人魚たちの三色団子
人魚姫にとって、人間は文明は悪すぎる。悪い意味共通してしまうからだ。
「見てみて!! 人間の世界で面白いもの見つけたの。マママイナヤ、オクターザパン、こっちにきて。え? マママイナヤは髪がそんなに真っ白な真珠の色じゃない。私は、こんな桃色の頭よ。オクターザパンは、海藻のりもきれいな、地上のワカメたちみたいな色だわ」
「なんの話?」
人魚がわらわらよって来る。
その人魚の指示でマママイナヤ、彼女、オクターザパンだ並んだ。おもむろに人魚姫はバールのようなものを背後から取り出し、
ざっくん!!
3人の人魚姫の頭を、貫いた。
きゃ、ぎゃ、マママイナヤとオクターザパンがそれぞれ小さく鳴いた。しかし、犯人の人魚姫はにこにこしている。
串刺し連結の自分らの頭を指した。
「人間のお菓子よ」
「は?」
「え?」
「三色団子〜〜〜〜!!!!」
どっ、と人魚たちが笑った。串刺しのマママイナヤとオクターザパンも笑うから、3人の、串刺し娘がうねうねした。
遠巻きにそれを見ていた、彼女らの父親、シーマンは、深刻な苦い顔つきである。
「ダメだあいつら。早くなんとかしないと……」
人間の文化、地上に遊びにゆくこと、人間の文化、地上への上陸、人間の文化が、こうして禁止されたわけである。
たぶん、三色団子が悪い。
END.
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