【放送大学の科目】日本語リテラシーのおすすめ度と受けてみた感想
放送大学には基盤科目というものがあって、全科履修生として卒業するには16単位の履修が必要です。
日本語リテラシーはその基盤科目の一つとして設置されています。
この科目はどういうものか、説明を見てみましょう。
この科目の他の情報は以下です。
科目ナンバリング110(基盤科目・初級)
主任講師 滝浦 真人(放送大学教授、元麗澤大学教授)
2022年度開設科目
放送授業、テレビ科目(全15回2単位)
この滝浦先生という方は、日本語と言語学に関連する科目をたくさん開設していらっしゃいます。
日本語リテラシー
日本語リテラシー演習
日本語アカデミックライティング
新しい言語学
日本語学入門
言語研究法
ちなみに私は言語学に興味があるので、日本語リテラシー演習以外は全て取ろうと思っています(笑)。
感想
そろそろ感想に移りましょう。
皆さんは、こんな事を考えたことはないでしょうか。
日本語って、なんで必要なの?
日本語の長所って何?
日本語の特徴って何?
日本語なのに文章がうまいこと書けない…
この科目は、こういった疑問を全て解消してくれます。
私も正直、こういったことを聞かれてもうまく説明できませんでした。「日本語っていらないよね?英語でよくね?」と言われると「いや…反論できねえな…」となっていたのですが、この科目を受けて大きく考えが変わりました。
日本語は保存する価値が大きい言語です(他のあらゆる言語ももちろんそうですが)。
そして、他の言語にない特徴を非常にたくさん持っている世界的に珍しい言語でもあります。
小説みたいな「名文」は書けるようになる?
この科目はアカデミックな文章、すなわち客観的で誰が読んでも同じように読み取ることができる(=含蓄のない)文章を読み取ることができるというゴールを掲げているため、「小説のような文章が書けるようになる」わけではありません。
ブログに役立つか?
よく「この科目はブログに役立ちそうだ」と思って取る人がいるそうですが、私はその意見には賛同します。
ブログ記事というのは、「起承論結」の文体をそのまま書くとあまり面白みがないので授業で説明されたものから構成を変更する必要があります。
しかし、事実を根拠を交えて書くことで説得力が増し、「知の公共財」を広く大衆に提供することができる、という点でアカデミックな性質を少し帯びています。
そういった誠実な記事は長い目で見ればいろいろな人に評価してもらえることになると考えています。
これから「大学」に溶け込もうとする方におすすめ
この科目の中心的な目的は、まさに「大学生に対する日本語の指導」です。
レポートや論文といった学術的な文章を書くに当たり、不適切な表現はくだけた表現以外にもたくさんあります。
そして、大学に進学する人の大部分はそんなことはクリアしていると思います。
しかし、「学術的な文章に求められる要件・意識すべきこと」については別に指導を受ける必要があります。
「日本語リテラシー」の印刷教材(教科書)にも書いてありますが、アカデミックライティングの授業を行う科目は日本でも多くの大学で存在するようです。
その中で、放送大学の「日本語リテラシー」は「書き方」だけではなく「日本語の特徴」「読み方」にも触れている点で特徴的だと思います。
国語の学習、国語教員におすすめかも?
この科目では「単語の種類」「文章の読み方」「要約文の書き方」「論理の接続」「論理展開」といった内容を扱います。
これって、私達が学校の「国語」で習ってきたことですよね。しかし、少なくとも私はあまり覚えていません。「国語」でこういったことを体系的に教わった記憶がまったくないのです。
教科書を見てみれば、断片的ではありますが一応国語の教科書に載ってはいます。こういう内容は「オマケ」扱いであり、教わる側は体系的に習わないため、あまり身につかないで記憶にも残ることなく卒業します。
それは「国語っていらなくね?他の科目増やせよ」という意見が沢山あることからもわかると思います。
私は「国語ってなんだったんだ」という方や、「国語を教えることになったんだけど、何を教えればいいかわからない」という方にこそ、この科目を受けてもらいたいと思います。
考え方が大きく変わるきっかけ、または「国語ってどうやって教えるんだ」という悩みに対する道しるべになると思います。
科目難易度
この科目の難易度自体は…大きい声では言えませんが…まさに「初級」といったレベルです。
しかし「初級」であっても、そこから学ぶことが多かったので私は大変満足しています。
雑感:「異文化理解」という罠
「SDGs」の他に日本では「異文化理解」が盛り上がっている分野だと思います。
しかし、「人のことを理解しよう」だけでは異文化理解は成り立ち得ません。それは単なる他文化への隷属か、単に知識を雑学として蓄えているだけです。
自分の言語や文化の特徴を、良いところも悪いところも含めて知っていて、説明できて初めて「異文化理解」ができるようになるのです。
言語を比べた時、表面上「日本語と違うね」と思っても、なぜ違うのか、他に違うところがないかということを考える時に「日本語に対する知識があるかないか」というので全然視野が違います。
自分のことがわかっていないのに、他人のことを正しく理解できるはずはありません。
この科目は、そういう視点を養う意味でも取る価値が大いにある科目だと思います。
というわけで、放送大学の「日本語リテラシー」の感想を書いてみました。
他の科目についても随時感想を書いていきたいと思います。
LINEでは「放送大学ってぶっちゃけどうなの?」「この科目はどんな科目?」みたいな質問を受け付けています。
無料で相談できます。お気軽に話しかけてきてください。お待ちしております。
※放送大学に関する質問は「進路相談」であれば体験授業時間としてカウントします。「簡単な質問・記事に対する意見や質問」であればカウントしません。
それではまた次回お会いしましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?