〇『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』~アンドラ・デイ圧巻
〇『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』
【Movie ”The United States VS Billie Holiday”】
(本作・本文は約5000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ10分から5分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと17分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)
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〇『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』
【Movie ”The United States VS Billie Holiday”】
闘い。
日本では2022年2月11日(金)から公開された映画『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ(原題 The United States vs. Billie Holiday)』を見たので感想を。
本作は、リー・ダニエルズ監督作品で、1940年代に活躍したジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイのアメリカ合衆国との闘いを描くもの。
ビリーの「ストレンジ・フルート(奇妙な果実)」という曲が、アメリカの当局から公民権運動を煽るということで目をつけられ、ビリーの活動をさまざまな形で妨害するが、ビリーは決してくじけないという物語。
「ストレンジ・フルート」とは、白人にリンチされ殺された黒人の死体を木につるしたもので、それが遠めに奇妙な果実のように見えることから、このタイトルの曲が生まれた。
エイベル・ミーアポル(ルイス・アレン)という作詞作曲家が書いたもので、1939年、ビリー・ホリデイが録音。以後、ビリーの持ち歌として人気を集めた。しかし、黒人が木につるされるという悲惨な内容から、白人当局(FBIなど)がその黒人たちの反応にナーヴァスになり、彼女に歌わないよう直言するが彼女はきかない。そこで徐々に当局はビリーを締め付けていく。
全米では2021年2月にHuluの配信で公開され、日本では約1年後2022年2月11日から劇場公開された。
予告編(日本語)(約1分30秒)
予告編・英語 (2分52秒) (英語の字幕をだせます)
https://www.youtube.com/watch?v=USi-ppCfxEA
Billie Holiday-Strange fruit- HD
https://www.youtube.com/watch?v=Web007rzSOI
THE UNITED STATES VS. BILLIE HOLIDAY | Scene at The Academy
8,570 回視聴2021/03/06 (英語字幕が出せます、約10分) 監督、アンドラ・デイら関係者のインタヴューがでます
https://www.youtube.com/watch?v=TpLMzLSjwoE
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見終わっての最初の感想は主演のビリー・ホリデイ役のアンドラ・デイの熱演ぶりだ。歌ももちろんだが、演技もすごい。これはアカデミー・ノミネート行けると思って、今年の候補をみたら彼女の名前がなかったが、なんと去年「主演女優賞」にノミネートされていた。受賞はならなかったが。
そして、たったひとりのシンガーとアメリカという国との闘いぶりに言葉を失う。国が束になってかかってきても、彼女は決してくじけない。その屈強な強さはどこから来るのか。
一方で、彼女はヘロイン中毒になっていき、その沼から抜け出せない。
このアメリカの国という権威が一人の黒人を標的にして痛めつけるのを見ると、またもや、あのマイケル・ジャクソンに個人的に恨みをもっていたのではないかと思われるようなトム・スネドン検察官を思い出す。ちょっと目立つ黒人を狙い撃ちにする白人が出てきてしまうのだ。これは、つまり、100年も前から変わらないということだろう。
ビリー・ホリデイ、ニーナ・シモーン、ジョセフィン・ベイカー、男性で言えば、マルコムX、マーティン・ルーサー・キング、ジェームス・ブラウン、サム・クック…。
(リー・ダニエルズ)
監督のリー・ダニエルズは、本作を「単なる伝記映画ではありません。合衆国政府が彼女を完全につぶそうとしている、そんな彼女の人生の物語です」と語る。
ピューリッツァー賞受賞作家、スーザン・ロリ・パークスの脚本はそうした物語をいくつものエピソードを集積し紡ぎだす。
圧巻は、ビリーが南部をバスでツアーし、トイレを探しているときに偶然目にしてしまうリンチで殺された黒人を見かけるシーンだ。
そして、ビリー・ホリデイは、今日もまた「ストレンジ・フルート」を意地でも歌う。
ビリー・ホリデイは、「力強く、美しく、そして、ブラックであるから」、彼女からは何物も奪えない。これは本作品の一番の肝だ。
ニーナ・シモーンが『ヤング、ギフテッド、アンド、ブラック』をリリースし、アリーサ・フランクリンがそれをカヴァーし歌う。ビリー・ホリデイのソウルは、間違いなく次の世代へ受け継がれている。そして、ビリー・ホリデイはアンドラ・デイも言うように、「ゴッド・マザー・オブ・シヴィルライツ・ムーヴメント(公民権運動のゴッド・マザー)』だ。
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Andra Day - Strange Fruit [Official Music Video]
https://www.youtube.com/watch?v=aMqB5V-UqOg
Billie Holiday- All of Me
https://www.youtube.com/watch?v=lI5ORDi7yOs
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Strange Fruit
Written by Louis Allen (Abel Meeropol)
[Verse 1]
Southern trees bear a strange fruit
Blood on the leaves and blood at the root
Black bodies swinging in the Southern breeze
Strange fruit hanging from the poplar trees
[Verse 2]
Pastoral scene of the gallant south
The bulging eyes and the twisted mouth
Scent of magnolias, sweet and fresh
Then the sudden smell of burning flesh
Strange Fruit
[Verse 3]
Here is a fruit for the crows to pluck
For the rain to gather, for the wind to suck
For the sun to rot, for the tree to drop
Here is a strange and bitter crop
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Andra Day - All of Me (Music from the Motion Picture The United States Vs. Billie Holiday)
https://www.youtube.com/watch?v=BI1xJYNmwoA
Billie Holiday God Bless The Child
https://www.youtube.com/watch?v=Z_1LfT1MvzI
Andra Day - God Bless the Child
https://www.youtube.com/watch?v=nWD7ZsBWUHU
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公式ホームページ
上映館、時間
https://gaga.ne.jp/billie/theater/index.php
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THE UNITED STATES VS. BILLIE HOLIDAY (MUSIC FROM THE MOTION PICTURE)
ANDRA DAY (アーティスト) 形式: CD
サウンドトラック
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映画ビリー・ホリデイ物語 (英語字幕)(ブルーレイ)
これは、ダイアナ・ロス主演のビリー・ホリデイの伝記映画。彼女がさまざまな苦労をしながらも、カーネギーホールという栄光の地でライヴをするまでを描く。
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■リー・ダニエルズ監督関連作品記事
映画『セルマ』(邦題、グローリー/明日への行進)~1965年3月公民権運動の血塗られた日曜を描
2015年04月25日(土)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12018356532.html
(当初はリー・ダニエルズ監督の予定だったが、エイヴァ・デュヴァーネイに交代)
映画『大統領の執事の涙』~リー・ダニエルズ監督インタヴュー
2014年02月10日(月)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11768079803.html
リー・ダニエルズ監督(映画『大統領の執事の涙(ザ・バトラー)』の話
2014年02月20日(木)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11776532414.html
映画『大統領の執事の涙』(The Butler)、2月15日公開
2014年01月26日(日)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11757505230.html
映画『プレシャス~小説「プッシュ」を元に~』
2010年04月19日(月)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10511754058.html
2010年04月14日(水)
映画『プレシャス』~16歳プレシャスの運命は~今年のブラック・ムーヴィーの傑作
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10507635447.html
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■アンドラ・デイ・ライヴ評
アンドラ・デイ@ブルーノート、インティメートな会場に完璧なライヴ
2016年10月12日(水)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12203764335.html
◎アンドラ・デイ@ブルーノート、インティメートな会場に完璧なライヴ
【Andra Day @ Blue Note】
大人。
ブルーノート・ジャズ・フェスに登場し、その後、ブルーノート東京で2デイズ。初日のセカンドは超満員。噂では、火曜日(20日)がジル・スコットと被ってしまったので、火曜日の予約者が月曜日に鞍替えしたのではないか、と。(笑) それでも立ち見客も。比較的若いお客さんが多い。また、テレビCMの影響もあるのか、年齢層も幅広い。
土曜日の大きな会場のオープンエアから比べると、ひじょうに小さなライヴハウスでのライヴ。アンドラの歌は、こういうナイトクラブでのライヴが実にあう。間違いなくブルーノートにぴったりのシンガーだ。
この小さな空間のせいか、話声も小さく感じられたが、歌声の芯の強さは変わらなかった。
ちょっとハイヒールを履いた彼女は身長175センチくらいに見えた。意外と背が高い印象。そして、とても大人の雰囲気がした。
歌唱は、しっかりしており、ライヴでも間違いない歌を聴かせる。特に「ハニー・オア・ファイアー」から「ジン・アンド・ジュース」へのラフィエール・サディーク・プロデュース作品メドレーは大人っぽさ満開だ。
セットリスト7曲目、8曲目は、キーボード奏者チャールズとのデュエット。このチャールズの声がなかなかよくていい雰囲気だ。
アンコールは、なぜかボブ・マーリーの大ヒット曲を2曲メドレーにして。
CDでは、エイミー・ワインハウスっぽい印象が強かったが、意外にライヴではそれほどではなかった。
サイン会はなし。
アンドラ・デイ、本名カサンドラ・モニーク・バティー。カサンドラが短くなって、愛称アンドラだ。1984年12月30日生まれ、31歳。これから少なくとも10年は楽しみだ。
■セットリスト
Andra Day @ Blue Note Tokyo, September 19, 2016
Show started 20:07
00. I Only Have Eyes For You (riff)
01. Forever Mine
02. Gold
03. Mississippi Goddam
04. Honey Or Fire
05. Gin & Juice (Let Go My Hand)
06. No Make Up [Kendrick Lamar cover]
07. Goodbye Goodnight (duet with Charles on keyboards)
08. Where Would I Be Without You (duet with Charles)
09. Rise Up
10. City Burns
Enc. Is This Love [Bob Marley cover]
Enc. Could You Be Loved [Bob Marley cover]
Show ended 21:16
Members
Andra Day (Vocal)
Dave Wood (Guitar)
Charles Jones (Keyboards)
Nando Raio (Bass)
Shay Godwin (Drums)
ENT>MUSIC>LIVE>Day, Andra
アンドラ・デイ・ライヴ・レポート@「ブルーノート・ジャズ・フェスティヴァル2016」
2016年09月20日(火)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12201459025.html
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