エンデ親子。
この夏、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」を読破しました。
その感想はまた別の機会に語ることにして。
この作品の下巻。後半部分に「溶けた時計」という一文がありました。
溶けた時計といえば、ダリの「記憶の固執」
ミヒャエル・エンデに関して知識が無く、
いろいろ調べたところ…衝撃の事実が。
エンデのお父さん画家だったのね!笑
しかもシュルレアリスム系統の。失礼いたしました。無知でスミマセヌ。
お父さんのエドガー・エンデは1901年ドイツ生まれの画家。
サルバドール・ダリが1904年スペイン生まれだから、ほぼ同年代。
同じ時期に画家として活動していた可能性大。
きっと2人には何かしらの交流があったはず…。
さて、さっそくエドガー・エンデの作品を調べてみました。
なんというか、第一印象はキリコっぽい、と思いました。
それでいてマグリットのような感じも。
ダリを感じる作品もチラホラ。
不思議。
でも一目見て、私の直感が「エンデ好き」と言っております。
エンデの絵は、
彼の心の闇の部分から浮かび上がってきたものを描いているんだとか。
ファンタジーな印象もあるけど、全体的に暗め。
惹かれるんだけど薄暗い感じが不穏というか、不安を掻き立てるというか、
そんな印象。
制作の様子もちょっと変わってる。
何日間もアトリエを暗くして、
その中で頭に浮かび上がってくるイメージを描き留め、それを作品にしていたそうな。
その姿から、エンデは「暗闇の画家」とも呼ばれているらしい。
エンデ自身が
「私の作品は夢の断片をつなぎ合わせたものだ」と語っています。
彼曰く、そこに明快な意味は無いんだとか。
だからエンデは絵について説明を求められるのを極端に嫌ったそうな。
たしかに。
夢の内容って不思議で説明がつかない場合が多いですからね。
そして息子のミヒャエル・エンデ。
ミヒャエル・エンデは
「私は父の絵画世界の上に立って、私の文学を築いてきました」と語っています。
父子でお互いに「創造への衝撃」を与え合っていた、と。
エンデの詩に刺激されてお父さんがキャンパスに向かったり、
お父さんの絵画にインスピレーションを受けて自身の作品を書いたり。
素敵な関係性ですね。
ミヒャエル・エンデの「鏡の中の鏡」という作品には
お父さんのエドガー・エンデの作品が挿絵として使用されています。
これはぜひ読んでみたい。
そんなわけで、
また1人、素晴らしい芸術家と出会ってしまったのであります。
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