浮世絵のススメ。
先日、浮世絵を見る機会がありました。
歌川広重の「東海道五十三次」
関ヶ原の戦いで覇権を握った徳川家康は
政治支配力をより強固なものにするため
江戸の日本橋を起点とし、五街道を整備しました。
そのうちのひとつが東海道。
現在の東京〜京都を結ぶ重要交通路です。
家康は東海道に公用の使者や荷物を
無料で次の宿場まで送り継ぐ伝馬制度を設けました。
伝馬制度では輸送に必要な人馬は宿場が用意します。
ただし、輸送できるのは次の宿場まで。
隣の宿場に着くたび荷物を新しい人馬に積み替えて運ばなければならない
…というルールでした。
東海道には53カ所の宿場がありました。
江戸から京都まで荷を運ぶとすると合計で53回も継ぎ替えがあるってことですねぇ。
そのことから「東海道五十三次」と呼ばれるようになったわけです。
「東海道五十三次」は
歌川広重が日本橋から京都にいたる東海道を宿場ごとに描いたもの。
街道風景や旅人の様子を細かく描写すると共に
四季の変化や気象の変化、時刻の変化等を巧みに表現しました。
これが江戸で大ヒット。当時の江戸庶民はこれを見て旅への憧れを抱いたそうです。
これは日本橋。浮世絵ってもっと古い感じのするものだと思い込んでいたけど
こんなにも鮮やかにリアルに迫ってくると知り、驚愕しました。
これは大磯宿。大雨で合羽を着る旅人、雨に濡れる街道など、雨天の東海道の様子がよく分かる1枚です。直感的に歌川広重の描く雨が好きだと思いました。
ちなみにトップの作品は「鳴海宿」です。
当時は写真や映像も無いし、江戸の人たちはこのような風景画を見て
旅への想いを馳せていたんだな…とか考えると非常に感慨深いものがあります。
若い頃からどちらかというと西洋画寄りで
浮世絵の良さとか美しさにあまり触れてこなかったけど、浮世絵も良いなって思いました。
特に色。
青や赤など鮮やかでどれも美しい。
浮世絵は心が落ち着くし、癒される。
やっぱ日本って最高。