ひたすらマラソン

昔、夢を視た。無意識のうちにそれを書き出し、やがて大人になったころ、ほとんどの者は自分が描いたとは思えない創作品に驚く。昔の自分はこれほど豊かなものを描けていたのかって。

今の自分の貧しさを、突きつけられる。

あの頃は良かった。
誰でも言える白昼夢である。

昔に戻りたい。
万人が願う幻想である。

明日が楽しみ、新しい自分を過去から知って、これを知った自分が明日からはもっと豊かになれるんだから。
それは、人類の理想とするすがた。

私たちは理想を目指して走る、ひた走る、終わりまで駆け抜ける、蟻の一匹である。
王女を持たぬ、王子様を待たぬ、自由な新種の動物である。

例えそれが仇となってすべてを破壊し星すら壊すとしても、そこまで自由な地球の動物である。

ひとまず、終わりまで走ろうか。


END.

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海老かに湯
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