【HRBP採用成功の秘訣】は任せる「役割」を明確にし、採用ターゲットを絞ること
こんにちは。HRBP・戦略人事の人材紹介支援事業の責任者、海老原です。
今回は、HRBP・戦略人事・CHROの募集ニーズのヒアリングをもとに「HRBP」における採用ポイントをお伝えしたいと思います。
あくまでも個人の見解になりますので、参考程度にしていただけますと幸いです。
結論からお伝えするとHRBPに求める「役割」を要素分解し、現状の「課題」と未来に生じる「課題」を洗い出すことが大切になります。
自社にあった要件定義の整理
そもそもHRBPとは、「Human resources business partner」の略語で、「経営者や事業責任者と同じ視点に立ち、パートナーとして、人事戦略の立案、実行を通じて事業成長のサポート」を主な業務としています。
まだ日本ではメジャーな職種ではないため、「具体的に任せるべき役割は何か」「どういった経験やスキルを持つ人材を採用するべきか」などが各社違います。
そのため、自社にあった「役割」と「求める経験」を整理する必要があります。
まず以下のような形で考えてみてください。
<誰のパートナーか>
①経営者・役員のパートナー
②事業責任者クラスのパートナー
③人事部門のパートナー
<何を任せるか>
A:経営理念の浸透・経営戦略の達成に向けた人事異動・配属
B:組織活性・事業部活性業務
C:採用業務(新卒・中途・アルバイト、業務委託など)
D:評価制度・人事制度の企画、立案、運用業務
E:労務業務
F:社内研修・教育業務
当たり前ですが、事業規模や成長フェーズによって企業の抱える経営課題・採用課題は異なりますし、その課題解決をサポートする役割は当然一律にはできません。
採用が難航する理由
結論からお伝えすると、
母集団形成や内定が出ない場合は、見直しが必要です。
HRBPが普及しつつある理由は、「事業部ごとに人事部門をおき、採用・カルチャー推進・制度運用・ミッションビジョンの推進などを最適化する狙いがあります。
そのため、グループ経営・M&Aを頻繁に行う企業・事業が複数ある企業などでニーズが増えています。
しかしながら、従来の人事機能を事業部にそのまま導入しても上手くいかないため、事業の状況を深くキャッチアップしながら、採用マーケットの深い理解をもとに、人・組織の観点から事業成長への貢献が求められます。
つまり、「事業責任者経験・マネージャー相当の経験」に加えて「人事領域の経験」が求められる傾向があります。
こういった経験をお持ちの方は、採用マーケットでは30〜120名くらいのベンチャー企業で勤務され、年収500〜700万円以上の方がターゲットなる傾向があります。
グループが複数あり、上場企業でHRBPや人事責任者の経験者を募集する場合は、年収800万円以上の方がターゲットになる傾向があります。
中には、人事経験は必要なく、ビジネス感度が高い事業責任者・マネージャーの方がフィットする可能性もあり、人事経験のみや、偏った思考の方は採用ターゲットとしてはマッチしない企業も存在します。
その上で、以下を整理しながら要件を固めることをおすすめします。
①求める役割(誰がパートナーになり、何を任せるか)
②理想とする経験や人物像を言語化し、課題にを解決できるかを明確にする
③「②」で定義した人物が採用マーケットにどれくらいいるか
④そのターゲットが自社に入社するメリットは見出せるか
⑤条件と経験が一致しない場合はどこまで要件を落とせるか
⑥場合によっては、自社採用以外の方法は検討できるか
採用がなかなかできない場合は、複数の役割を同時に求めている傾向があります。
求めることが全てできる人材は、採用マーケットでも多くの企業から声がかかります。
そのため、一番大切になる「スキル経験」だけをまずは定義することをおすすめします。
例えば「人事経験はいらないが、親和性のある事業経験者でマネジメント10名以上」「親和性のある事業経験はいらないが、経営戦略に基づいた採用、戦略立案、社員の定着活躍を推進できる戦略人事の経験は欲しい」などです。
場合によっては、社内で採用をせずに「業務委託」などのパートナーに依頼するのも1つです。
しかしながら、事業や組織に寄り添った課題を解決する人間は、社員として迎えいれたい声も強いため、経験者を採用するのであれば「年収」などの条件は高めに設定しないと、そもそも接点を持つのは難しいかもしれません。
採用マーケットに関しての知見もあるため、採用要件の棚卸しや採用支援のご相談があればお気軽にご相談ください。
パートナーの「弱み」を補完する採用か
最後に、HRBPを採用する上で大切になるスタンスを個人の見解として述べたいと思います。
HRBPは、パートナーの「弱み」を補完し、HRという側面から支える役割があります。
しかし、採用面接ではパートナー本人の「強み」をベースに「論理的思考力が足りない」「行動力や推進力が足りない」などと評価、判断してしまうことは良くあります。
中には「自分の業務を後任できる人材を探したい」という声もあるかと思いますが、その場合は「HRBP」ではない方が良いかもしれません。
経営業務や事業責任者の業務に集中するために、HRBPに限らず、ビジネスパートナーに支えてもらい本人の「強み」と「役割」を最大限に発揮できる環境を整えることが、今後大切になると考えています。
そのためには「自身の弱み」と「事業を伸ばす要素」を明確にする必要があります。
一定の年齢や経験を積むと、いくら弱みを改善しても、組織や事業へのインパクトは小さいことが多く、それであれば「強み」を掛け合わせていく方が合理的です。
HRBPに過剰な期待を寄せるのではなく、組織や事業の課題を一緒に解決ができそうなビジネスパートナー、仲間を採用するスタンスが成功の秘訣だと考えます。
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