● チャドウィック・ボーズマン43歳で死去~21世紀のヒーロー
チャドウィック・ボーズマン43歳で死去~21世紀のヒーロー
俳優チャドウィック・ボーズマンの突然の訃報が舞い込んだ。なんと43歳の若さで、過去4年ステージ3から4の大腸がんを患っていたという。しかし、今年もスパイク・リーの『ダ・ファイヴ・ブラッズ』がネットフリックスで公開されたり、文字通り現役感いっぱいの俳優だったので、その衝撃たるや、全米、全世界を震撼とさせている。本ソウル・サーチン・ブログでも過去に3作品を紹介しているので、それを再掲しつつ追悼したい。
(本作・本文は約10000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字換算すると、20分から10分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと33分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)
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衝撃速報訃報
『42』(黒人初のメジャー・リーガー、ジャッキー・ロビンソンを描いた映画)、『ジェームス・ブラウン』、『ブラック・パンサー』などの俳優、チャドウィック・ボーズマン Chadwick Boseman が2020年8月28日ロスアンジェルスの自宅で大腸癌のため死去。43歳。
https://abc7.com/society/black-panther-star-chadwick-boseman-dies-of-cancer-at-43--/6394421/
https://bit.ly/2EAsbUA
なんと過去4年、大腸がんと闘っていたという。
#blackpanther #jamesbrown #chadwickboseman
ジャッキー・ロビンソンで野球界の開拓者、ヒーロー、ジェームス・ブラウンで音楽の開拓者、ヒーロー、そして、ブラック・パンサーですべてのエンタテインメントのヒーローになったチャドウィック・ボーズマン。これからまだまだたくさんの作品に出られるはずだったのに。最新作『ダ・ファイヴ・ブラッズ』はまだ途中までしか見ていないので、再度最初から見直さないと。
それにしても若すぎる…
ワカンダ・フォーエヴァー!
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0. 今年のジャッキー・ロビンソン・デイは8月28日、その日に…
ちなみに、今年(2020年)だけジャッキー・ロビンソン・デイが8月28日に設定されていた。例年は4月15日。今年はメジャー・リーグの開幕が7月23日にずれ込んだため、例年のジャッキー・ロビンソン・デイが祝えなかったため。8月28日は、ドジャースのオーナーの一人で、当時GM(ジェネラル・マネージャー)を務めていたブランチ・リッキーとジャッキー・ロビンソンが初めてメジャー・リーグでプレイすることについて話し合った日だという。
そして、選手を引退し野球殿堂入りしていた1963年8月28日、マーティン・ルーサー・キング牧師のワシントンDC大行進が行われ、ロビンソンも息子を連れて参加したという。
ジャッキー・ロビンソンにとっても記念日となった8月28日にチャドウィック・ボーズマンが亡くなるとは、なんという運命のいたずらか。
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目次
1. 追悼チャドウィック・ボーズマン
『42~世界を変えた男』(ジャッキー・ロビンソン)→https://amba.to/32z3FLz
2.『ゲット・オン・アップ~ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男』→https://amba.to/3hzmDbb
3. 『ブラック・パンサー』→https://amba.to/31EHTGM #chadwickboseman
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1. 追悼チャドウィック・ボーズマン
『42~世界を変えた男』(ジャッキー・ロビンソン)
◇ 映画『42~世界を変えた男』~ブラック初のメジャー・リーガー、ジャッキー・ロビンソン物語を見たか?
2013年11月22日(金)
【Movie “42”~Jackie Robinson, First Black Major Leaguer, Story : Did You See Jackie Robinson Hit The Theater?】
人種差別。
前々から見たかった、アメリカ初のアフリカ系アメリカ人(黒人)大リーグ選手となったジャッキー・ロビンソンの物語を描いた映画『42~世界を変えた男』を見た。42は、ロビンソンの背番号。今では、ロビンソンが初めて大リーガーとしてフィールドに立った(1947年)4月15日をロビンソンの記念日とし、メジャー・リーガー全員が42の背番号をつけて試合をする。そして、42はメジャー・リーグ全球団の永久欠番となっている。そこまでリスペクトされ崇められているメジャー・リーガーがジャッキー・ロビンソンだ。
野球の世界だけでなく、あらゆる世界で肌の色による人種差別が当たり前だった時代に生きたジャッキー・ロビンソンの活躍期の中で、メジャーに行くまでの1945年から1947年にフォーカスした作品。メジャー野球界でも白人がすべてだったが、そこにニューヨーク・ドジャーズの球団GM(ジェネラル・マネージャー)ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)が、一人の黒人選手、ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)を迎えいれることを決意する。だが、ロビンソンに対する周囲からの差別、反発は予想以上に大きかった。
その過酷な差別状況の中、ロビンソンは「やり返さない勇気」で一歩一歩前に進む。
公式ホームページ
https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=3993/
予告編のひとつ
https://www.youtube.com/watch?v=T42xQRU8Ggo&feature=youtu.be
変革。
白人の黒人に対するすさまじいばかりの差別。しかし、GMのミスター・リッキーや一握りの野球通は黒人のアスリートとしての能力に注目し、遅かれ早かれ彼らがメジャー・リーグやスポーツの世界に進出し活躍することを見据えていた。
(右・ハリソン・フォード、左・チャドウィック・ボーズマン)
白人だけの世界に黒人が一人で入っていくことの怖さ。改革、変革を成し遂げようとするときの反発に、ロビンソンはリッキーGMのサポートを得て、耐えしのいでいく。ときには悔しさにベンチ裏でバットを叩き付け、その激痛が腕に走る。完全にアウトなタイミングに、スパイクで踏みつけられ大怪我をする。わざと頭にボールを投げつけられる。チームメイトにさえも脅迫文が送られて来る。
何より胸を打つのはロビンソンがひたすら耐えに耐えていくところ。そして、そのロビンソンを信じ、ロビンソンとともに白人一色の世界に飛び込む一人の黒人を支えるリッキーの強い信念だ。このリッキーなしに、現在の多くのブラック・メジャー・リーガーの活躍はなかったと言っても過言ではない。僕はリッキーの存在を知らなかったので、なるほど、何か変化が起こるときは、変化を起こすたった一人の人間がいるんだなあ、と思いを巡らせた。
リッキーがアシスタントに言う「新しいシーズンはすべて未来、過去はない」が、リッキー、そして、ロビンソンの信念の土台になっている。常に前を向いて生き進んでいるのだ。
先駆者。
何の世界でも先駆者がいる。映画の世界ではシドニー・ポワチエ、音楽の世界ではナット・キング・コール、そして、野球ではジャッキー・ロビンソン。白人優位の世界に入る最初の黒人たちだ。そして、その先駆者がいてこそ、後にその世界で活躍できる人たちが登場する。すべて、過去・現在・未来は線につながるのだ。常に歴史には誰かが記す第一歩がある。まさにジャッキー・ロビンソンはその第一歩を記した。
ロビンソン役は、このチャドウィック・ボーズマン以前には、シドニー・ポワチエやデンゼル・ワシントンがやる話もあったという。相当昔の話なのだろう。
(シドニー・ポワティエ)
(左・デンゼル・ワシントン=チャドウィックのメンター)
チャドウィックの演技もよかったが、それより何よりハリソン・フォードの味わい深いキャラクターとその演技が見事だった。この映画作品に彼がもっとも品格を与えたと思う。ちなみに、野球のことがわからなくても、十分に楽しめること、間違いない。
ジャッキー・ロビンソンは1919年1月31日生まれ、1947年、26歳のときに黒人初のメジャー・リーガーになった。1972年10月24日、53歳で死去。夫人のレイチェル・ロビンソンは今も健在で「ジャッキー・ロビンソン財団」を運営している。
なお、ご存知の方も多いと思うが、このブルックリン・ドジャーズは、その後1958年本拠地を西海岸に移し、ロスアンジェルス・ドジャーズとなり、野茂英雄投手を受け入れる。
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映画「42~The True Story Of An American Legend」は、製作総予算4000万ドル(約40億円)、2013年4月12日全米公開。現在まで約9500万ドル(95億円)の興行収入。公開初週の興行収入は2730万ドル(約27億円)で、野球映画のジャンルの中では最大のヒットとなった。また、全米では、DVDとブルーレイが2013年7月16日にすでに発売されている。日本では2013年11月1日からロード・ショー公開中。
映画上映館
(リンクデッド)
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映画の感想というよりも、なんか、ジャッキー・ロビンソンについての紹介みたいになってしまったが、ジャッキー・ロビンソンについてのオマケ・エピソードを明日以降、ご紹介してみたい。
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Did You See Jackie Robinson Hit That Ball? (1949 Version)
www.youtube.com/embed/r-7Ac2LVVYU
「栃東の取り組みみたか?」の原曲。
ENT>MOVIE>42
ENT>MOVIE>Robinson, Jackie
オフィシャル・ムーヴィー・ノベル
Blu Ray (アメリカ版)
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2.ジェームス・ブラウン自伝映画『ゲット・オン・アップ~ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男』
2014年10月24日(金)
◇ジェームス・ブラウン自伝映画『ゲット・オン・アップ』
【James Brown Bio Picture “Get On Up”】
自伝。
「ゴッド・ファーザー・オブ・ソウル」「ソウル・ブラザー・ナンバー・ワン」「ミニスター・オブ・ニュー・ニュー・スーパーヘヴィー・ファンク」などのニックネームで知られるジェームス・ブラウンの自伝映画『ゲット・オン・アップ』。全米では2014年8月1日に公開されたが、これをいち早く8月3日厚木基地内の映画館で見てきた。簡単な感想をまだブログにアップしてなかったので、軽くご紹介。
『ゲット・オン・アップ』は、プロデューサーの一人にミック・ジャガーも名前を連ね、総予算3000万ドル(1ドル100円として約30億円)で製作、現在までに31億円以上の興行成績を収めている。
ジェームス・ブラウンの幼少時の両親との様子、些細なことで刑務所に入り、そこで出会うボビー・バードとバンドを結成し、徐々に人気がでてきて、スターになっていく。その中で絆、裏切り、さまざまな紆余曲折が訪れる。
第一印象は、ジェームス・ブラウン役の主演チャドウィック・ボーズマンがミスター・ブラウンの動き、話し方を本当によく研究しているということ。ミスター・ブラウンのライヴは何度も見て、直接話をしたこともあるが、あのモゴモゴしたしゃべり方はそっくり。しゃべりから、歌に行く流れが実に自然で、ジェームス・ブラウンがしゃべって歌っているように思える。歌はミスター・ブラウンのものだが。ただ唯一本物と違うのは、チャドウィックが背が高いということ。
ストーリーには、さまざまなエピソードがうまくちりばめられており、自伝を読んだ方なら、ああ、ここはこういう感じか、とか、いろいろジェームス・ブラウンの歴史がフラッシュバックしてくる。それぞれのエピソードの映像は、「作り物」とわかっていても、「そうそう」という感じで頷いてしまう。自伝を読んでから見ると、一層楽しめるが、読んでいなくても、十分「ジェームス・ブラウン」という希代の人物のパーソナリティー、歴史を楽しめる。
ライヴ映像も、映画が進むに連れて、ライヴ会場に連れていかれるような錯覚に陥る。ジェームス・ブラウンがボーズマンのダンスを見たら、きっと「よくやった!」と褒めるのではないだろうか。あのスプリット(又割り)、足さばきは見事だ。映画『レイ』でのジェイミー・フォックスばりの熱演だ。『42』でのジャッキー・ロビンソン役につづいて、このジェームス・ブラウン役をこなしたチャドウィックは、一気にアカデミー候補になったと思う。取れなくとも、ノミネートはされていい。
幼少の頃の思い出、ボビー・バードとの刑務所での出会い、ライヴ・アット・ジ・アポロ・アルバムのレコーディング時のエピソード、メシオ・パーカーらミュージシャンが不満を言い、解雇し、「あのシンシナティーの若いやつを呼べ」(ブッツィーを呼べ)と言うあたり、子供の頃、ジェームスを置いて家を出て行ってしまった母との再会、1968年4月、キング牧師暗殺翌日のボストンでのライヴ、カーチェース・・・。(メシオ・パーカー役はクレイグ・ロビンソンという役者なのだが、彼の風貌が一見すると、フレッド・ウェスリーのように見えるのがおもしろい)
そして、大きなサイド・ストーリーとなっているのが、ミスター・ブラウンとボビー・バードの絆だ。ボビー・バードが言う「自分はメインを張る玉じゃない」というセリフが泣かせる。たくさんのヒットが歌われるが、途中から映画の最後を飾る曲は何かと必死に考えたが、これは意外だったが、なるほど、と思った。ブラウンがバードとヴィッキー・アンダーソンへ送るメッセージとなった。
もちろん、70年余の人生を2時間あまり(139分)にまとめると、語られないエピソード、歌われない曲も多数あるが、すべてを盛り込むことは無理。ジェームス・ブラウン・ファンはもちろんのこと、映画を見た後に、いろいろと語り合いたくなる映画であることは間違いない。
ボビー・バード役のネルソン・エリスがよかった。そして、ブラウンのマネージャー役のベン・バート(ダン・アイクロイド)、ブラウンの後見人のような存在となるアウント・ハニー(オクタヴィア・スペンサー)もいい味を出している。
なにより、あの破天荒な人生を生きてきたジェームス・ブラウンという抜群の個性を持った人間を描くだけで、そこには多くのドラマが生まれる。これほど映画にうってつけの素材はない。めちゃくちゃな性格で、自己主張が強く、自分本位で、好き勝手に生きてきた男。
はやく見た人とあーだ、こーだと話をしたい。個人的には、今、一番の押し映画だ。
日本公開は、2015年5月頃で検討中だそう。12月くらいまでには正式発表できそうとのこと。
日本公開決定の折には改めて、ご紹介する予定だ。
■「ゲット・オン・アップ」関連記事 映画・予告編、出演者一覧など映画についてブログ
ゲット・オン・アップ』 ジェームス・ブラウン自伝映画、メディア露出~日本公開は来春で検討
2014年07月27日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11900069143.html
<a href="http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11900069143.html" target="_blank">http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11900069143.html</a>
「ゲット・オン・アップ」~ジェームス・ブラウン自伝映画8月1日公開
2014年07月21日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11896345014.html
<a href="http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11896345014.html" target="_blank">http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11896345014.html</a>
ジェームス・ブラウン映画『ゲット・オン・アップ』、新しい予告編公開
2014年07月10日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11891190242.html
<a href="http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11891190242.html" target="_blank">http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11891190242.html</a>
映画公開についての第一報
ジェームス・ブラウン伝記映画、予告編登場
2014年03月17日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11797640762.html
<a href="http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11797640762.html" target="_blank">http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11797640762.html</a>
MOVIE>Get On Up
MP3
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3.『ブラックパンサー』~あまりに語るべきことが多すぎる映画
〇『ブラックパンサー』~あまりに語るべきことが多すぎる映画
2018年3月5日付け
https://amba.to/31EHTGM
【Black Panther: Too Many Things To Talk About】
大ヒット。
初のブラック・スーパーヒーロー映画『ブラックパンサー』が日本では2018年3月1日から全国ロードショー公開され、初日に見てきた。
何回かにわけて書くことになるかと思うが、あまりに語るべきことが多い。とりあえず、第一印象だけでも薄くならないうちに。それほど大きなネタバレにはなりません。
ブラックパンサー」予告編
https://www.youtube.com/watch?v=31CgPclZL4I
https://www.youtube.com/watch?v=sQoYYW0yT2U
この『ブラックパンサー Black Panther 』は、アメリカン・コミックを発刊するマーヴェル・コミックスの『ブラックパンサー』が原作。コミックの『ブラックパンサー』は1966年から連載が始まった。それを今回初めて映画化した。
約20億ドル(210億円=1ドル105円換算)の大予算で製作され、全米では2018年2月16日公開、公開3週までで全世界で約76億ドル(800億円、アメリカだけで24億ドル)の興行収入を上げる未曽有の大ヒットを記録している。映画興行チャートも1位初登場なら、この映画にインスパイアーされケンドリック・ラマ―が総監督となり作ったアルバム『ブラックパンサー』も発売後いきなりビルボード・アルバム・チャートで1位初登場を記録した。
監督はリアン・クーグラー、主演はチャドウィック・ボーズマンとマイケル・B・ジョーダン。ティチャラ=ブラックパンサーを演じるボーズマンは、このところ『42』で黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン、そして、『ゲット・オン・アップ』でブラック歌手ナンバーワンのジェームス・ブラウンを演じた。野球界の大ヒーロー、音楽界の大ヒーローから、いよいよアメコミ界の大ヒーローになったわけだ。
主役に敵対するキルモンガーを演じるマイケル・B・ジョーダンは今作の監督クーグラーの『フルートベル駅で』で主演を務めている今もっとものっている俳優の一人。
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コスプレ。
僕は、六本木ヒルズのMX4Dで見た。とにかく映像は3Dだから飛び出てくる、椅子は揺れる、お尻はバンバン叩かれる、風は吹いてくる、匂いは出る、水も噴き出すで、まるでディズニーのアトラクションに乗っているかのよう。なぜシートベルトはなくていいのだ、と思うくらい。
内容も含めて一言で言えば、スーパーマン、スパイダーマン・007・ミーツ・スターウォーズ・アンド・ライオン・キング・イン・ディズニーランド、という感じで、エンタテインメントがすべて凝縮されている感じだった。超エンタテインメントで実に楽しく、かっこよかった。そして、現社会、世界へのメッセージもある。また何度も見たくなる。
この主人公を演じたチャドウィック・ボーズマンは、これによって完璧にシドニー・ポワチエ、デンジル・ワシントンらの正統派黒人俳優の大スターへの道をまっしぐらだ。
現時点ではいわゆるブラック・ムーヴィーとして最大の成功を収める最高の映画と言える。
映画が終わって下に出ると、『ブラックパンサー』のビルボードと東京タワーがいい感じに見えたので、エスカレーターを降りながら写真を撮っていた。そして、下に降りるとなんと、そこにブラックパンサーが! なんと日本在住のウィリアムさんが特注で作ったスーツを着て、頭のところをかぶろうとしていた。さっそく、ツーショットをお願いした。
しばらく前のコミケにもこの姿で出たそうだ。映画はこれから見るというので、この時点では未見だったが、相当期待しているようだった。『ブラックパンサー』見終えたら、ブラックパンサーに会えるなんて。(笑)
ブラックパンサーに豹変。でも、外は見えないんだって(笑)
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あらすじ。
アフリカの架空の国ワカンダの王が暗殺され、その息子ティチャラが急遽王位を引き継ぐことになる。このワカンダは他の国と交流を避けてきたが、それはここにヴィブラニウムというダイアモンドよりも固く、エネルギー源にもなるという奇跡の鉱物があったためだ。これがもし白人社会に奪われると、大変な武器となり世界平和が脅かされると考え、ワカンダは世界に多くのスパイを派遣し世界情勢をつかんでいたが、貧しい第三国(サード・カントリー)としてふるまっていた。
そんな中、悪徳商人がそのヴィブラニウムの秘密をかぎつけ、奪おうとする。
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分断。
ブラックパンサーというと、1966年にカリフォルニア州オークランドで結成されたブラックの政治グループがあるが、それとこのコミックの方はほぼ同時期に出てきたという。若干、コミックの方が早いらしい。また監督もオークランド出身ということもあり、映画冒頭では1992年のそのカリフォルニア州オークランドが映し出される。
アフリカの小国ながら、ヴィブラニウムのおかげでひじょうにハイテクを持つ。一見プリミティヴなアフリカの国と超ハイテクがひとつになっているところもおもしろい。
映画最後のメッセージで、今や世界は分断されているが、それに対処するために、「賢い者はそこに橋をかける。愚かな者はそこに壁を作る」というセリフを言う。このワカンダ王国はそれまで壁を作っていたのだが、そこに変化の兆しが見られるのと同時に、トランプへの強烈なメッセージにもなっているところに僕は感銘を受けた。
様々な要素が、まるで、ジグゾ―パズルのピースがいちいちすっぽりはまっていくような、そんな感じさえする作品だ。きっとまだ未発見のピースがたくさんあるにちがいない。
年に一本しか映画を見ないような人にも自信をもってお勧めできる。ちなみに、僕のオールタイム・ナンバー・ワン映画は『ブルース・ブラザーズ』(1980年)なのだが、ひょっとしたらこの『ブラックパンサー』はその1位の座に収まるかもしれない。
そして、もうひとつ、これからはあらゆる点でアフリカの時代になるんだな、と感じた。
ワカンダ・フォーエヴァー!
(左から、ジャッキー・ロビンソン、ジェームス・ブラウン、サー・グッド・マーシャル、ブラック・パンサー)
Black Panther : The Album (Inspired album)
同日本盤 ブラックパンサー・ジ・アルバム
アルバム中もっとも気に入っていた「リデンプション」は映画の中ではでてこなかった…。ま、インスパイアード・アルバムだからですね。
Black Panther: The Official Movie Special
Titan
Titan Comics (2018-02-20)
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■関連参考記事
映画評論家町山智浩さんがTBSラジオ『玉結び』(2018年2月20日放送)で紹介したものの書き起こし
https://miyearnzzlabo.com/archives/47498
これもさすがの解説。勉強になる。
ロッキンオン社、 山崎洋一郎氏の「トリプル編集長日記」で「ブラックパンサー」評(2018年3月4日付け)→
「アフリカ、黒人、女性」を全部強いものとして設定し描いた最初の映画、と。なるほど、その通りだ、さすが。
ENT>MOVIE>Black Panther
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