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2021年5月に読んだ本を振り返る。

こんにちは、えびかずきです。

気づいたら月末です、月日がたつのは早いなあ。

ということで今回も今月読んだ本を一冊づつ紹介していきます。

今月は全部で8冊よみました。

今月最も刺激を受けた本

『はじめてのパターン認識』平井 有三

機械学習の理論的な教養を身につけるための教科書です。

ベイズの定理に基づく分類、k近傍法、SVM(サポートベクターマシン)、アンサンブル学習など、データサイエンティストが学んでおくべき基礎的な理論が、線形代数できれいにまとめられています。

しかしキレイにまとめられ過ぎていて、読むのにかなり苦労しました。

どういうことかと言うと、説明が最小限であることに加えて、抽象的な概念の説明が続くので読むのに骨が折れるということです。

私は理系だし、数学にもわりと自信がある方ですが、かなりしんどかった。

転職にともなう有休消化期間中のうち10日間をこの本だけのために費やして、なんとか最後まで読み切ることができました。

とは言っても100%理解できたわけではなくて、まだきちんと理解できてないなーと思う部分も残っています。(特にカーネル関数あたりはイマイチよくわかっていない)

よほど頭の良い人でない限り、一度読んだだけでは理解できないと思いますが、何回も読み返しているうちと、「ああ、なるほど、ここはこう言うことか!」と納得できます。

どこかで、何度も聴いてじわじわ来る音楽という意味で「スルメ曲」というワードを聞いたことがありますが、それで言うとこの本はまさに「スルメ本」です。

技術書

『Pythonフレームワーク Flaskで学ぶWebアプリケーションのしくみとつくり方』掌田津耶乃

Flask初心者のための入門本です。

内容は、HttpServerの使い方から始まり、Flaskの基礎的な使い方、Bootstrapによる静的フロントエンド、Vue.jsによる動的なフロントエンドとの連携、そしてSQLite3でデータベースを作るという流れ。

Flaskの使い方をまとめた日本語の書籍は数が少ないので、そう言う意味で貴重な書籍だと思います。


「高分子化学―基礎と応用」井上 祥平

高分子化学の一般教養的な知識がまとめられた教科書。

会社の業務で高分子を扱っていることもあって、一度目を通しておきたいなと思っていた書籍です。

と言いつつ実は6月で今の会社は辞めて次はAIエンジニアになるので、もう高分子の知識はほとんど必要ありません(笑)

しかしこの本が積読で長い間放置されていたのを見て、「このまま読まないのはもったい無いな」、「今読まなかったら一生読まないだろうな」、「なんだかこの本かわいそうだな」と謎の感情移入を含みつつ、ふと読んでみる気になったので重い腰を上げて目を通してみました。

内容は高分子化学に関するごくごく一般的な基礎の内容だと思います。

つまり、重合の種類だとか、ポリマー構造、力学的性質、分析値(X線回折や極限粘度)などについて広く浅く書かれています。

高分子化学の全体像を俯瞰的に掴むための、読み物としておすすめです。

研究や業務で目の前の仕事に熱中していると全体を見失いがちですからね。


小説、他

『マネー・ボール』マイケル・ルイス

prob.spaceの野球データ分析コンペに参加するにあたって何か参考になることはないかと思って読んでみました。

2000年初頭にメジャーのオークランドアスレチックスを、資金力が乏しい中、地区優勝に導いたビリー・ビーンというGMのお話。

野球をデータで分析する『セイバーメトリクス』のノンフィクション作品です。

セイバーメトリクスと言えば、近年日本でもだんだんと知名度が上がってきていますね。

私自身、中学から大学まで長年に渡って野球をやっていた(さらに言うと小学校と社会人でソフトボールをやっていた)こともあって、純粋に楽しめました。

小説としてのストーリーも面白いですが、統計好きの私にとってはデータ分析によって導かれた考察がとても興味深かった。

主な考察は以下の3点。

・送りバントは無駄
・盗塁はしない方が良い
・打者の評価指標は出塁率が最も重要

え、本当にそうなの!?と思う方もいるかもしれませんが、私は昔からバントとか無駄だよなと薄々感じていたフシがあったので個人的には納得の内容です。

ネット上でも下の掲示板サイトでメジャーのデータに関する考察が進められているみたいです。

こういうの日本のプロ野球でもないのかな。(なければ作ってみようかなと思ってる。)


特に高校野球なんかはバントとか盗塁をバンバンしちゃいますが、チャンスを潰してしまっているケースも多いはず。

まあ高校野球はバントで相手がエラーしたり、捕手の肩がさほど強くなくて盗塁が簡単に成功するケースなんかもあってプロ野球とはちょっと違うかもしれないですがね。

そういう意味では、高校野球も統計とってデータ分析してみたらとっても面白そうですね。
(そういう研究例ってないのかな、あったら誰か教えてください。)

結局、データ分析の野球コンペに直接役に立ちそうな情報は実際のところほとんどありませんでしたが、野球に対する長年のモヤモヤが晴れたような気がして個人的な満足度はかなり高かったです。

ちなみにこの本はおととしに市立図書館のリサイクル市でゲットしました。

貰っておいてよかった。

『TVピープル』村上春樹

村上春樹の80年代後半ごろの短編集。

面白いです、もうそれ以上言うことはありません。

TVピープルは1Q84に出てくるリトルピープルの原型かな。

『羊男のクリスマス』村上春樹

佐々木マキさんとの共作の絵本。

羊男がクリスマスイブに穴に落ちて異世界を彷徨うというストーリー。

村上春樹小説の初期シリーズに登場していた双子の女の子も出てきたりして、面白かった。

『約束された場所で』村上春樹

地下鉄サリン事件のインタビュー記事をまとめた「アンダーグラウンド」の続編。

アンダーグラウンドでは被害者にインタビューしていたのに対して、こちらでは加害者、つまり当時のオウム信者にインタビューした記録を残したものとなっています。

この記録を読んでいると、洗脳とはやはり恐ろしいなと思うと同時に、麻原彰晃という人間がどんな人物だったのか気になってしまう。

『村上朝日堂の逆襲』村上春樹

80年代に週刊朝日という雑誌で連載されていたエッセイを集めた文庫本。

小説とは違って村上春樹の日常や普段思っていることが綴られていて、面白い。

特に「セーラー服を着た鉛筆」が印象に残った。

鉛筆のFがセーラー服を着た女学生に見えてくるという内容w

読んだ本はメルカリで売ってます

欲しい本がありましたら、安くお譲りしますよ。


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