解体ラブスト番外-橘鹿馬について①-
タチバナシカマ
通名として使用する偽名であるが、こちらでの戸籍も用意してある。シカマの漢字の意味を初めて学校で習って知る。
瞬間的にイジメられるが、鹿馬がその場で悪口を返す、嫌がらせをやり返す、相手の好きな子の髪を引きちぎるなどして瞬速で終了。すでにあった、自分についての事柄、すべてをあきらめるという生き方が、この時期に固定される。
大勢の子ども、クラスメイトと自分が同じ空間にいる学生時代、学校での生活は、鹿馬にとって異常な日々、非日常として記憶に残っている。
告白もされている。たまに時々の気分のよって告白に肯を返すが、その相手はすべてのちになってから、組や店にまわされるなど、身を持ち崩している。鹿馬に非日常を日常と見せつづけたためである。不興を買い、不運などのかたちをとって転落を仕組まれたためである。
恋はしたことが無い。愛情は理屈としてならば、理解っている。
しかし、理解できない愛情の類、よく分からないことであるのに、こだわる、理解らないことが起こり、食肉解体場に通い詰めることとなる。
やがて、一緒に死にたいと思う女が一人、できた。
それを恋と呼ぶのか。恋と呼べるのか。どうにか理解ろうと努めている。
彼女を想うと、自分すらもよく理解らなくなることが、悩み。解体するなどの手際のよさとかけ離れた感覚には、不快感を覚えている。しかし彼女の声ひとつで心地がよく、不快感を忘れることがほとんどである。これも悩むはめになっている。
恋、そう理解ろうと努めている。
END.
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