解体ラブスト-ショート-11
「ボクはさ、どうなってもいいわけ。いちいち確認取らないでくれ。ムダになる」
1秒も使ってやる気がしない。興じるなんて酔狂をするほど、ボクは人間らしくもない。なんかもう面倒なことばかり、それでも明日が来るからやっているだけだ。
ただ、何度も関係を持った女が、ブザマに堕ちる、男でもいい。
そのさまを見るのは少し面白い。
死ぬより生きる方が苦痛な事例など腐るほどある。それに直面することになるからだ。こういう、ボクに目を付けられて、目をかけられた連中というのは。
ツブシに潰し、使いきってから終えるから。
それをやるのがボクである、それがほんの少しだけ面白い。ろくでもなさを誰より知っている。そんなボクを信じて頼りにしてなんて見る目のない奴ら。
死んでいるようなボクよりも、生きているクセに、見る目の無い、やつ。
それが『終わる』瞬間は爽快に胸がすく。
ざまあみろ、死ね。
素直に。本当に素直にそう思える。工事現場の地べたに土下座する男どもは引きずられて、ワゴン車に詰め込まれた。ボクはそれを見送った。
気持ちのよい、夜になった。ほんの少し、スパイスが効いた加工品のよう。
「ばか、だな」
呟くと夜が溶かした。
END.
読んでいただきありがとうございます。練習の励みにしてます。