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誕生日スペシャル~ジョー・サンプルの巨大な墓石~ウィーンでインスピレーションを受けたジョー

〇ジョー・サンプルの巨大な墓石~ウィーンでインスピレーションを受けたジョー

【Joe Sample’s Birthday & His Big Tombstone】

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〇ジョー・サンプルの巨大な墓石~ウィーンでインスピレーションを受けたジョー

【Joe Sample’s Birthday & His Big Tombstone】

墓石。

ザ・ピアニスト、ジョー・サンプルが逝去したのが2014年9月12日。6年半も前のことになる。亡くなってから、妻のヨランダさんがジョーの大きな記念碑的墓石を建造したニュースはお伝えした。それに至るまでの経緯を奥様が約1700文字の文章にしているので、その訳をご紹介しよう。この文章は、ヨランダさんが知人に配った小冊子に掲載された。

今日2月1日は、もしジョーが生きていれば82歳になる日だった。1939年2月1日生まれ。誕生日トリビュート・トゥ・ミスター・ジョー・サンプル。

ジョー・サンプル 墓石表

墓石設置されたときのニュース↓

ジョー・サンプルの巨大な墓石設置される
2018年05月21日(月)


https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12376781724.html

Jazz legend Joe Sample honored with an epic headstone
Photo of Andrew Dansby
Andrew Dansby
Sep. 4, 2018


https://www.chron.com/entertainment/music/article/Jazz-legend-Joe-Sample-honored-with-an-epic-13193660.php

この記事中にヨランダさんの文章の一部が紹介されている。


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1. ウィーンへの巡礼の旅

ヨランダさんのノート。

数年前、ジョーと私はオーストリアのウィーンを訪れた。ジョーは生涯、仕事で世界中を旅してきたが、これは珍しくヴァケーションで、純粋にツーリストとしての旅だった。シュトラウス、モーツァルト、シューベルト、そしてベートーヴェンなどがそこで生まれ育ち彼らの音楽を創り出していた。ジョーはそうした素晴らしい作曲家たちの息吹が感じられる記念碑的な場所を訪れようと思った。

この旅は、ジョーにとってウィーンという街に触れ、文字通り巡礼の旅となった。彼はその街を感じ、何が巨匠たちに音楽を生み出すインスピレーションを与えたかを確かめたかった。街を歩き、歴史的な場所を訪れ、城でのランチを取るためにカントリーまでドライヴをした。

ジョーは神がウィーンの街に息をかけた空気の匂いから太陽の光が当てる様まで、すべてに魅了されていた。神は私たちに語りかけ、ジョーはそれに耳を傾けていた。

2. 墓石に記すもの

ジョーの死後間もなく、夫の墓に大きな墓石を供えることにした。あれほどユニークで才能あふれる人物にふさわしいものは何かまったく見当がつかなかった。インスピレーション、ヒントを得るためにインターネットでいろいろと探したが、それにふさわしいものは見つからなかった。そこで私はそれを神に委ねることにした。どのようなものがふさわしいかと尋ねたのだ。

夢を見ているその夜、神が私に何をさせたいかを感じた。その夢から目覚めてすぐにオフィースに行き、夢で見た映像をスケッチにしたためた。今、モニュメントとして立っているものはそこから生まれたものだ。

最初の条件は、その墓石を7フィート(約2.13メートル)のグランドピアノと同じ形、サイズにするということだった。ジョーが好んで弾いていたものは9フィート(約2.7メートル)のコンサート・グランド・ピアノだったが、この7フィートのものもふだんよくプレイしていた。

ジョーが2002年に出したアルバム『ザ・ピーカン・ツリー』に寄せたライナーノーツ(の文章)を墓石の裏側に刻むことにした。このアルバムのために作曲した楽曲の数々は、彼が幼少を過ごした(テキサス州)ヒューストン時代の人生を描いている。ヒューストンに生まれ、育ったことが彼にインスパイアーを与え、彼の音楽を形作ることになった物語を書いた。それはまさにウィーンの大作曲家たちが受けたものと同じような影響だった。その物語とピーカンの木は手彫りで墓石に刻まれる。

ジョーのポートレート画像は彼の名とともに墓石上部の表側に置かれる。名前は肖像の下にいつも通り刻まれる。ジョーの肖像も手彫りで墓石に描かれる。

彼の作曲した作品のひとつの楽譜がピアノの鍵盤の上部に刻まれる。これは彼が最後に書いた「トゥルー・トゥー・ユー」だ。彼はこれを製作中だったミュージカルのために書いていたが、ホリー・ファミリーのシスター、マザー・ヘンリエッテ、デリルとして知られる尼さんたちについてのミュージカルだ。彼女はカソリック教会の初めてのアメリカ生まれのアフリカン・アメリカン(黒人)の聖者(セイント)になる。もしあなたがジョーの葬儀に参列されたなら、ジョーが歌っていたデモテープに残された曲を聴かれただろう。彼が私のために録音し、初めて聴かせてくれた後、彼は私に「自分が書いた曲でもっとも完璧な曲だ」と言った作品だ。

3.モニュメント完成まで

このモニュメントの計画の始まりから完成までは長い旅だった。ジョーが2014年に亡くなってすぐに取りかかり、2018年5月にこの墓石は完成した。このモニュメントを作った狙いは、彼が生み出すメロディーは天国から送られてくる神からのギフトだという、その人物を称えることだ。神が癒しの力をもち、彼は音楽を通してその媒介になっているに過ぎないことを知っている。

このモニュメントはただジョーを称えるだけではない。神とその行いに対して栄光を与えるものだ。彼の行いは、ジョー・サンプル同様、男性にも女性にも影響を日々与えている。

このモニュメントは彼が誇りをもち生まれ育ったこの地の、このコミュニティーに、神の力ご加護がどれほどみなさんにあるか、それを発展させるモチヴェーション(動機)となるために、置かれるものだ。


(ヨランダ・サンプル)

ジョー・サンプル ヨランダ 

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墓石には、アルバム『ピーカン・トゥリー』のライナーノーツに書かれたジョーの文章が刻まれている。

ジョー・サンプル 墓石裏、ピーカンツリーのライナーノーツ


(写真)

The Peacan Tree - Joe Sample


https://open.spotify.com/album/54vkX8rHLOQtErOVvjSBFB?si=-DULvnpOSGaPfm_-CnlmNA

Joe Sample- The Pecan Tree


https://www.youtube.com/watch?v=3zOgfCyMpCY

墓石に刻まれているジョー・サンプルの文章。アルバム『ピーカン・トゥリー』の中にも印刷されている。


The Pecan Tree

“The Apple does not fall far from the tree” is the age-old phrase.

In the swamp-like, clay soil of Southeastern Texas, apple trees are few and far between. However, pecan trees flourish. We had a big pecan tree in our front yard. It was a magnificent tree, created to bear delicious fruit and shield us from the intense heat of mid-summer sun. I was proud of that tree, and it proclaimed to the neighborhood that, “The people who lived in this house must be important.” It was one of my best friends and it befriended all of the kinds on the block. We loved its wonderful super pecans and had to protect it from pecan raiders. It died of old age.

That tree and I lived with “Sanctified, Holy Rollers” and Pentecostal camp meetings. Their music was wonderful. The intensity frightened me. The sound of live blues resonated from house to house and bar to bar. It echoed our emotions. Our “second line” cousins and their culinary and music spices are anchored to our tastes and hearts. The motherland and all its splendid wonders were only a train stop away.

The Gregorian chants of the Creole Catholic church wove their spirituality amongst the blues, gospel and jazz. The result was an intricate cushion of comfort. Healing was the daily business of the culture. The roots of spirituality bound everything. Those roots are anchored in the nourishing clay of the Southeast Texas Delta under the branches of the pecan tree.

I did not fall far from that tree. A slice of pecan pie is still a very good thing.

                    - Joe Sample 2002



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