貴理子じゃないよ、キリコだよ。
近所の美術館にジョルジョ・デ・キリコの作品が来ていたことをすっかり忘れていました。
西洋絵画を集めた企画展で、
DOINAKAにしてはグッジョブ👍って心の中で称賛していたのに。
気付いたら終了していました。自分のアンテナの感度の低さに落ち込んでいます。
ダリも好きですが、キリコも好きです。
キリコが活躍したのは時代的にはダリよりも少し前。
まだシュルレアリスム運動が起こっていない時代です。
キリコ自身は、自分の絵を「形而上絵画」と呼んでいました。
けいじじょうかいが。
その作品は現実か幻想かわからないような不思議な絵。
生涯それを描き続けたわけではなく…。
キリコが「形而上絵画」を描いたのは1910年代。
年齢でいうと20代の10年間だけ。
その後、古典的な写実絵画に戻ったキリコ。
なぜか過去に描いた「形而上絵画」を晩年になって描き直しました。
そして新しく描いた作品を「本物」と言い張ったそうな。
さらに若い頃の作品は「贋作だ」と否定。
贋作発言で画商と裁判。
美術館に所蔵されたすべての過去作品に対し、撤去命令。
なかなかエキサイティングな人生です。
キリコはダリのように
作品を売ることをパフォーマンスやビジネスと割り切れないタイプ。
「キリコ=頑固ちゃん」で有名だったらしい。
きちんとしているのに、どこか奇妙で、どこか不安を与えるキリコの作品が好きです。不安なのに落ち着く。不思議。
定期的にデスクトップの画像を変えるのですが、今はすべてキリコに設定されています。
ちなみにこの作品は「不安を与えるミューズたち」
現代においても不安は伝わっています、キリコ先生。