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1.シングルマザー
あなたはこの女性を知っているだろうか?
まだその女性が4歳の少女だった頃、住んでいた地域の有力者間の争い事に巻き込まれて父親が自殺、長男が殺されて、生き残った母と妹2人とともに親戚の家に預けられたものの、その親戚がすぐに亡くなって母の実家に戻るのだが、13歳の時に母の実家の大黒柱であった叔父さんが、京都に出張中に宿泊先で殺される。
その後、その殺された兄の部下と再婚した母に従って福井県に移り住むも、1年とたたぬうちにその部下と母を亡くし、姉妹3人で社会に放り出されるのである。
そして、娘が19歳になったときに、時の権力者であった51歳の男にしつこく言い寄られて断り切れずに結婚。翌年20歳で子供を産むがすぐに死亡、さらに24歳でまた子供を産むが、その5年後にその権力者の夫が61歳で死んでしまうのである。
こうして彼女は30歳にして6歳の子供を育てるシングルマザーとなった。
その名を「茶々」という。別名で「淀君」とも呼ばれていた。
これは戦国時代の話であるが、現代の常識から考えるとあまりにも苦難の人生を送っていると同情されるだろう。
ところが、彼女は最後まで男社会に立ち向かった悪女として語られることが多い。それは真実の姿なのだろうかとふと疑問に思う。
しかし、歴史資料において女性の生き様はほとんど残されていないので、検証のしようがない。
一度、本人に会って確かめてみたいところだ。