〇ジャネットのスーパーボウルのおっぱいぽろり事件以降、なぜジャネットのアルバムセールスは急下降したのか
〇ジャネットのスーパーボウルのおっぱいぽろり事件以降、なぜジャネットのアルバムセールスは急下降したのか
【Why Janet’s Album Sales Going Down After Super Bowl Incident?】
(本作・本文は約3000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ6分から3分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと10分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)
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〇ジャネットのスーパーボウルのおっぱいぽろり事件以降、なぜジャネットのアルバムセールスは急下降したのか
【Why Janet’s Album Sales Going Down After Super Bowl Incident?】
1.大事故の責任者は
急下降。
先日の松尾潔さんの『 #メロウな夜間授業 』 (2021年11月29日@ビルボードライブ東京)で出た2004年スーパーボウルでのジャネットのおっぱいぽろり事件後、彼女の人気が急下降する一方、もうひとりの当事者ジャスティン・ティンバーレイクは人気急上昇となった件。言われてみるまであまり気づかなかったが、確かにそうだ。では、なぜそうなったのか。いろいろ考えた。
この時はなぜか一方的にジャネットがバッシングされたが、では、もし、胸をはだけさせた男性が黒人で、露わにされてしまった女性が白人だったらどうなっていただろうか。
間違いなく男性(黒人)が大バッシングを受けただろう。
つまり、「スーパーボウル」はアメリカではもっとも「神聖」なものとされ、全米で1億人が見る白人主導の「国民的イヴェント」。そこで事故であれ、胸を見せてしまうことは、ファミリーで楽しむ一家団欒では許されない。そうした厳格なルールはアメリカでは特に重要視される。放送業界的にはまれにみる「大事故」だ。
そうした不祥事(大事故)を起こしてしまった場合、誰かが責任を取らなければならない。逆を言えば、誰かを犯人(悪者)にしなければならない。一般的には、まず、その番組の統括者、プロデューサー、あるいは、その番組を放送した放送局の社長なり会長なりの代表者だ。
しかし、このときはそうはならなかった。まず、非難の矛先が向いたのが、胸を見せてしまったジャネットだった。その行為をしたのは、ジャスティンだったにも拘わらずだ。
このときは、ジャネットとジャスティンの非は少なくとも五分五分だと思うが、むしろ、胸を露わにしたのは男性だから7:3で男に非があるような気もするが、バッシング度合いは9:1でジャネットが叩かれた。なぜか。
結局は白人世界における黒人、しかも女性が叩かれたということになる。つまり、この事件でも黒人・対・白人で、被差別側の黒人の方が叩かれ、黒人・対・白人の差別構造が露わにされたのではないか。
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2.セールスの急下降と急上昇、分ける明暗
2004年2月1日、スーパーボウルのハーフタイム・ショー。このとき、ジャネットはちょうど2004年3月30日に新作『ダミタ・ジョー』がリリースされることになっており、スーパーボウル出演は絶好のプロモーション機会だった。アメリカの音楽業界では、新譜をプロモーションする上で、『スーパーボウル』のハーフタイム・ショーでのライヴは、何よりも最優先、どのテレビ番組より狙われるものだ。なにしろ、1億人近い人がこれをほぼ同時に見るから、ハーフタイム・ショーの出演が決まれば、レコード会社は翌日のオーダーが爆発することを知っている。だから、このハーフタイム・ショー出演が決まったことで、続くアルバム『ダミタ・ジョー』は少なくとも200万枚は行くだろうと踏んだだろう。
彼女の『コントロール』以降の全米でのセールスは次のようなものだった。
『コントロール』(1986年2月発売) 500万枚
『リズム・ネーション1814』(1989年9月) 600万枚
『ジャネット.』(1993年5月) 800万枚
『ヴェルヴェット・ロープ』(1997年10月) 365万枚
『オール・フォー・ユー』(2001年4月)(320万枚)
>2004年2月スーパーボウル
『ダミタ・ジョー』(2004年3月)100万枚
『20Y.O.』(2006年9月) 70万枚
『ディシプリン』(2008年2月)45万枚
『アンブレイカブル』(2015年10月) 25万枚
『ダミタ・ジョー』は、このスーパーボウル事件以降、ジャネットの曲が保守的なラジオ局から事実上締め出され、プレイされなくなってしまった。そして、このアルバムの失速が、以降のアルバムの失速に加速度をつけたとも言える。
もっともCDの売り上げ自体が世界的に1998年をピークにして、その後20年で半減するという逆風があるにせよ、『ダミタ・ジョー』以降の3枚のアルバムのセールスはかなり厳しい。実際、『ヴェルヴェット・ロープ』が365万枚売れたのであれば、もしCD自体の売り上げが20年後に半分なら、それでも180万枚、少なくとも100万枚くらい売れていてもよさそうだが、実際は25万枚ではかなりつらい。
一方、ジャスティンの方はこれを機に人気が上がり、レコード(CD)セールスは上昇する。
『ジャスティファイ』(2002年11月)(400万枚)
>2004年2月 スーパーボウル
『フューチャーセックス/ラヴサウンズ』(2006年9月)(470万枚)
『20/20』(2013年3月)(370万枚)
『20/20―2・オブ・2』(2013年9月)(113万枚)
『20/20 エクスペリエンスーコンプリート・エクスペリエンス』(2013年9月)(110万枚)
『マン・オブ・ザ・ウッズ』(2018年2月)(42万枚)
ジャスティンはもちろん、勢いの付き始めた人気爆発急上昇中の若手シンガーではあったが、スーパーボウル後のアルバムは前作を上回るセールスを上げた。スーパーボウル出演がマイナスになったことはなく、明らかにプラスの影響を受けた。
まさに二人は同じ事件の当事者ながら、くっきりと明暗を分けた形となった。それは一人が黒人で、一人が白人だったからではないのだろうか。
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3.黒人・対・白人
結局、放送業界、またスポーツ業界も、基本は白人資本主義がすべてを取り仕切っている世界だったから、こうしたことが起こったときに、黒人が割を食うということになったのではないか。そういう推論を持った。
ジャネットのアルバムのセールスの落ち具合が想像以上に激しいので他にも理由があるかもしれない。もう少し、いろいろと考えを巡らせてみたい。
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