茶色い星のおとぎ話
見ているのに、見ないふり。
見られるけど、見ない。知らない。それなら罪は生まれない。
将来? 子どもの未来?
……見ないふり。
おとぎ話にはね、子どもは、生まれないの。男と女が結婚してシアワセに暮らしました、おわり。そこで終わりなの。
将来の話なんてリアリティ、必要がない。
今はいつしかおとぎ話になったようだ。将来なんてわからない。年金なんてわからない。でもおとぎ話を見せるため、集金はよろしくお願いいたします。
現代はね、ホラーの時代なの。
ホラーだけれど、それをキレイにうつくしくヴェールに包めるのが、おとぎ話のすばらしいところ。
おとぎ話、たくさん、つくりましょ。
え?
今を生きてるだけで、もうおとぎ話?
それはそう。
アニメや漫画やマーベルやらヒーローやら、宇宙人やら緑色や青色の肌をしたヒロインやらキャラクターやら。
おとぎ話が実はウケているの。
知っでいた?
ぞうぞう、だのじい現代寓話。
ようごぞ、ぁ、もういるんだった。いっしょにざいごまでいぎのごりまじょう。
……え?
それでも、明日をしゃんとして生きたい?
……人間が、そんな人たちもなかにはいるものだから、神さまだって困るのです。
ノアの箱舟みたいには、もう、できないから。
この星は茶色くなりすぎた。
END.
読んでいただきありがとうございます。練習の励みにしてます。