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根底にあるもの…

お疲れ様です
昼かっこみ部
えびくそです。


久しぶりに。
本当に久しぶりに食べた。

最近なんだか気合が入らなくて
半分狂乱で松屋に行こうと決めた。

もうどうにでもなれ、というのか
もうめちゃくちゃにしてくれ、という気持ちなのか。
とりあえず何か変化が欲しかったのだ。

ナンパ企画のマジックミラー号に
入るような気持ちで松屋へと入店した。
久しぶりの店内は、あまり変わらず殺伐とした雰囲気がたちこめる。

無駄にグレードアップした券売機に戸惑いながらも
プレミアムと名のつく高級牛丼を頼む。
大学生の頃の自分にララバイしたい為だったか、はたまた松屋に成長を見せつけたかったのかもしれない。

数分待ってすぐにソレは現れた。
あまりに変化がなく拍子抜けしたが
むしろこれで良かったのかもしれない。

相変わらず安い味の味噌汁は
ハイパーレーンや麻雀終わりの朝に池袋で食べた味噌汁と同じ味をしていた。

そして、牛丼の中途半端な美味しさも、
初めてのサークルの飲み会で朝まで747でカラオケをした後に食べた味となんら変わりはない。

思えば、私はコイツと一緒に歩んできたのかもしれない。
大学の入学式で九段下で食べたお昼も、確か松屋だった。
始まりには松屋が似合う…
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その時ふと耳をすますと
松屋の牛丼がこちらに話しかけてきた。

「…おれはいつでもお前を"待つや"」

私は衝撃に膝から崩れ落ちそうになることを
耐えるのに精一杯だった。
簡単な事だったのだ。

私は変わろうと変わろうと必死で
足掻いていたが、無理に変わる必要はなく
ただ、そこに寄り添えばいいのだ。と。

そんな簡単なことを松屋の牛丼に教えられるとは…

遊戯王のバトルシティ編で
デュエルディスクを隣の人にガツガツ当てる
城之内を彷彿とさせながら
牛丼を胃袋にかっこむと、机に440円を置いて颯爽と外に出た。

その時吹いた、からっ風は心のモヤモヤを
かき消してくれた気がした。
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「…ぃませーーん」
「…すいませーーーん!」

後ろから追いかけてくる声にふと振り向くと、
私がすでに券売機でお金を払ったことを忘れていて
格好つけて机に置いた440円を
店員の人が届けに走ってきていた。

赤面しながら謝罪すると
そそくさと店を去った。

#昼かっこみ部

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