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ハダカデバネズミ
アフリカでもっとも乾燥した地域に棲むハダカデバネズミはヒトと同じように体毛がほとんど生えないほ乳類です。
ガンにならず長寿
げっ歯類の中でもハダカデバネズミは平均生存期間は28年であり、マウスの2年、カピパラの10年に比べてもとても長いです。これはハダカデバネズミが老化およびがんなどの疾患に対し特出した抵抗性を持つためです。
ハダカデバネズミの若齢個体と高齢個体の脳のmRNAを比べた結果、ヒト・マウスなどに比べて安定して発現しており、タンパク質の安定性や代謝経路に関わる遺伝子の発現量が年齢依存的に変化することが報告されています。
また、ハダカデバネズミはがん化に対して耐性を持っています。これには高く発現しているヒアルロン酸が関わっていることが示唆されており、発現するヒアルロン酸を阻害した場合、異常な増殖を防ぐ仕組みが抑制されました。
ヒアルロン酸の分解酵素であるヒアルロニダーゼにより制御されますが、他のげっ歯類に比較してハダカデバネズミではヒアルロニダーゼの活性が
非常に低くなっています。このヒアルロン酸は高分子であり細胞周期の抑制を制御し、さらに炎症を抑えますが、低分子ヒアルロン酸は逆の働きをすることが示唆されており、ハダカデバネズミは高分子量ヒアルロン酸を多く発現するために癌化と老化を抑制しているのではないかと考えられます。
ヒアルロン酸は細胞の結合を担っており、細胞の増殖にも関わります。ヒアルロン酸は N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸という2種類の糖が繰り返し重合する多糖類で様々な組織に存在します。
参考文献
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2016.880071/data/index.html