ほんとはスワローズ愛に満ち溢れた絵だった-神宮外苑「ららぽーと」イメージパース
明治神宮外苑にららぽーとをオープンするなんて、事業者は発表していないのに、これはショッピングモールだ、三井住友不動産だから「ららぽーと」だと決めつけられた1枚の画像がありました(以下『らら図』とします)。
ららぽーとが一人歩きして、それをもとに憤っている方がたくさんいらっしゃるので、そこに描かれた、誰も指摘しなかったものを指摘しておきます。
ららぽーとと言い始めたのはこの方か?
反対運動がおきているので計画が「悪名高い」と表現し、よく知らない人たちの耳目を引くように「明治神宮外苑」と計画に存在しない「ららぽーと」をくっつけて森山高至氏が投稿しました。
この投稿に乗っかったのは、反対の署名運動の主催者であるロッシェル・カップ氏。「神宮外苑地区まちづくり」だけでなく、都の各種再開発計画や木を伐採する工事に悉く反対されています。
ららぽーとのような商業施設をつくるという東京都や事業者側のアナウンスが存在しないのに、それを根拠に見直しの署名運動をするのはミスリード、嫌がらせでしかない。
さらにこんな記事までリリースされました。
これらの放たれた投稿や記事にたくさんの脊髄反射動物が食い付き、釣果は大漁だったようです。
イメージパースに描かれたものをみていこう
このらら図、「神宮外苑地区まちづくり」において、どこになにが建つのかある程度知っていたら、どのあたりを描いた図か想像が付きます。
こちらのトップページのスライドにもなっている、上空から俯瞰した完成イメージ図をみてみましょう。
もともと「神宮外苑地区まちづくり」のサイトに掲載されていたときには、らら図のキャプションは『エリア内の歩行者ネットワークの課題を解決する南北通路(左:事務所棟、複合棟、右側野球場)』となっていました。
※Internet Archive にキャプチャされた2022年10月当時のサイトはこちらから確認できます。
上空からの図とキャプションから、このらら図、右は球場の本塁後方あたりの湾曲だと想像できます。
右の奥の柱のさらに奥には、グランドを見下ろす観客席につながっていそうな空間と通路。
湾曲したかたちに沿って、観客席につながるフロアが何層にもあるのが見て取れます。俯瞰図のバックネット裏の幾層にもなった建築と符合します。
さすがに、ららぽーとの店舗はなさそうです。
そして、左側。
奥が複合棟で、左手前2階にはカフェがありそうです。
左手前1階は店舗のようです。ここを拡大してよく見ると、『Baseball Sh…』というサインが柱に沿って配置されています。手前の台にはバットとボールが描かれています。奥のワゴンにはつば九郎らしきイラストがあります。
ここは、新神宮球場なのでスワローズのオフィシャルグッズショップですよね。
さすがに、ららぽーとの店舗ではなさそうです。
さらにみていくと、あることに気付きます。
よく見ると、スワローズユニが
さすがにスワローズのホームグラウンドだから、スワローズっぽいユニフォームを描いているな、とみていくと気付きます。
そして、ちゃんと背番号が描き込まれていることに。
左手前の男?の子は、おそらく左手前に新設される神宮外苑駅からつづく通路を通って親子できたんですね。興奮して走り出しはじめた図。
この子の背番号は「23」。
そう、日米通算2500安打を達成しているスワローズ、青木宣親外野手。
順にみていきます。左のショップでグッズを吟味してそうなポニーテールの女の子は背番号「35」です。ちょっとマニアックかも知れませんが、2019年にドラフト3位で入団した杉山晃基投手。
中央の女子二人組は「30」と「31」。西田明央捕手と山崎晃太朗外野手。どちらもいい感じで活躍している選手。
このほか、縦縞のホームのユニフォームで背番号が確認できるのは、14番・高梨裕稔投手、29番・小川泰弘投手、58番・長岡秀樹内野手、
ビジターゲームのユニフォームも
さらに細かい表現がされています。中央手前にはスワローズのビジターゲームのユニフォームで背番号「9」があります。塩見泰隆外野手。
そして、相手チームのファンであろう人が着ているユニフォームまで描き込まれています。
塩見ユニの右上辺りに背番号「1」がみえます。この色からするとおそらくこれは中日ドラゴンズのビジターのユニフォームです。背番号「1」は京田陽太内野手です。このらら図が描かれたであろう頃は、2019-2021のシーズンで活躍したころですよ。
ここまで描き込んだ意図はあるんだろうか
ここまで細かく描き込んだらら図の作者さん、これはなにか意図があるのかと推理してみました。
この図からわかることは子供が沢山いること、光が上から注いで明るいことです。おそらくは、週末のヤクルトスワローズ主催のデーゲームの日ではないだろうか。
そして、行き交う人たちは、半袖、Tシャツ、ホットパンツの女性らしき姿も幾人かみえます。初夏から夏の装いですね。
ここでちょっと調べてみました。
初夏から夏でヤクルトスワローズ主催のデーゲームの日、相手チームは中日ドラゴンズって日があるんだろうか。
ありました。
2021年6月19日(土) ヤクルト - 中日 10回戦 14時00分開始神宮 (観客動員:8637人)。
しかもこの日、先発は29番・小川泰弘。1番センター塩見、2番、レフト青木。描かれているユニフォームにありますね。
残念ながら、7対3でヤクルトスワローズが負けた日でしたが。
らら図の作者さんに答え合わせして欲しい。
このらら図が「神宮外苑地区まちづくり」のサイトに公開された頃の少し前には、「神宮BALL PARK」構想なんて期待して見守っている人が可視化されていたんですよね。
このイメージパース図の作者さんも、6月19日(土)の試合が新球場だったら、とイメージを膨らませて描いたのかも知れません。
ヤクルトスワローズ愛に満ちあふれた絵が「ららぽーと」と呼ばれるのは本当にあほらしく思えるので、解読してみました。
※現在は更新されて、公式サイトからは確認できない図を引用させていただいています。委引用した図は、Internet Archive にキャプチャされた2022年10月当時のサイトはこちらからのものです。
2023/07/20追記
事業者、三井不動産への取材で、明確にららぽーとを否定している回答がメディアで報じられましたので追記いたします。