茅ケ崎らんぷ亭:輝くトルコランプの製作体験
トルコの雑貨と言えば、モザイクを施されたランプやタイル。
その発祥は遠く6000年前に遡り、その後オスマン帝国の時代には宮殿やモスクに使用されたそうです。
日本で言うと、縄文時代前期頃にあたるので、びっくりですね。
とはいえ、ランプシェードにガラス片やビーズを貼り付けて行く製作工程は、古代から少しずつ進化して現代に至っているという事です。
本場のトルコランプは全て職人さんによる手作りだそうですが、その技法とトルコランプの美しさを伝えるべく、日本にもトルコランプ製作のワークショップが数多く存在します。
「茅ケ崎らんぷ亭」もそのひとつで、地元ではとっても話題のお店。
毎日毎日トルコランプを作りに訪れるお客が、絶えることがありません。
わたしはこの6月に茅ケ崎海岸を散歩した際に、途中こちらに立ち寄ってワークショップの予約をいただきました。
今日は満を持しての製作チャレンジです!
作ったトルコランプは、友人の新築祝いに贈るつもりでいました。
なので、その友人にも来てもらって合同製作! (ヘンなお祝い…)
東海道本線のJR茅ヶ崎駅で待ち合わせをして、徒歩10分そこそこで「茅ケ崎らんぷ亭」に到着。中は冷房が効いて涼しくなっていました。
店内の天井はトルコランプでいっぱい。
販売もしています。
壁際には、スタンド型のトルコランプ。
どれもこれも綺麗で、どんなランプを作ろうかと迷ってしまいます。
先生の説明では、形を選ぶ→大きさを選ぶ→デザインを選ぶ→色を選ぶ、という順序で作品に取り掛かるとのことです。
わたしは友人に向かい「どんなのにしようか?」と、選んでもらうことにしました。
すると、彼女は迷わず「もう決まっているの!」と、天井を差しました。
こちらのピンク色系のランプを、ひと目で気に入ったと言うのです。
さっそく先生にそれをお伝えしました。
すると「このデザインは、難しいんですよ~」とおっしゃるのです。
わたしたちには、どのランプもおおむね同じように見えるので、難しいの意味がわかりません。友人は、いたく気に入った様子でしたし、勇気を出して「頑張って2人で作ってみます!」と訴えました。笑
すると先生は快く引き受けてくださりました。
形+デザイン+色が、一気に決まってしまったので、残るはランプの大きさです。
友人は躊躇しているようなので、わたしは「一番おっきいのを作っちゃおうよ!」と囁きました。天井の見本と同じ大きさになりますが、(せっかくだからこれ位のものがいい)と、きっと彼女も思ったはずです。
初体験にもかかわらず、結構な大物を製作するはこびとなりました。
でも大丈夫、2人ともヤル気まんまんですから!
先生のご指導のもと、裸のランプシェードに数々のモザイクガラスを貼り付けて行く作業が始まりました。
こちらのモザイクガラスは、ほんの一部でして、もっともっと沢山のガラスが出番を待つように棚で控えています。
わたしたちは、見本と同じピンク色系のランプを製作したいので、必要になるガラスは先生が全部探して、選び出してくださいました。
まず最初には、デザイン画が描かれた型紙に、モザイクガラスを並べることから始まります。
間違えないように夢中で並べていまして、写真を撮るどころではありません。うしろから、先生が厳しい目で見ています。「そこ違うわよ!」
ガラスも、よく見ると形が整っていないものもあるので、生意気にも選別して形良いものを集めちゃいました。
型紙通りにモザイクガラスを並べたら、それをランプシェードの上にひとつひとつ移して貼り付けます。
貼り始めの位置は目見当なので、先生がやってくださいました。
この作品で使用したモザイクガラスは、ピンク、ブラウン、濃紫、透明、ミラーの5種類でした。ひし形と三角形を使い分けています。
疲れてきたら友人と交代して、休まず製作します。
2時間以上経過したでしょうか。一緒にスタートしたお客さんが、ランプを仕上げて帰って行きました。
(速いわーーーー!汗)
「あのかたは、3個目の製作なんですよ」と先生がおっしゃいました。
シリンジに入った専用ボンドを塗りながら、貼り進めます。
場所ごとにモチーフが異なるので、その度に先生が要領を教えてくださり、その真似をして絵柄を整えて行きます。
モザイクガラスを全部貼り終わったところで、最後にビーズをまぶして仕上げます。
ここまで来ればあと少し!
いう事を聞かないビーズをパラパラこぼしながら、最後のすき間を埋めて行きました。
ボンドは生乾きで、いじり回すとモザイクガラスがズレてしまいますが、とりあえず製作終了ということで、照明を入れて見せてくださいました!
想像通り、いや想像以上の出来映えに、友人もわたしも歓喜のあまり拍手がとまりません!
けれども、これで完成ではないのです。
大事な工程が残っていまして、このランプ全体に石膏を塗って、モザイクガラスの間の細い隙間を完全に埋めて固めるのだそうです。
そして石膏が乾いたのちに、余分な石膏を落とし、全体をよく磨き上げてやっと仕上がるということでした。
この工程は先生にお任せで、今日のボンドが固まったら後日やってくださるるということで、最終的に金具や配線ソケットなどを取り付けたものを、宅配便で送り届けてもらうのです。
(友人と2人の合同製作というより、先生と3人の共同製作だな…)
まあいいでしょう。
トルコランプの送り先住所欄に、友人の新居の番地を記入して、配達されるのをワクワクしながら待つばかりとなりました!
ちなみに、‥‥彼女が建てた家は、一人暮らし用の小さなものでした。
子どもを2人産み育てましたが、その子達もすっかり大人になって結婚独立。そして、長年のあいだ形ばかりの夫婦だった夫と離婚して、彼女はやっと静かに落ち着ける終の住処を得たと、わたしに語ったのです。
そんな彼女の、これからの日々の暮らしを、2人で作ったトルコランプが明るく照らして彩ってくれるようにと、わたしは思いっきり祈りを込めておきました。笑
彼女の人生が、これからもますます(ランプみたいに)輝きますように!!
(おしまい)
トルコランプ制作体験にご興味をお持ちの方は、
神奈川県近郊でしたら「茅ケ崎らんぷ亭」へどうぞ!
その他、全国各地に同様のワークショップがあるようです。