近くて遠い向こう側。
「マリブコーク」というカクテルがあります。
ココナッツのリキュールをコーラで割ったもので、
この上なく南国感強めのお酒です。
アメリカにあるサーフィンの名所「マリブ」にちなんで名付けられたとか。
20代の頃から通うバーのオーナーに
このお酒を教わってからというもの
「とりあえずビール」ではなく
「とりあえずマリブコーク」と言ってしまう人生を送っています。
一時期、そのバーに通いすぎて何も言わなくても
私がカウンターに座ったら自動的にマリブコークが出てくるシステムが構築されていました。
日本酒中心になり、甘いお酒から徐々に離れつつある今も
「マリブコーク」だけは特別枠。
若い女性がバーカウンターで1人…。
なんて言うと響きも雰囲気も良さげですが、そんな大人な話はありません。笑
でも、いろんな人と出会いました。
その日、その時、たまたま隣に座った人と会話を交わす。
極度の人見知りなのに、ようやってたな私って思う。
楽しく飲んだ帰り際、
「バイバーイ!またこの店で!」
「あれ?そういや名前聞くの忘れてた。まっいっか!また会えるし♪」みたいな。そんなことばっかりやってた20代でした。
その中でも印象に残っているのが「十二支言えないお姉さん」
「ねー、うしー、とらー。
うー、うー…うー…、
え?ちょっと待って。
うー……。次、シマウマ?猫?」ってな感じで。キレイなお姉様。完全に酔ってるわ。
お店で会うたび十二支の話して。最終的に言えるようになりましたよ。
「これでお嫁に行ける―!」って喜んでたけど、お嫁に行けたかは謎のまま。
バーって本当にいろんな人が来ます。
車屋さんと知り合いになった時は、新車買うの手伝ってもらったし、
会社の重役さんと知り合いになった時は、部下を集めて合コン開いてくれたし、
スノボの先生には、毎週末ゲレンデでスパルタ教育を受けたこともあったし。
そんでもって、通いすぎてオーナーの歴代彼女にも詳しくなる。笑
純粋に「人と会うのは楽しい。人と話すと元気になる」を教えてもらいました。またそういう風に呑みたい。
緊急事態宣言が解除されて、外出する人も増えるだろうけど
プラスチックの仕切りを越えた交流は昔に比べると難しそうですね。