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チェット・フォーチューン・最後のバンド・ライヴか、ライヴ・レポ~脳梗塞からの完全復活

チェット・フォーチューン・最後のバンド・ライヴか、ライヴ・レポ~脳梗塞からの完全復活
 
【Chet Fortune : The Final Live With The Full Band? Full Recovery After Cerebral Infarction】
 
80歳現役。
 
1960年代後期から日本で活動していた元ハウス・ロッカーズのメンバー、ワシントンDC出身のソウル・シンガーで、元アクト・ワン、元スペシャル・デリヴァリーのメンバーでもあったチェット・フォーチューンのバンド形態での最後とされるライヴが、2024年10月14日(月曜・祝日)、汐留のライヴハウス「ブルー・ムード」で満員の客を迎え、行われた。
 
チェットことチェット・フォーチューン3世は1944年(昭和19年)5月21日フィラデルフィア生まれ。8人兄弟の1人で一家でワシントンDCに引っ越し、同地の教会などで歌い始めた。

1966年米・空軍で立川に来日、1972年まで日本滞在。この間、同じワシントンDC時代の友人が東京でバンド活動をしており、参加。それがハウス・ロッカーズだった。これを機に、チェットは1969年当時話題になったロック・ミュージカル『ヘア』の日本版にも参加。そのサントラ盤『ヘア』でもチェットは「アクエリアス(輝く星座)」などを歌っている。この頃、バンドがムゲンなどに出演するようになり、それを日本のビクターが声をかけ録音、ライヴ盤も含め3枚のアルバムを出した。
 
1972年にアメリカに帰国後はワシントンDCを本拠に昼間の仕事をしながら音楽活動を続け、そんな中、アクト・ワン、スペシャル・デリヴァリーなどに参加した。
 
2011年(67歳)で、奥様の実家、群馬県桐生に移住。以来、日本在住となっている。2014年ハウス・ロッカーズ時代のアルバム3枚が初CD化され、日本でも再度注目されるようになり、都内でライヴを行うようになった。
 
チェット名義のフル・バンドの過去ライヴは次の通り。
 
① 2015年5月 赤坂Bフラット
② 2015年10月 目黒・ブルースアレイ
③ 2017年10月 御茶ノ水タック
④ 2019年3月 目黒・ブルースアレイ
⑤ 2024年10月 汐留・ブルームード
 
今回は、チェットが80歳を迎えるために、いちおう都内でのバンドでのライヴは最後にしようかという話で行われた。



 
セットリストは下記にあるが、アンコール含めて全13曲、スタックス関連が6曲、モータウンが2曲、その他が5曲、2曲をのぞいていずれも1960年代のソウル・ヒットだ。
 
しかし、この日のライヴを見る限り、まったく元気で動きもよく、声もでていて、まだまだできそうな感じがした。
 
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■脳梗塞からの復活
 
ところで、奥様、関係者から、前回のコロナ前、2019年3月ブルースアレイで行われたライヴの後に、チェット本人が脳梗塞を患ったと聞いて驚いた。
 
話しをまとめると、こうだ。ある時、奥様が買い物ででかけているときにチェットから携帯に電話があり、体調が悪い、ひょっとしたら脳梗塞かもしれないのですぐ帰ってきてくれと言われた。軍隊時代にある程度の医療知識を学んだチェットは、しびれがでてきたことなどからどうやら初期の脳梗塞とわかったらしい。すぐに救急車を手配、奥様も自宅に戻るが、その時点で、しびれと麻痺が進んでいたという。救急隊が近くの病院に行こうとしたので、脳外科だったら少し遠いが大きな病院にしてくれといい、約40分かけてその病院に行き、精密検査、処置などをした。その間も状況は進行しており、話もろれつが回らなくなっていたという。
 
ただ発見が早く、その病院が適切な処置をしたため、ほんの数日で退院できることになって、医師に驚かれたという。その後はリハビリに精を出し、1-2カ月でほぼ元のように戻った。それからもう5年経っていて、定期的に病院でチェックはしているそうだが、特に問題はないそうだ。
 
という話をファーストとセカンドの間に聴き、びっくりしてしまった。
 
ファーストでも元気よく、声もはりもあって、動きも昔と変わらなかった。そして、歌詞を忘れるでもなく、ちゃんと歌っていた。よく言われるのがふだん話ができづらくなっても、歌などはしっかり歌えるということ。それが音楽の力なのだろう。昔覚えた歌詞や、メロディーなどの脳内の記憶所蔵地が深い所にあるせいか、昔の記憶はよく残っているらしい。
 
地元などで小規模のライヴなどは、こんごも行うそうだが、都内でのバンド形態のものは、もう年なので引退か、ということらしい。しかし、この日のライヴを見ていると、まだまだ元気にやっていけそうな気がした。



 
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チェット・フォーチューン・ライヴ :セットリスト
Chet Fortune Live @ Blue Mood, Shiodome,
2024/10/14
 
セットリスト
[ ]denotes original artists
 
1st Set
 
Show started 18:30
1.                 In The Midnight Hour [Wilson Pickett]
2.                 It’s Your Thing [Isley Brothers]
3.                 Just Me [Sam & Dave]
4.                 Soul Man [Sam& Dave]
5.                 Oh Let Me Know It [Special Delivery]
6.                 Hold On, I’m Coming [Sam & Dave]
Performance ended 18:56
 
2nd Set
 
Performance started 19:30
1.    (Band Instrumental) Bustin Loose [Chuck Brown & The Soul Searchers]
2.    Knock On Wood [Eddie Floyd]
3.    These Arms Of Mine [Otis Redding]
4.    Ain’t Too Proud To Beg [Temptations]
5.    When Something Is Wrong With My Baby [Sam & Dave]
6.    Get Ready [Temptations]
Enc. It’s A Man’s Man’s Man’s World [James Brown]
Show ended 20:24
Kenji Fujisawa, Akira Yamamoto Closing Speech
Ended 20:34
 
Chet Fortune Live @ Blue Mood, Shiodome, 10/14/2024
 
Members メンバーズ
 
チェット・フォーチューン&ソウル・リヴァイヴァル 
Chet Fortune & Soul Revival
 
メンバー Members
 
Chet Fortune チェット・フォーチューン vocal
Jun Abe 安部潤keyboards
Fumio Hank Nishiyama ハンク西山 guitar
Gerald Painia ジェラルド・ペニエ drums
Takahiro Sokusai 息才隆弘 bass
Andy Wulf アンディ・ウルフ sax
Todd Lowery トッド・ローリー trombone
 
(2024年10月14日月曜、チェット・フォーチューン&ソウル・リヴァイヴァル・ライヴ、汐留ブルームード)
 
■チェット・フォーチューン・ユーチューブ・チャンネル
 

 

 
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2023年04月24日(月)

 
2019年3月31日のライヴ評
 
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2014年12月28日(日)

チェットが初めてブルース・アレイに登場した日。
 
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ENT>ARTIST>Fortune, Chet

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