私もなりたかった
忘れられない言葉がある。
「私だってアニメーターとか漫画家になりたかった!でも諦めたの!!下手だって分かってたし!!」
もう二度と会うこともない、旧友からの声だ。
アニメーターで食っていけなかったよ。という私の話に、彼女はこう答えた。
動画時代、原画に上りたくて7〜8万稼ごうとした時は家にほとんど帰らなかった。帰れなかったが正しい。
アニメーターは極論、絵が描けなくてもセンスがあればやっていける。この事実はあまり知られていないが、本当だ。なので、彼女の下手〜のくだりは少し違和感を持った。
私は高校の仲良しオタクグループで1,2を争って絵が描けた。努力の結果だし、書きに書いた。2週間に一度は無印のお絵描きノートを新しくするくらい、描いた。これらは実家にたんまりと山を作っている。ルックバックみたいに。
彼女はというと、そういったノートも無く、授業中にちょっとノートの端に描く程度だった。
なので、学生時代は「描くの好きじゃないのかな」と勝手に思っていた。
泣きながら絵の仕事がしたかったと叫ばれても、それに見合った正しい努力とセンスがなければ終わりなのだ。
私もアニメーターになりたかった。原画でバリバリにキャラを動かして、エフェクトも楽しんで、そんな生き方がしたかった。センスが欠けていた。駄目だった。
どれだけ右手の小指が真っ黒になるまでデッサンしても、クロッキーをやっても、駄目な時は駄目なのだ。
今私はどうしたらいいのかわからない状態でいる。
何が正しいのか、何を指標とすべきなのか、わからない。
早めに答えを見つけたい。
それが納得のいくものであると、嬉しい。