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穴があったら入りたい・4
小4のときに好きだったYくんに会いに行くために、
モデル・蛯原友里が着るモテコーデを身にまとった19歳の私。
ここで、お忘れではないだろうか。
当時の私は、太っていたのだ。
新喜劇の楽屋で、中華の出前を2人前ぺろりと平らげてしまうときもあったほど。
第三者から「あのちょっとぽっちゃりした子」と名指しされるには
十分な肉が、私の体にはまとわりついていた。
特に気になっていたのは、太ももからお尻にかけての立派でのっぺりとした肉だ。
そんな私が蛯原友里と同じワンピースを着るには、体型を改変するしかないのだが、
まさかエステや脂肪吸引なんて手が出せない。
簡単に体型を補正してくれるもの・・・
それは、『ガードル』だった。
ガードルというのは、ナイロンなどの素材でできている、伸縮性が効いた補正下着のことだ。
下着屋さんで直接買いに行くという手もあったのだが、補正下着を買う姿を誰にも見られたくなかった。
羞恥心のなにものでもない。
そこで、何度か目にしていたテレビショッピングで、ガードルを購入することを決心した。
紹介されていたガードルを着用後のモデルのヒップラインが、before/afterで画面に映し出されている。
お尻がぐぐぐいっと上へ持ちあげられ、見事なまでの美尻に生まれ変わっている。
さらに、姿勢もよくなっているではないか!
色はベージュとグレー。ベージュの方が透けなさそうだ。
サイズは、無難にMだな。
☆彡
程なくして、ガードルが自宅に到着した。
履いてみる。
ツルツルとした手触りがとても心地いい。
と、ツルツル順調に履いていたのだが、やはり太もものところで手間取った。
肉とナイロンの猛攻。
早くおさまれ、と肉にナイロンが叫んでいる。
そこに私の手の力が加わり伸縮性があるナイロンはさらに上へと引っ張られ、
無理やりに太ももの肉は、ナイロンにおさめられた。
☆彡☆彡
準備はできた。
横浜までの交通手段は、夜行バス。
夜行バスに乗るのも、関西から関東に行くのもまた、生まれて初めての経験だった。