魔女らしさの賜物

暗い森は海にもある。わかめ、海藻、藻、茂みに覆われた奥深くに魔女は家をかまえた。

ただ、魔女も生きている。

どうやって生活してるの?
そんな不便な場所で?

聞いてはいけないことである。もちろんアマゾンな通販なんぞ海には無い。魔法の使い手に、なんで? どうして? 質問は厳禁である。
魔女は、へんぴな場所に家を構えて、これぞ魔女的と満足した。

しかし、数日で、

「なんっっっっって不便な場所だ!!」

たいてい、気がつくものだ。後の祭りであった。

ただ、魔女らしさ、魔女のすがた、魔女のイメージは、魔女たち一人ずつのこうした努力によって成り立っている。そこは彼女らの努力のたまもの。魔女、暗黙の了解。

だから、魔女はいくらどんなに、切実に、引っ越ししてぇ〜〜〜〜ふつうに生きてぇ〜〜〜〜なんて願っても、決してそれはオモテに出さず、威厳をもって『魔女』の役目を請け負うのである。

その生き方こそ、魔女のほんしつ。
魔女をかっこいいと思う理由。

努力のたまもの、魔女らしさとは、メイクやキラキラ女子を演じるインスタ女子となんか通じるものがある。

でも、それこそ、魔女らしさ!
魔女だって女だからね。


END.

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海老かに湯
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