ご来場感謝。「プリンス・ユニヴァーシティー」~プリンス三昧~イヴェント
ご来場感謝。「プリンス・ユニヴァーシティー」~プリンス三昧~イヴェント
【Thank You For Coming To Takuya Futaesaku’s Prince University Event】
ご来場感謝。
2024年4月20日、命日の一日前に行われた『プリンス・ユニヴァーシティ』、その12回。トークゲストで御呼ばれし、出向いて、自由にお話をしてきた。
特に打ち合わせもなく、主催者二重作さんに聞かれるがままにこたえていったのだが、思いのほか、話がプリンスから脱線してしまった。
■「ブラック・ラジオ・ステーション」
プリンスが生まれ育ったミネアポリスには、いわゆるブラック・ラジオ局がなかったという話から、ブラック・ラジオ局についての歴史をひとしきりしてしまった。はては、1960年代後期からラジオ局がAMから、徐々にFMになる話、FMは電波の到達距離は短いが、音質がいいことから、音楽番組が増えたという話。そうしたラジオ局が音楽ジャンルによってどんどん細分化されてきた話などをした。そんな中、ブラック・ステーションがなかったミネアポリスにも弱小ながらAMのソウル・ステーションが誕生した話などもした。そして、ジェームス・ブラウンがかつてはあらゆる音楽がひとつのステーションでかかっていたが、60年代後期70年代以降、ジャンルによって、音楽フォーマットが細分化したために、自分の曲は「ソウル・ステーション」でしかかかりにくくなった、といった話をした。このあたりのラジオ、ブラック・ラジオについてはいちど、ロバート・グラスパーのアルバム『ブラック・レディオ』がでたときに、少し歴史を含めてラジオ番組などでも話したが、思わぬ展開からこの話をすることになった。
■ラジオのDJという存在
そして、DJという存在がアメリカではアーティストにとって、評論家などよりはるかに大きな存在だという話から、新しいシングル盤が出ると、アーティストやレコード会社の人たちはなにがなんでもラジオでかけてもらうように動いたという話をした。そこで、ジェームス・ブラウンのエピソードも披露。
もうひとつ、1960年代から70年代、ソウルのレコードを売る上で重要だったのが、各地方にあるいわゆる「ポップ&ママ(父と母の)ストア」という夫婦でやっているような小さなコミュニティーのレコード店での店頭演奏という話をした。店頭でかけてもらえるように、レコード会社の宣伝担当が、働きかけるというわけだ。このあたりは、ここ10年くらいずっと気にかけていて、ちょっとした本などがあると、ちょくちょく入手したりしていたが、なかなかまとめるまで行ってないので、たまたま今回そういう話になって、そういう話ができたのはよかった。
■12インチの誕生
流れで、12インチ・シングルの話に飛び、12インチ誕生の歴史などを話して、ずいぶんとみなさんから喜ばれた。
■ミネアポリスのノースサイドの話
また、プリンスの生まれ育ったミネアポリスのノースサイド(北側)はブラックが多く、南側は白人が多かったが、初代マネージャーのオウエン・ハズニーは南側に住んでいたが、ノースサイドに住んでいたプリンスの家は、オウエンの部屋の10倍はあって、驚いた、という話をした。そこから初代マネージャー、オウエンが2作目からはずされてしまうが、その1枚目の売り込みの仕方などを、1986年、実際にインタヴューしたときの話からご紹介した。
■ブラック・ロック(黒人がプレイするロック)
そして、これも話の流れで、「ブラック・ロック」、つまり黒人がやるロックの話になり、1980年くらいから1982年秋にいたるわずか2年間の間のブラック・ミュージックを取り巻く状況の変化についての考察はみなさん、大変面白く思われたようだ。
ちなみに、ブラザース・ジョンソンのクインシーから離れた後のロックをやろうとした一曲。
Brothers Johnson – Hot Mama (1981/7)
Earth Wind & Fire – Back On The Road (1980/10)
アル・マッケイとモーリス・ホワイトの間が決定的に決裂することになった1曲。
ブラック・ロック・グループとしてでてきたバズ・ボーイズ
The Bus Boys – The Boys Are Back In Town (1980)
そして、ブラック・ロックをもっとも商業的に成功させた1曲
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トーク以外では、二重作さんが自分でも録画してきたプリンス関連のライヴ映像が圧巻だ。特にアフターパーティーで彼がかけてくれたブルー・レイ・ヴァージョンの『スーパーボウル』でのプリンスのパフォーマンスの映像は、ものすごくきれいで驚いた。
アフターのトークで、二重作さんが、この「ハーフタイム・ショー」は、「ブラック・ロック」がひとつのテーマだったのではないかと指摘して、改めて見ると、確かにそうだったと思った。
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この項、明日以降につづく
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