戦となっています。

・林文子(75) 現職
・小此木八郎(56) 前国家公安委員長
・山中竹春(48) 元横浜市立大学教授

市長選は、実質上記3人の争いとみられています。

IR賛成は、林市長ともう1人の候補。その他の候補は反対の立場をとっています。

横浜市にIRを誘致するという事業は、菅総理肝入りで始まったことです。選挙区も神奈川2区(横浜市西区・南区・港南区)という地元。まさにメンツをかけた戦いなのです。


自民党横浜市議の混乱


当初は、林市長の再選が有力と言われていました。ただ出馬表明が遅かったですが。

混乱に拍車をかけたのが、前国家公安委員長の小此木八郎氏(神奈川3区 横浜市鶴見区・神奈川区)の出馬表明でした。現職の大臣の出馬。しかもIRには反対との立場。

菅総理が議員秘書から横浜市議、そして衆議院議員となったことはよく知られていることです。議員秘書時代に仕えていた人物が、小此木彦三郎元衆議院議員。小此木八郎氏の父です。

小此木八郎氏と菅総理の出会いは、小此木氏が小学生の時と言われています。出会いから50年近くの付き合い。IR反対と聞いてさぞかし驚いたかと思いますが、現在は支持していると報道されています。

自民党横浜市選出の県議会議員は、全員小此木八郎氏支持。
自民党横浜市議36名中、30名は小此木八郎氏支持。

横浜市議会において、IR賛成と決議しているのです。IR反対と表明している小此木八郎氏を支持する理由を説明する義務があります。そこに自民党横浜市議の方達の苦悩が見え隠れするのです。皆さんもそう思いませんか?


地元をまとめられなかった政治家


無題


前尾繁三郎氏という政治家をご存知でしょうか。

京都府選出の衆議院議員。池田元総理の側近として知られ、自民党幹事長・衆議院議長・宏池会会長(2代目)を歴任した大物政治家でした。

当時京都府は、野党系の蜷川虎三知事が7選していました。前尾氏も自民党幹事長として、また宏池会会長として陣頭指揮をとって蜷川知事打倒に尽力しました。結果として、選挙に勝つことができなかったのです。

その後のいわゆる大平クーデターによって、宏池会会長を失脚することにつながっていくのです。地元の選挙を取り仕切れない人物が、全国の選挙を取り仕切れるのか。そのように見られても、確かに不思議ではありません。


今後の見通し


今回の横浜市長選において、誰が当選するにかかわらず、菅総理の影響力は低下するでしょう。地元の選挙を取り仕切れない人物が、全国の選挙を取り仕切れることができるのか。

現在の自民党の有力な政治家を見ると、ことごとく保守王国の出身であることがみてとれます。

安倍晋三(山口県)
麻生太郎(福岡県)
二階俊博(和歌山県)
岸田文雄(広島県)
石破茂(鳥取県)

野党が選挙に強い、北海道から有力な総理総裁候補がでてこないというのは、案外そういう理由なのかもしれません。

自らの政策を実行しようとすれば、より多くの仲間を集めなければなりません。その集めた仲間から信頼されるためには、強いリーダーだと思われなければなりません。

菅総理が強いリーダーかどうか、そう遠くない将来に分かることでしょう。



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