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防災の日にブラックアウトを思い出し、ついでにECOFLOW RIVER Proをご紹介


1.はじめに


9月1日は防災の日。阪神大震災の発生した日である。9月は台風の通過が多く、停電も多い。自分が住む北海道で初の震度7を観測した胆振東部地震の発生も9月6日。

今回は胆振東部地震の発生とそれによって発生した北海道全停電・ブラックアウトの状況を思い出しつつ、その後に停電対策として買ったポータブルバッテリーECOFLOW RIVER Proの紹介をしたい。


2.台風21号の通過は前触れだったのか


2018年(平成30年)の9月といえば台風21号という巨大台風による災害もあった。関西国際空港の連絡橋にタンカーが衝突した時の台風と言えば思い出す人も多いのではなかろうか。

当地札幌では9月5日の早朝が台風のピークとなり、札幌でも風速32mを記録、朝には倒木が500本を超え、道路を塞いだり信号が止まる状況となり、交差点で警官が手信号で交通誘導する自体となっていた。

当時、小さいインフラ企業で高い足場を伴う工事の施工側担当をしていたので、電話確認はしていても足場が無事だったのを確認して胸を撫で下ろしたのを覚えている。工事も中止予定にしておいて良かったと思ったのは地震の後だけど。


3.胆振東部地震の個人的な顛末


9月5日に退社する時点では台風一過の快晴となり、これでゆっくり安眠…はしたのだが、トイレに起きて入った途端に地震である。災害時は小スペースで壁と柱があるトイレが安心とはよく言われるが、札幌ではなかなか経験しない揺れと家の軋みに怯えつつ、さあ行くかと諦め。

小さくてもインフラ屋には災害時対策が決まっていて、もう緊急出社の状況なのは明らかだったので会社に連絡。スマホの電話回線は一度は使えたかすぐに不通。顔を洗っているうちに停電したので、こりゃアカンと車を出して会社に向かった。隣の奥さんが凄い悲鳴を上げていたのが少し怖かった。

街灯はもちろん信号も消灯。だが、こんな時に動く人間はマナーがいいのか、車列の乱れも無く、交差点も打ち合わせたようにある程度の間隔で通行方向を譲り合う形となっていた。懐中電灯を持って歩いている人なども少しならずいた。会社の駐車場に着いて空を見上げると、人生見たコトがないような綺麗な天の川が光っていた。

足場のほうは大丈夫だったので近所の施設のお守り係として朝まで。この時は地震の情報はラジオで得ていた。社員との連絡は各個のLINEとなっていた(ドコモの通話を除いたモバイル回線はずっと生きていた)。

社用車の燃料が少なく、満タン近かった自家用車を使用していた(あ、燃料代貰った記憶がない)。

朝には交代して会社へ。スマホのradicoを情報源としていた。

仕事的にはなにも出来ないに等しいので発電機の燃費計算と地震状況を簡単に纏めておく。社外に出ると信号はまだ復旧していないので国道横断がつらい。

こんな時しか使わないからと会社の緊急用食料の配布が決まって、インスタント食材を持って家に帰る。幸い、水道とガスの停止は無かったため、サクっと湯を沸かして夕飯を取り、スマホでネット仲間に無事の連絡を取ってさっさと寝る。

翌日ももちろん出社して復旧仕事。通勤途中のセイコーマートで塩おにぎりを買えたのがありがたい。会社近辺の電気は復旧したのだが施設の中には復旧していない所もあったので前日より忙しかった。

またインスタント食材を持って帰って、車の窓に車中泊用シェードを張ってシート倒してマットと寝袋と、溶け切ってなかった保冷剤とジュースを入れたクーラーボックス持ち込んだ。まだ家の電気は復旧していなかったので、TVが見られる車で車中泊をするのだ……(トップの写真)

などと思っていたら、窓の車中泊用シェードのすきまから明かりが。「あれ?」と思ってシェードをめくったら街灯の明かりがついた。ほどなくスマホが鳴る。「電気ついたので今から店開けるから来なさい」。

いきつけの飲み屋さんのママからの連絡である。そう、今日は俺の誕生日、いつもの席で祝ってもらうため車中泊セットを手早く片付けて、まだ一部が暗い道をてくてくと歩いて向かうのだった。


4.ブラックアウト


2011年の東北大震災の後に北海道電力の主力発電所であった泊発電所を停止した時点で北海道の電力状況が脆弱になっているのは2012年からの計画停電の話で皆わかっていたハズなのである。7年もあっただろうと言う人もいるだろうが、新規の発電所ひとつ動かすのにどれだけの年数と尽力がいるのかと。

ちなみにブラックアウトの少し後、2018年10月11日に今後の北海道の主力発電所のひとつとなる北海道ガスの石狩発電所が稼働したので、これが間に合えばワンチャンあった可能性は……ないかな。北電でも北ガスの人間でもないからそれは知らない。

配電は回路だから、一箇所止まれば全体に影響する。だから北海道全域停電を防止するために計画停電の検討と実施を行っていたのだ。それが地震によって具現化されただけなので、個人的には「ああ、やっぱり今回はダメだったよ」の印象だった。


5.セイコーマートは神?!


ブラックアウト対応で全国的に評価があがり、利用したネット民が「神」と呼び出したコンビニエンスストアがセイコーマートである。セイコーマートが何をやっていたかというと

・全店に自動車の12VDC電源(昔でいうシガーソケット)から100VACに昇圧・整流するインバータを配布、レジ1台と電源内蔵の小型決済端末を動かせるようにしていた

・そのため95%の店舗で現金支払いのみだが営業を継続した

・日本のコンビニで初だった店内調理システム「ホットシェフ」の多くがガ
ス窯を採用していたため、ホットシェフのある店では在庫の米が炊けた

・炊いた米は塩おにぎりとして店頭に並べた(上記のように自分も食べた)

・店舗のアイスを溶けるからと無料で配布した店があった

・2016年に釧路に100%自家発電で運用出来てトラック30台を4週間走らせる燃料を確保した配送基地を作っていおり、自社流通網の強味で配送を最短時間で復旧出来た

・飲料水確保のためグループ企業の北海道ミネラルウォーターの主力商品である「京極の名水」を復電後に通常の3倍供給した(セイコーマートのHPより)

・北海道や各地域と災害時の食料品等物資供給の協定を結んでおり、災害救助に向かった陸上自衛隊北部方面隊とも協定を結んでいた。被災した安平町にも協定により食料品などが用意された

・被災地支援のため被災地のかぼちゃを使った「Secoma北海道かぼちゃアイス」を発売した

などである。

何と言ってもほとんどの店舗が開いていて物が買える、あたたかいご飯が食べられるというのは最高の強みであるし、在庫分だけではあるが停電時に必要な「水」「電池」「インスタント食料」そして「ジンギスカンと野菜とアルミ鍋や網」というものが手に入れられた偉業だった。


逆に弱かったのは


・通信が出来ないのでキャッシュレス時代は始まっていても現金しか使えなくなった

・通信が出来ないので北海道以外の店舗もカード決済が出来なくなった

・非常時の出勤を求めていたためアルバイトの店員の人たちが大変になった。インフラ企業の社員なら当然だが、アルバイト、特に主婦やシングルマザーなどにそれを求めるのは酷かもしれない。

などがあると思われる。まあ、でも神と呼ばれるに値する対応であったと思う。


6.ブラックアウト時に気づいたコト


・地震直後は車の運転は上記のようにいつも以上にゆずりあいモードになっていたが、ライトで発見しやすい夜より昼の方が運転が難しくなった

・夜に信号を横断する歩行者が見難い。点の懐中電灯だけじゃなく発見されやすい全方位に面の光源を持ったLEDランタンとか、せめてスマホのなるべく明るい画面を車側に見せると良いと思う

・停電で燃料供給出来なくなるガソリンスタンドがある。阪神大震災から問題となっていたそうだが、ブラックアウト時の札幌は全然少なかった。現在は道内全体で1000か所増えたそうだが、全国的に国が支援した住民拠点SSについては把握したほうが良い。

・冷蔵庫と冷蔵庫の食料品は満載にしないコト。ブラックアウトの夜にたくましい道民は外で在庫のジンギスカンを食べていたのは伝説じゃなく事実だが、やはり多すぎは処理できない。しかし最寄りスーパーが遠く大型ストッカー必須の北海道では難しい問題だ。もちろん非常食の備蓄は必要

7.停電時に北国で暖房をどうするか


さて、ここで特に北国の熱源対策をどうするかの問題である。北海道の一軒家では490Lタンクと大型FF式ストーブの組み合わせ、マンションでは電気のエコキュートやガスのエコジョーズみたいな装置がほとんどだと思う。

ここでの停電時の選択としては小型カセット式ガスストーブ、ポータブル灯油ストーブだろうか。ポータブル灯油ストーブが一番かなぁ。でも小さいしちょっと寒いかも。燃料を補給するのも、その度に消火するのも面倒で寒い。(点火したままの燃料補給は絶対にやめましょう)

で、一軒家で490Lタンクがついてる家に住んでる自分が選んだのは「大型FF式ストーブをポータブル電源で動かす」。それで買ったのがECOFLOW RIVER Proである。


8.ポータブル電源 ECOFLOW RIVER Proなど


この機種を選んだ理由は

・X-Stream充電で100Vから80%まで1時間、100%まで1.6時間という爆速で充電できる。充電回路も内蔵でACアダプターがいらなく便利

・最大電圧600W(サージ1200W)を越えてもX-Boostモードで600Wになるよう電圧調整して供給維持できる、つまりドライヤーや電子レンジも出力は下がるが使えるのだ

・最大電圧は変わらないが、バッテリーを追加接続できる1440Whまで容量拡大出来る

・スマホアプリの管理画面が使いやすくてデザインが秀逸

という利点があったから。当然追加のバッテリーも買った

2台分で最大出力が高いのを買うほうが良かったかもしれないが、分離すれば災害時以外は本体だけ使用して二泊くらいの車中泊には使え、スペースをとらないという利点もある。

その他に、ソーラーパネルとポータブル冷蔵庫も買った。最近のポータブル冷蔵庫はなかなか速くよく冷えて驚く。


これらを使っての欠点は

・三元素リチウムイオンでフル充電回数が800回。決して少なくないが現在主流のリン酸鉄リチウムイオン電池からすると1/3くらい

・冬の-10℃くらいの環境だと即放電してしまう。また低温度での充電は危険防止のため出来ない。室温で半日くらい暖めないと充電不可能なので冬の車中泊の場合、ホテル泊など車を冷やす行為は出来ない。ホテル泊の場合はポータブル電源を部屋に持ち込むコトとなる。

・ソーラーパネルは窓一枚挟んでも充電する電圧にならない。必ず直射日光を当てるコトが必要。おおむね全てのパネルがそうだと思われる。

・冷蔵庫は冷却能力は思いのほか高いが、車中泊で使うと夜は寝れない程度に煩い。使う場合は保冷剤と併用するのが良い

※ 2023年9月6日追記

2023年7月18日よりECOFLOWでバッテリー回収サービスが開始された。現在Jackery、ANKERでも同様のサービスが開始されている。少し前までは居住地の自治体次第では寿命を超えたポータブル電源の処分が難しかったが、これでかなり導入の敷居が低くなったと思われる(基本は自治体の処理優先で送料はユーザー持ちであるが)。

一方でJackeryベースの某社のポータブル電源など、まだ自治体の処理頼りのメーカーも多数ある。購入の際には自治体の処理状況を確認して、不安がある場合、自社で処理しているメーカーの商品を選択するのが良いと思う。

さすがECOFLOWさん、すでにのリン酸鉄リチウムイオン電池を使ったRIVER 2 Proという定格800W サージ1600W X-Boost 1000W、充電時間70分、寿命3000回と性能アップした新型を発売している。

※ 他にも色々なサイズの商品が用意されている。他のメーカーもだが、防災の日に合わせたセール中なので検討してみてはどうだろうか。


防災としては、ストーブの使用(着火はギリギリだが通常運転になるとFF式ストーブの電力は知れているので長時間使える)とかスマホの充電はもちろん、TVやラジオで情報も得られるし、LEDランタンの充電や大型の照明も使える。普通よりも時間はかかるが電子レンジや電気ケトルも使えるし、灯油やガス給湯器であれば風呂にも入れるのだ!


9.まとめ


もちろん、避難所にいけばある程度はなんとかなるだろうが、スマホの充電などは争うような事態が予想される。自分のように車中泊の趣味があれば使用頻度もあがるし損な買い物ではなくなるが、車がなくてもポータブル電源とソーラーパネル、ポータブル冷蔵庫の用意があれば少なからず災害時の心の余裕が出来ると思うのだ。理想はPHEVの車両の普及なのだが。

まだ日本全体でも発電能力が足りていない。ソーラーや風力で安定した発電量を確保するためには大型のバッテリーが必要だが、その整備も技術が追いついていないのが現状だ。

日本は災害からまだまだ逃げられない。それならば少しでも豊かに災害をやりすごせる用意が必要だと思うのだ。電源だけではなく非常食やテント……マンガ「ゆるキャン△」が引っ張るアウトドアブームも災害対策のひとつなのである。

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