〇浜野安宏さんの映画『自由・無限―BREAK THROUGH-』上映&トーク・ショー~ブリオに書いた赤坂ムゲン物語~
〇浜野安宏さんの映画『自由・無限―BREAK THROUGH-』上映&トーク・ショー~ブリオに書いた赤坂ムゲン物語~
【About Disco Mugen On Brio Magazine 2005 / Anko Hamano’s New Movie “Freedom, Mugen (Unlimited) , Breakthrough” Premier and Talk Event】
初上映。
実質的に日本初の本格的ディスコ、赤坂ムゲン(MUGEN)の内装、コンセプトなどをプロデュースした建築家、プロデューサー、映画監督、浜野安宏(はまの・やすひろ、みんなからはアンコーさんと呼ばれる)さんの最新作『自由・無限―BREAK THROUGH-』上映&トーク・ショーが2023年6月、約1週間代官山のシアター・ギルドで行われ、そのうちの6月18日(日)に観た。
『自由・無限―BREAK THROUGH-』は、浜野さん自身のキャリアを、息子さん役がナレーションする形で映画化したもの。浜野さんとさまざまな友人たちが、一緒に話をしながら、浜野さんの軌跡を明らかにしていくドキュメンタリー作品だ。
中でもコシノジュンコさんの証言にあった、1960年代に浜野さんがアメリカに行くときに、横浜港に見送りに行ったときの話などおもしろかった。
都市に対する見方で、渋谷川をどうするか、という点もとてもおもしろかった。また、京都は、何百万年前は湖だったという話も知らなかった。僕は人間と水って、ありとあらゆる点で密着していると思っていたのだが、これを見ているときに、かつて見た映画『黄金のメロディ、マッスル・ショールズ』(2014)を思い出していた。
あのアラバマ州マッスル・ショールズのあたりは、スワンプ(湿地帯)が多く、また近くのミシシッピー川の水も豊富だ。そこには、「水の精霊」や「森の精霊」が宿るという。それを同映画で知ったとき、なるほどと思ったが、今回も浜野さんが「水」に対して、ひじょうに真摯に対峙しているのを見て、そのマッスル・ショールズの映画のお話を、映画終了後、ちらっとかいつまんでお話した。浜野さんは、アラバマ州には行ったことはないが、ワイオミングにはよく行った。そして、「それは、よくわかります」とのことだった。浜野さんはワイオミングで、釣りを極め、水、川に接してきたが、その様子はSNSなどで発信されている。最近では沖縄を活動の本拠にしている。近く琵琶湖近くに移住するとのこと。
ひょっとしたら、「浜野さんと水」というコンセプトにフォーカスしたら、また一本映画ができるのではないか。京都、渋谷、琵琶湖、ワイオミング、沖縄・・・。大都市の水と自然の水など。そこに釣り師浜野さんがどうバランスを取るのか、などなどだ。
ところで、浜野さんは今でいう「空間プロデューサー」というのだろうか。以前はその言葉はなかったが、赤坂ムゲンから始まり、青山のフロム・ファースト、東急ハンズ、六本木アクシス、そして、渋谷駅前スクランブル交差点前のQフロントなどなど。文字通り元祖空間プロデューサーだ。
次々と話題の建築物を作り続けてきた浜野さんの尊敬すべきあの、ブルドーザー的原動力はどこにあるのだろうか。今作の中にもその秘密の一部はあったが、十年以上ぶりに久しぶりに(取材でお会いしたのが2005年夏だから、18年ぶりに)お会いしても、そのパワーは感じられた。パワーのある人のそばに行くとパワーの波動というものを直接感じられる。本当に嬉しい。この波動は、映画、映像、あるいはテレビやコンピューターのモニター越しにはわからないもの。
浜野さん、お誘いいただき、ありがとうございました。
■映画『黄金のメロディ マスル・ショールズ』
2014年5月24日
僕の投稿を見て、イヴェント「モーダウン・ナイト」を主催しているソウルブラザー、山本あきらさんが、盟友ソウルブラザー、藤本さんと、映画を見に行き、浜野さんに会われてきた。山本さんは、ムゲンで歌っていたハウス・ロッカーズのチェット・フォーチューンのCDを浜野さんにプレゼントしてきたそうだがまだ歌っているというとものすごく驚かれたそうだ。浜野さんと藤沢さんも、共通の友人がいらっしゃるとかで盛り上がったとか。あの時代の先輩たちは、とにかくパワフルで元気いっぱいで、リスペクトという言葉以外、なにもでない。
そうそう、このとき、僕が座っていた隣に、ダンサーの宇賀神智さんという方がいらして、ちょっとお話したら、もともとヒップホップのダンサーだったとか。浜野さんに声をかけられ、一瞬登壇された。いろいろとゆっくりお話ししたかったが、駐車場が時間切れということでまた改めてということになった。おもしろいご縁が繋がる。
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発見。
現在は休刊となった雑誌BRIOの2005年9月号に吉岡正晴が書いた赤坂ムゲンの記事がネットにPDFででていた。
どうやらフランスのサイトのようで、久しぶりに読んだ。
(記事全文が読めます。字が小さければ、拡大して読めます)
もう18年も前のことだが、読んでみていろいろ思い出した。多くの関係者などに取材してまとめたもの。残念ながらここに出てくる照明の藤本晴美さんは、2018年9月17日に逝去されている。
浜野安宏さんにもこのとき取材した。無限∞と夢幻をかけた店名は浜野さん考案。
MOVIE>Hamano, Yasuhiro
MOVIE>Freedom, Mugen, Breakthrough
DISCO>Mugen>Akasaka
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