置き手紙

「おい、居ないのか?」
妻の返事はない。
「おい!呼んでいるんだ!返事ぐらいしろ!」
やはり妻の姿はなかった。
夫は何か食べのものはないかとキッチンの方へ向かうと、テーブルの上には手紙が置いてあった。

【最近は疲れていて、あなたより先に眠ってしまってごめんなさい。
お弁当をつくるためにあなたより早く起きてごめんなさい。
そのうえ料理が美味しくなくてごめんなさい。
キレイな顔をしていなくてごめんなさい。
これで気が済んだでしょうか?
あなたとの生活に疲れました。
あなたより先にこの世を旅立つことをお許し下さい。 妻より】

✳︎さだまさしの「関白宣言」に対するアンチテーゼです。それが全てです。笑
#小説 #ショートショート

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?