【NR限定構築】広がれ月光の輪
はじめに
こちらの記事は外国のマスターデュエルプレイヤーが作成した、
NoRichesという制限リストを元に遊んでいる方向けとなっています。
あしからず!
皆様、ご無沙汰しております。
さて、私が身を置いているNRの環境では、先日行われた「第6回真佐杯」や、
ほとんど毎日開催されている「NRJP」などの大会が開催されており、
私も連日楽しく参加させていただいています。
大会を企画・運営をしてくださっている皆様には頭が上がりません。
いつもありがとうございます。
それらの大会で主に私が使っているデッキがこちらの
いわゆる【月光鉄獣】と呼ばれているデッキです。
このデッキは非常に動きが面白く、中々強いはずですが、
使用者が少なく、まだまだ研究が進んでいないと感じています。
そこで、この記事ではデッキの動きや強みを説明させていただき、
あわよくば使用者が増えればいいなと思います。
NoRichesの新制限も発表され、どのデッキを握ろうかと考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事ではそんな0からの状態でもわかりやすいような説明を心がけますので、
是非最後までご覧下さい。
デッキの根幹を覚える
【月光鉄獣】の名を冠するのでやはりデッキの大半は月光ームーンライトーと鉄獣ートライブリゲードーが占めます。
ここでは、それぞれのテーマの主なカードを全く知らない方向けに軽く説明をします。
効果を知っているよという方は読み飛ばして頂いて構わない内容です。
~ムーンライト編~
まずはデッキの顔となる【月光】側のカードです。
NRで使用できるのはEX1種を含むモンスター10種、魔法罠3種の計13種類。
その全てに採用価値があります。
メインデッキのモンスターはほぼ全てが闇属性・獣戦士族で、
レベルが2~4,6と別れていますが、主力となるのはレベル4です。
それでは1枚づつ紹介します。
《月光黒羊》
手札から切ることで《融合》をサーチする、もしくは
「ムーンライト」モンスターをサルベージする①の効果と、
融合素材になった場合にEXの表側、もしくは墓地の「ムーンライト」モンスター1枚を手札に加える②の効果を持っています。
①の効果は後述の《月光彩雛》と組み合わせて、実質サーチとして使う事ができ、
アドバンテージの損失無く即座にムーンライトを墓地に溜められる点も強いです。
②の効果は、融合素材になった場合のみと少々発動機会は限られますが、融合で失ったアドバンテージを即座に回収でき優秀です。レベルは2。
《月光白兎》
召喚時に墓地の「ムーンライト」1体を守備表示で特殊召喚する①の効果と、
このカード以外の「ムーンライト」カードの数まで、相手の場の魔法罠を手札に戻す②の効果を持っています。
こちらも①②の効果共に優秀です。レベルは2。
《月光紫蝶》
自身を手札・場から墓地に送って場の「ムーンライト」モンスターの攻撃力を1000アップする①の効果と、
墓地の自身を除外して、手札から「ムーンライト」モンスターを特殊召喚する②の効果を持っています。
①②の効果共にあまり使用する頻度は高くありませんが、
後述の《月光彩雛》のおかげでデッキから墓地に送ることは容易なので、
1枚は採用したいカードです。レベルは3。
《月光蒼猫》
自身が特殊召喚に成功した場合に、自身以外の「ムーンライト」モンスターの攻撃力を元々の倍にする①の効果と、
自身が破壊された場合に「ムーンライト」をリクルートする②の効果を持っています。
①の効果はこのデッキで勝つ上では重要な効果で、②もあって困らない効果となっています。レベルは4。
《月光紅狐》
自身が効果で墓地に送られた場合に相手の場1体の攻撃力を0にする①の効果と、
自分の場の「ムーンライト」が対象になった時に、墓地の自身を除外して、その発動を無効にしつつお互いが1000LP回復する②の効果を持っています。
基本的には妨害対策のため、②の効果を目当てにデッキから墓地へ送られることが多いカードですが、
①の効果を使ってワンターンキルを狙うこともあります。レベルは4。
《月光彩雛》
デッキ・EXデッキから「ムーンライト」モンスターを墓地へ送る①の効果と、
自身が効果で墓地へ送られた場合に「融合」をサルベージする②の効果。
そして自身が除外されたターンのBP中に相手の効果の発動を封じる③の効果を持っています。
①の効果は名称指定のターン制限が無く、コストで墓地へ送るので効果が無効になっていても問題ないため、非常に強力です。
この効果のおかげでデッキ内の「ムーンライト」モンスター全てにこのカード1枚で触れることができます。
②の効果も手札の損失を抑える有用な効果であり、
③の効果は、勝利を確実にする上で重要な役割を果たします。
このデッキの根幹と言っていいカードです。レベルは4。
《月光翠鳥》
召喚・特殊召喚時に手札から「ムーンライト」を効果で墓地に送って1枚ドローする①の効果と、
自身が効果で墓地に送られた場合に、レベル4以下の「ムーンライト」を効果無効・守備表示で蘇生または帰還させる②の効果を持ちます。
①は効果で墓地へ送るので、一部「ムーンライト」の効果を使う事ができます。ドロー効果はこのカテゴリ唯一の運が絡む要素です。祈りましょう。
②の効果は効果無効での特殊召喚となる点は要注意です。レベルは4。
《月光黄鼬》
手札・墓地に存在する場合に、フィールドの「ムーンライト」カードを手札に戻して自身を守備表示で特殊召喚する①の効果と、
自身が効果で墓地へ送られた場合に「ムーンライト」魔法罠をサーチする②の効果を持っています。
①②の効果共に優秀で、このカードもデッキの根幹を成すカードです。
レベルは4。
《月光狼》
Pモンスターで、場での効果は「ムーンライト」モンスターにいわゆる”貫通”を付与する効果。
P効果として場か墓地の「ムーンライト」を除外して融合をする効果を持っています。
P効果に名称指定のターン制限が無い点や、
ノーコストで場に「ムーンライト」カードを出すことができるため、
《月光黄鼬》との相性が特に良いカードです。
場での効果を活かす事は滅多にありませんが、
P効果が勝利に直結しています。光属性でレベルは6。
《月光舞猫姫》
「ムーンライト」×2の素材で出すことのできる融合モンスター。
他の「ムーンライト」1体のリリースを発動コストに、
相手のモンスターはそれぞれ一度だけ戦闘で破壊されなくなり、
自身が全ての相手モンスターに2回ずつ攻撃できるようになる。
という②の効果と、自身の攻撃宣言時に相手に100ダメージを与える③の効果を使って、フィニッシャーとなるカードです。
戦闘破壊されないという①の効果も消耗戦になった際には強く働きます。
《月光香》
墓地から「ムーンライト」を蘇生する①の効果と、
自身を墓地から除外することと、手札一枚をコストに、
「ムーンライト」モンスターをサーチする②の効果を持つ通常魔法です。
「ムーンライト」の名を持たないのでサーチはできませんが、
①②の効果共にターン1の制限が無く、
引けば引くほど強いと言っても過言ではないカードです。
②の効果で捨てる際に、”効果で墓地へ送られた場合”の効果は発動しません。
《月光輪廻舞踏》
自分の場のモンスターが破壊された場合に発動ができ、
「ムーンライト」モンスターを2枚までサーチできる効果の通常罠です。
能動的に破壊できないと少し受け身な発動条件が気になりますが、
それでも手札が2枚増える効果は強いと思います。
破壊されたモンスターの種類を問わない点も使い勝手が良いです。
《月光黄鼬》でサーチできる1枚。
《月光小夜曲舞踏》
融合モンスターが自分の場に融合召喚された場合の①の効果と、
自分のMP1中に墓地の自身を除外し、手札1枚を墓地に送ることで、
「ムーンライト」モンスターをリクルートする②の墓地効果を持つ永続罠です。
①の効果は基本的には使わず、②の効果を目当てに採用されるカードです。
②で墓地へ送ったカードは、”効果で墓地へ送られた場合”の効果を使うことができます。
ですが、当記事では便宜上②で手札から捨てるカードを「コスト」と呼称します。
こちらも《月光黄鼬》でサーチできます。
以上がデッキ名の【月光】側の紹介となります。
続いて【鉄獣】側の紹介
~トライブリゲード編~
続いてトライブリゲード関連の紹介。
現在のNRで使用できる、トライブリゲードを冠するものは、
EX1種を含むモンスター4種、魔法罠4種の計8種類。
他、カテゴリ外ですが、サポートとしてEXに1種となっています。
トライブリゲードの共通効果として、墓地の獣・鳥獣・獣戦士を除外し、
除外した数と同じリンク数を持つ獣・鳥獣・獣戦士のLモンスターを特殊召喚する効果を持っています。
採用率などの関係で、全てのカード解説はしていません。あしからず。
《鉄獣戦線 ナーベル》
墓地に送られた場合に、《鉄獣戦線 ナーベル》以外の
「トライブリゲード」モンスターをサーチする効果を持ってます。
月光側で手札コストを要求するカードが多く、
その損失を抑えることもできるため地味に重要なカードです。
《鉄獣戦線 ケラス》
手札の獣・鳥獣・獣戦士をコストに手札から特殊召喚できる効果を持っています。
手数を増やす上で特殊召喚できるというのは強力で、
特殊召喚のコストでは月光の効果は発動できませんが、
墓地に送ることがメリットになる場合も多いです。
しかし、このデッキは手札1枚の重要性が非常に高いので、運用には慎重さが必要です。
《鉄獣戦線 フラクトール》
手札・場の自身を墓地に送って、デッキからレベル3以下の獣・鳥獣・獣戦士を墓地に送る効果を持ちます。
ナーベルを送ってケラスや2枚目のフラクトールを加えるのはもちろん、
《月光紫蝶》を送って手札の月光を特殊召喚したり、
《月光香》の蘇生対象を用意したりします。
The・潤滑油なカード。
《鉄獣の戦線》
②の効果で、手札か場のモンスターをコストで墓地へ送り、送ったモンスターとは別の種族の「トライブリゲード」モンスターをサーチするという効果を、主に使用する永続魔法です。
毎ターン使えるため、継続して鉄獣を供給できるのは強力ですが、
EXデッキから出せるモンスターに縛りが付くデメリットがあります。
《鉄獣の死線》
自分の場に獣・鳥獣・獣戦士が特殊召喚されると、
除外されている「トライブリゲード」モンスターを回収することができる①の効果と、
自分の「トライブリゲード」モンスターが戦闘を行ったモンスターを手札に戻すことができる②の効果を持つ永続魔法です。
リソースを恒久的に得られる①の効果が強力で、
②の効果も厄介な相手モンスターを自爆特攻で処理したり、
殴り返しを躊躇させる優れた効果を持っています。
《痕喰竜ブリガンド》
《決戦のゴルゴンダ》
《痕喰竜ブリガンド》は③の効果で、墓地へ送られたターンのEPに
「トライブリゲード」モンスターをサーチ、もしくはリクルートする効果を持っています。
単体では機能しませんが、《決戦のゴルゴンダ》の②の効果の、
自分の場のカードが破壊される場合に代わりとして送ることで活用ができ、併せて採用されています。
以上で鉄獣側の紹介も終わりです。
デッキ名を冠するカテゴリ二つの紹介で、
大まかなデッキの形は掴めてきたのではないでしょうか。
それではもう少し踏み込んだ内容へGO!!
デッキの構築をする
このデッキを使う上で重要な考えがあるので、
まずはそちらを少し書きます。
☆勝利から逆算する
突然ですが、この【月光鉄獣】というデッキの一番の「勝ち筋」は何か。
皆様は想像できるでしょうか。
いきなり正解を言ってしまうと、
②の効果を発動した《月光舞猫姫》に《月光蒼猫》の①の効果を適用し、
実質攻撃力4900で相手のモンスターをめっちゃ殴る……。
これが明確な「勝ち筋」となっています。
(以降この動き自体を「勝ち筋」と表記します)
これにより、相手の場に2体の攻撃表示モンスターが存在していて、
その総攻撃力が5800以下であれば、ワンターンキルが達成となります。
では、「勝ち筋」を達成するためには何が必要でしょうか。
まずは、《月光舞猫姫》を融合召喚するためのカード、
このデッキでは主に《月光狼》か《融合》が必要です。
これらを今後「カードA」と表記します。
そして《月光蒼猫》の①の効果を使用するために、蒼猫を特殊召喚するカード、
これは私の構築上では
《月光紫蝶》,《月光白兎》,《月光香》,《月光小夜曲舞踏》,《クロシープ》
の5枚のいづれかが必要です。
これらを今後「カードB」と表記します。
「カードA」と「カードB」が上手く揃えば、「勝ち筋」へと到達できます。
この「勝ち筋」にどのように到達するかを逆算しながら、
まずはデッキを組み上げていきます。
考察①【月光鉄獣】とは「融合」デッキなのか?
はい、《月光舞猫姫》がフィニッシャーなので融合デッキです。
……ということではなく、ここで考察したいのは魔法カードの
《融合》を使うデッキなのかということです。
この記事の最初にお見せしたリストを見て、
「月光なのに《融合》が少ないな」と思われた方もいるでしょう。
実際に私も構築で悩んだ部分が、《月光舞猫姫》を出す方法として
《融合》を使うのか、《月光狼》を使うのかという部分です。
どちらを使うにしてもそれぞれ利点があり、
《融合》を使う場合は、《融合》自体を月光内でサーチするカードがあり、
素材となった各月光達の効果を使うことができます。
《月光狼》を使う場合は、墓地だけで融合召喚することができますが、
素材となった各月光達の効果を使うことはできません。
どちらも優劣をつけ難いのでここで「勝ち筋」への到達枚数で考えてみます。
《融合》を用いた場合は、
《融合》・「月光」2体・カードBの計4枚を必要とします。
融合を行った後に各々の月光の効果が発動し、最終的にアドバンテージを獲得できますが、どうしても最初に4枚のカードが必要です。
《月光狼》を用いた場合は、
《月光狼》・カードBの計2枚が必要です。
もちろん墓地に月光が必要なので、2枚だけというのは少々強引ですが、
こちらの方が必要となる枚数が少ないです。
この必要枚数の違いから、私の構築では《融合》による、
《月光舞猫姫》の特殊召喚は諦めることにしました。
この書き方だと《融合》が劣っているように見えてしまいますが、
「魔法カードの発動」という、止めづらい要素で月光の効果が発動出来たり、
《月光白兎》や《月光輪廻舞踏》のように月光の枚数を2枚に増やす効果で必要枚数を補うことができたりと、全く劣っている要素は無いと思います。
《融合》を用いる場合は上述のカードを多く採用すれば問題ないので、
ぜひ皆様で構築の違いを試してみてください。
考察②【月光鉄獣】とは「鉄獣」デッキなのか?
【鉄獣】というデッキはカテゴリでの動きに必要な枚数がメインデッキ内に少なく、非常にフリースロットが多いです。
それを踏まえて、【月光鉄獣】を最初に組むに当たって、
私が参考にしたデッキリストを紹介します。
制限改訂の関係で現在は参考にできませんが、鉄獣要素が重用されており、
「爆発力を求めて「月光」をフリースロットに採用した【鉄獣】」
というものが設計思想なのではないかと伺えます。
対して私の最新リストがこちら。
私の構築では月光が占める割合が多くなっており、
鉄獣要素は《小法師ヒダルマー》を出して罠を踏みに行くことや、
リンク値を伸ばす役割、特定の月光を墓地へ送ることなど、
どちらかと言うと【月光】での動きを通すための役割となっています。
詳しくは後述しますが、「勝ち筋」へ到達するための月光要素は、
実は多くのスロットを割く必要はなく、
空いたスロットで鉄獣要素を濃くすることも可能です。
どちらの要素を濃くしても問題なくデッキは回ると思います。
【鉄獣】に「月光」を加えたものなのか、
【月光】に「鉄獣」を加えたものなのか、
皆様の好みによって調整してみてください。
これらの考察①②を踏まえて構築をしていくのですが、
実際の動きがあった方が採用枚数などで迷いにくいと思いますので、
次は実際の動きや、戦局の流れを紹介します。
デッキの動きを覚える
大層な見出しを打ち出しましたが、実際はこのデッキに決まった動きはあまり無く、アドリブ力が要求されます。
ただ、「勝ち筋」を常に意識して動かすことで迷子にはなりにくいです。
それを念頭に、戦局の流れを説明します。
「カードA」にアクセス
まずは《月光舞猫姫》を出すための「カードA」を集めます。
月光を手札に加える手段があれば、《月光狼》はもとより、
《融合》も《月光黒羊》を手札から捨てることでサーチができます。
月光のサーチ手段として《月光香》の墓地効果がありますが、
他にも方法があるので画像を作ってみました。
画像の動きで、デッキ内の月光を誰でも手札に加えることができます。
画像上では蘇生を《月光白兎》が行っていますが、
《月光香》やレベル4以下なら《月光翠鳥》でも可能です。
サルベージには戦闘や相手ターンを介しますが、EXデッキの
《小法師ヒダルマー》と《鉄獣戦線 銀弾のルガル》も行えます。
このような方法を用いて、まずは「カードA」を集めていくのが、
戦局の初端となります。
「カードB」にアクセス
無事「カードA」を引き《月光舞猫姫》を出せるようになったので、
続いては「カードB」を集めるのが次の目標です。
「カードB」については以下の
《月光紫蝶》,《月光白兎》,《月光香》,《月光小夜曲舞踏》,《クロシープ》
の5枚です。
これらについてはどこから《月光蒼猫》を特殊召喚するかが異なるため、
《月光蒼猫》がどこにいるかによって集めるカードを変えることが重要で、まずはここでアドリブ力が試される部分となります。
実際の集め方ですが、
《月光香》に関しては素引きが前提なので割愛します。
《月光白兎》を手札に加える方法に関しては、
先ほどの画像を参考にしてください。
《月光紫蝶》の特殊召喚する効果は墓地で発動するので、
《月光彩雛》や《鉄獣戦線フラクトール》で墓地へ送ればOKです。
《月光小夜曲舞踏》に関しては《月光黄鼬》の②の効果でサーチができます。
サーチのために、このデッキでは重要なカードがこちらの
《外神ナイアルラ》というXモンスターです。
このモンスターの②の効果で取り除くX素材は、月光の「効果で墓地へ送られた場合」の発動条件を満たすため、
《月光黄鼬》を含むレベル4モンスター2体を並べることが、《月光小夜曲舞踏》のサーチと同義と言えます。
最後に《クロシープ》ですが、こちらはシンプルで、
名称の異なるモンスター2体を並べる、
もしくは、鉄獣の共通効果を使って出すことになります。
出すことの容易さと、特定の引きに依存しないことから、
実戦での「勝ち筋」を目指す際にはこのカードを最も多く使います。
今までの解説を意識しながらデュエルを進め、
「カードA」「カードB」が共に揃った場合には、
「勝ち筋」を通すために他の全てのリソースを注ぎ込み、勝利する……
というのが【月光鉄獣】の基本的な戦局の流れです。
そして、この「勝ち筋」を通すための動き
というものがこのデッキを使う上で最も重要な事で、前述したアドリブ力が試される部分となります。
もう少し具体的に言うと、
相手の場に不明なセットカードが1枚でもある場合は、愚直に「勝ち筋」を狙いにいくのではなく、
そのセットカードを使わせる、もしくは破壊することに全力を尽くす。
という考えを念頭に置くことが必要です。
ルート紹介
最後にルートを紹介して終わります。
長くなってしまうので以下の略称を使います。
通常召喚=NS
特殊召喚=SS
エクシーズ召喚=XS
リンク召喚=LS
効果発動=ef
手札コスト=:
《月光小夜曲舞踏》②のコストに特に記載が無い場合は何でも可の時です。
⑴《月光彩雛》+《月光香》+コスト1枚
まずは要求される手札の種類が少ない「勝ち筋」へ到達するルートです。
このルートで使う月光の種類は、メインデッキに6種類だけで問題ないため、前述した「鉄獣」要素を濃くする場合にも問題なく使う事ができます。
「カードA」と「カードB」を集めていく過程もざっくりと分かるかと思います。
《月光彩雛》NS,①ef→《月光黄鼬》墓地へ
|
《月光香》①ef→《月光黄鼬》SS
|
《月光彩雛》と《月光黄鼬》で《外神ナイアルラ》XS(墓地にモンスターがいなければ①efでモンスターを墓地へ)
|
《外神ナイアルラ》②ef→《月光黄鼬》②ef→《月光小夜曲舞踏》サーチ
|
《月光香》②ef:《月光小夜曲舞踏》→《月光狼》サーチ
ここまでで盤面はこのような状態になっています。
「カードA」の《月光狼》が手札にあり、墓地に月光が2体。
「カードB」の《月光小夜曲舞踏》も墓地にあるので、「勝ち筋」に到達している状態です。
もちろんこのまま終わらせてもいいですし、《月光黄鼬》の①をまだ使っていない事や、場の《外神ナイアルラ》が余っているので、展開を延ばすこともできます。
ここから、「勝ち筋」を維持しつつ私が良く使う派生の展開としては
《月光小夜曲舞踏》②ef→《月光彩雛》SS
|
《月光彩雛》①ef→《月光蒼猫》墓地へ
|
《月光狼》P貼り→《月光黄鼬》①ef《月光狼》バウンスしてSS
結果的には盤面が画像のようになります。(ルート⑴´)
この場合は《月光蒼猫》が墓地にいるため、「カードB」として《クロシープ》を使います。
場には3体のモンスターがいるため、ランク4XSやLSを一回挟む余裕がある状態です。
その際《月光黄鼬》はL素材になると除外されてしまうため、墓地の月光が足りなくなるという事態にならないように注意しましょう。
⑵《月光翠鳥》+《月光小夜曲舞踏》+《月光狼》
一見すると最初から「カードA」と「カードB」が揃っている状態です。
しかし《月光狼》に必要な墓地の月光が足りない場合、
《月光小夜曲舞踏》で《月光蒼猫》をリクルートして終わり。…とはなりません。
動きの中で効率良く墓地を肥やす方法のルートです。
《月光翠鳥》NS,①ef:《月光小夜曲舞踏》
|
《月光小夜曲舞踏》②ef→《月光彩雛》SS
|
《月光彩雛》①ef→《月光黄鼬》墓地へ
|
《月光翠鳥》と《月光彩雛》で《外神ナイアルラ》XS
|
《外神ナイアルラ》②ef→《月光翠鳥》②ef→《月光彩雛》SS
|
《月光彩雛》①ef→《月光蒼猫》墓地へ
|
《月光彩雛》と《外神ナイアルラ》で《クロシープ》LS
これで「カードA」の《月光狼》と墓地に月光2体。
「カードB」である《クロシープ》と、墓地に《月光蒼猫》を用意できました。
このルートでは《月光黄鼬》の①を使っていないので、
《外神ナイアルラ》の②の際に他に墓地にモンスターがいれば、
《月光狼》と《月光黄鼬》の組み合わせで
ルート⑴´と同じ盤面を作ることができます。
⑴と⑵のルートでは、最終的に《月光彩雛》で《月光蒼猫》を墓地へ落としながら、他のモンスターと合わせて《クロシープ》をLSするという動きをしています。
《月光彩雛》+モンスター1体で「カードB」の役割を果たすことは、
他の動きの際にも応用できるので覚えておいて損は無いです。
また、「勝ち筋」の弱点として、
『相手の場に攻撃表示のモンスターが少ない』
というケースがあります。
基本的に「勝ち筋」を達成した後に盤面を延ばすことは、
オーバーキルになりがちですが、上記ケースの場合、
《ペンテスタッグ》を出すことで解決が見込める場合があります。
そのことを意識して《月光舞猫姫》の出す位置は良く考えましょう。
続いて先攻でのルート紹介。
【月光鉄獣】は基本的には先攻を取るデッキです。
理由としては、パーツ集めに妨害を当てられたくないということが1番ですが、パーツを集めながら妨害をある程度構えられるというのも大きな理由です。
具体的な盤面としては
《ヴェルズ・ナイトメア》+《外神ナイアルラ》
を目指します。
《ヴェルズ・ナイトメア》による2妨害と、《外神ナイアルラ》のX素材によってはアドバンテージを稼げる非常に有利な盤面です。
⑶《月光彩雛》+《月光香》+コスト1枚
どこかで見た手札ですね。
はい、⑴の手札と全く同じです。素引き前提とは言え《月光香》のパワーが高いことが伺えるのではないでしょうか。
そして展開自体も
《月光彩雛》NS,①ef→《月光黄鼬》墓地へ
|
《月光香》①ef→《月光黄鼬》SS
|
《月光彩雛》と《月光黄鼬》で《外神ナイアルラ》XS(墓地にモンスターがいなければ①efでモンスターを墓地へ)
|
《外神ナイアルラ》②ef→《月光黄鼬》②ef→《月光小夜曲舞踏》サーチ
|
《月光香》②ef:《月光小夜曲舞踏》→《月光狼》サーチ
こちらの画像までと全く同じです。
ここから
《月光小夜曲舞踏》②ef→Lv.4月光SS
|
《月光狼》P貼り→《月光黄鼬》①ef《月光狼》バウンスしてSS
|
Lv.4月光と《月光黄鼬》で《ヴェルズ・ナイトメア》XS
ここでリクルートするLv.4月光は《月光翠鳥》をリクルートしてドローを進めてもいいですし、
《月光彩雛》をリクルートして月光の墓地肥しをしてもいいでしょう。
個人的には《月光彩雛》をリクルートして《月光蒼猫》を落としておくと、
盤面が返されずに帰ってきた際に《月光狼》の「カードA」と、
盤面2体で《クロシープ》、そして墓地に《月光蒼猫》がいる状態の「カードB」が既に揃い、
「勝ち筋」が達成できるのでベターではないかと思います
《月光狼》の融合素材もX素材になっているので捻出は容易です。
⑷《月光翠鳥》+《月光小夜曲舞踏》+墓地にモンスター
こちらは⑵の手札と似ています。
なので展開も《外神ナイアルラ》を出す部分までは同じです。
《月光翠鳥》NS,①ef:《月光小夜曲舞踏》
|
《月光小夜曲舞踏》②ef→《月光彩雛》SS
|
《月光彩雛》①ef→《月光黄鼬》墓地へ
|
《月光翠鳥》と《月光彩雛》で《外神ナイアルラ》XS(墓地にモンスターがいなければ①efでモンスターを墓地へ)
ここで⑵の際には《外神ナイアルラ》の②で《月光黄鼬》を素材にしていましたが、今回は《月光黄鼬》の①をすぐに使いたいのでそれを避けます。
《外神ナイアルラ》②ef→《月光翠鳥》②ef→《月光彩雛》SS
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《月光彩雛》①ef→《月光紫蝶》墓地へ
|
《月光黄鼬》①ef→《月光彩雛》バウンスしてSS
|
《月光紫蝶》②ef→《月光彩雛》SS
|
《月光彩雛》と《月光黄鼬》で《ヴェルズ・ナイトメア》XS
盤面は画像のようになり、「カードA」「カードB」ともに無い状態です。
少ない手札消費で硬い盤面を作れますが、勝利には直結しません。
そのため、《外神ナイアルラ》のXSの際に《月光彩雛》をバウンスし、
《月光黄鼬》をSSしておき、《月光翠鳥》とXSすることで、
《月光小夜曲舞踏》のサーチをするといった動きにしても良いかもしれません。
その際《炎舞ー「天枢」》や《月光紫蝶》を墓地へ送るカードが手札にあれば、
戻した《月光彩雛》を再度展開し、《月光翠鳥》の②でSSされている《月光黄鼬》と《ヴェルズ・ナイトメア》をXSすることも可能です。
ルートの紹介は以上になります。
少しだけ先攻展開について、私見込みの余談を書きます。
先攻での展開としては、例えば
《月光彩雛》+《月光狼》or《炎舞ー「天枢」》or《月光紫蝶》を墓地へ送るカードがあれば《ヴェルズ・ナイトメア》を出すことができます。
しかし、このデッキは性質上妨害を立てて相手に付き合うより、
パーツを集めていち早く「勝ち筋」への到達を目指す方が良いのではないかと考えています。
なので上記のようなパーツが揃った場合には、
妨害は一切できませんが《外神ナイアルラ》をXSして、
《月光小夜曲舞踏》をサーチするという動きも間違いでは無いと思います。
ただ、勝率などのデータが一切ないので判断は皆様にお任せします。
おわりに
まずはここまでの長い記事を読んでいただき、お疲れ様でした。
できるだけ噛み砕いた内容を目指したのですが、いかがだったでしょうか。
それぞれのカードを全く知らない人向けに、最初にカード説明を書いた方が良いかと思ったのですが、
結果的に文量が多くなってしまい、却って読む気を失くしてしまったらすみません。
反省はさておき、この記事を読んで、月光を使いたいと思う人が少しでも増えれば良いと思います。
そして一緒にルートの開拓などをしていただければと思います。
改めてとなりますが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
また、月光の解説記事を待っていると暖かいお声をかけていただき、ありがとうございます。
需要があるかは分かりませんが、次はこのデッキの採用カードに関して、
もう少し詳しく解説する記事を出せたらと思います。
それでは皆様、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…