名橋・旭橋秘話② 旭橋を語る会 2024年11月13日 17:04 橋の色の歴史概ね10年に1回、戦中・戦後の物が無い時代であっても旭橋はお化粧直しが行われてきた。①昭和7年 フェイザイトグリーン②昭和17年 グリーングレー③昭和24年 コバルトグリーンベール④昭和33年 シルバー⑤昭和41年 ペールオレンジ⑥昭和51年 ディープグリーン⑦昭和61年 ターコイズグリーン⑧平成10年 オリーブグリーン⑨平成21年 オリーブグリーン特別な橋ということであろうか。筆者が子供の頃、大人は、旭橋の濃い緑色を「国防色」と言っていた。「軍服や戦争」を連想する色であったろうか。塗装費用は、昭和61年のときに約1億円かかったとされる。使用した塗料の量は16トンであった。平成9年から10年にかけて行われたときの費用は2億3400万円。平成20年から21年のときは8億7000万円かかり使った塗料の量は37.36トンであった。平成10年までは、従来の塗装の上に重ね塗りしていたものであるが、平成21年の工事では、古い塗装は全て剥がし全面的に塗装し直したことにより、塗料使用量が大幅に増えた。平成21年の工事では、旭川のランドマークでありシンボルであることからも色の選定は慎重であるべきという考え方に立って、旭川開発建設部の臨時的委員会として「旭橋径間検討委員会」が設置され色の選定にあたった。その結果、橋梁本体は「オリーブ・グリーン」、高欄のトップレールと支柱の一部、照明そのほかについては復元色(フェイザイト・グリーン)としたものです。今回、全面的に古い塗装を剥がしたことにより分かったことがある。それは「上部のアーチの塗装歴が、昭和33年のシルバー塗装以前は行われていなかったこと。また、シルバーの時はアーチ部だけで、他は再塗装せず、その前の塗装のままであったこと」―全面塗装ではなかったのか、という疑問が湧いてくる。さらに今回発見されたことが二つ。一つは『鎮護』と彫られた銅板(高さ18.25cm幅9.15cm厚さ1㎜)が、親柱にあたる裏側に貼られていたこと。国家的要請の中で架けられた橋ということからして、その言葉の意味そのもの「乱や災いをしずめて国を守る」ということが祈念されたものであろうか。設置された時期は架設の時なのか? 不明である。もう一つ、ロッキングカラム(橋の稼働装置)上部4カ所に謎のマーク「TとMがくっついたように見えること」が発見された。製鉄会社のマークと思われるが、これも不明だ。架設の際の塗装工事は、及川塗装店(同社の代表者は後の建築塗装看板工事業共同組合理事長を務めている)が、名誉ある工事を担当し、旭川の塗装業者のレベルの高さを見せつけた。最近では昭和51年61年と平成10年は旭川の(株)平和塗装が3社のJVで請け負ったが、平成21年は、札幌の(株)伊藤塗工部が同じく3社JVで請け負った。 旭橋を語る会会長(当時) 関根正次北海道経済2013年1月号平成21年の塗り替え時に発見された『鎮護』と彫られた銅板塗り重ねられた塗膜平成21年塗替工事の記録 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #旭橋