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おいべす講
10月20日は恵比寿さんのご縁日。
商家だった我が家は、毎年祖母がえびす講をしていた。
江戸時代、恵比寿さんの総本社である西宮戎は、幕府から事代主(恵比寿)と大国主の御神影札(おみえふだ)を頒布することが許された唯一の神社だった。
その頒布範囲は広く、関東甲信越のあたりまで及んでいた。故郷・静岡も例外ではなく、西宮戎には遠州と駿河の頒布図が掲載されている。
祖母のえびす講はおそらく、こういった背景があったのだろう。
代は変わり、孫の私も商売をする人と結婚し、こうして毎年えびす講を行っている。
今年は夫の出張でやらない予定が一転、やることになったので、葉付き大根は用意できなかった。
本来は二股と三つ股の大根を用意するけれど、規格外で今そんな大根は流通してない。
「大国様はエッチだから、
二股(女性)と三つ股(男性)の
大根をあげると喜ぶのだ」
と、かつて祖母は言っていた。
たしかに、大国主命には百八十柱のお子がいる笑
祖母が言ってたことはそういうことなのだろう。
家庭祭祀を行うことは、
昭和の時代に比べて格段に減っているだろう。
神々への日々の感謝に加えて、亡き祖母への思いや、消えゆく文化をひっそり続けていることに多少の思いがあるのだなぁとふと思った。
大根探したり鯛を手配したり、踊り串打つとか煮物炊くとか、準備の手間はかかるけれど、今年も無事えびす講ができて良き良きでございました。
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