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酸性雨の被害

酸性雨の原因となる物質は主に硫黄酸化物(SOx)と窒素酸化物(NOx)です。これらは化石燃料の燃焼や火山活動などにより放出されます。1952年にイギリスのテムズ川流域でpH1.5という凄まじい酸性雨が降った大気汚染公害事件では5日間で4,000人もの人が死亡したと言われています。

怖い酸性雨

 硫黄酸化物や窒素酸化物は、大気中で化学変化を起こし、硫酸や硝酸となって降水に溶け込み、酸性雨となります。地上に降る雨が酸性化する時点は2回あり、雲の中と雨となって降ってくる途中で酸性化します。
 よく降り始めはpHが低めであるといわれるのは、降ってくる途中で酸性物質の取り込みによるものと考えられています。
 また、それらの原因物質が大気中に放出されてから酸性雨として降ってくるまでに、数千kmも遠くから運ばれることもあります。 

日本の酸性雨

 少し古いデータですが、日本全国の酸性雨の観測結果について、2014年3月に環境省から発表された平成20年度から24年度における降水pH の地点別年加重平均値の範囲は4.48~5.37でした。この結果から降水pHは酸性化した状態であることがわかります。

できることは

 酸性雨で薄毛になるかはわかりませんが、ある程度以上酸性度の高い雨をかぶれば頭皮だけでなく、目やそのほかの皮膚にも刺激になるでしょう。また、生態系にも重大な損傷を与えることになります。
 植物の成長は止まり、水生生物は死滅し、土壌の環境も変わります。火山活動などの自然原因は対処が難しいですが、ガソリンの使用量が減らし、省エネすることで火力発電所から発生される硫黄酸化物を減少させることはできます。
 ヒトの頭が薄くなることも深刻ですが、森林や山の緑が薄くなることのほうがより深刻です。

 参考文献

https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/acid/info_acid.html
https://www.id.yamagata-u.ac.jp/EPC/13monndai/13ame/ame.html

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