bite the dust

姉は正道の人だ。そしてそれで私はたくさん傷ついてきた。身体的にも、精神的にも。
私は捻じ曲がっているから、真っ直ぐに歩けない。
そんな私を見て姉は、自己管理のできないダメな人間だと思う。
そして私が助けを求めると、論理的にダメだから無理、正しい行いだと思えないから却下、と手を取ってくれたことはない。
少し遠めの親戚に助けを求めた時、聞きつけた姉が「そんなのさせないから」と言い、結局親戚に相談出来なかった。なぜ。なぜ助けを求めることを許してくれないのか。

高校生の頃、初めて助けを求めた。夜に眠れない。辛いと。そうすると姉は、思春期だからでしょ。と話を聞いてくれなかった。ひどく傷ついた事は覚えている。

今日も、祖父の残したマンションに移り住めないか聞いたが、「アンタは前にマンションに住みたくないって言ったやん、住めるわけないでしょ」と全否定された。
マンションに住みたくないと言った理由は単純で、シャワーのぬるさと水圧の低さ、浴室乾燥の弱さなど、経年劣化の部分だった。別に何かを乏したり、傷つけている訳ではない。
そしてマンションを断った時は、現在住んでいる場所が最寄駅の会社に勤める予定になっていたからだ。
今は祖父のマンションに住んだ方が職場に近い。
説明をしても、無駄だった。期待はしていなかった。


そんなわけで、今でも助けを求めては傷つけられている。
助けを求めなきゃいいのに、唯一の血族だから話してしまう。私は馬鹿だ。こんな馬鹿、死ねばいいのに。だから、バイツァダスト。負けて死ね。

猫は裏切らないね。辛い時、そばに居てくれる。顔をベロベロに舐めて、頭をぐりぐりと顔に押し付ける。優しい。
もう姉を信じたくない。気持ちを話したくない。傷つけられるだけだもの。
精神科の先生が言う通り、財産分与が終わったらそっと着拒するつもりだ。自殺未遂した理由、きっと永遠に理解されない。
さよならと言うのも怖い。いつのまにか消えていた、くらいの距離感にしたい。
当てつけにリストカットの画像を送ったのは当たりだった気がする。こんなものじゃ、全然自傷癖への理解は足りないけれど。
深すぎた傷なので、縫ったのは良かった。
少しの間、LINEの文面が優しくなったが、それも3日も経てばいつも通りの厳しい言葉が飛んできた。
以前言われた、
あんたに飼われてる猫がかわいそう、
あんたは病気を言い訳にしている。

このふたつの言葉はずっと覚えておく。

姉の顔面に手帳を叩きつけたくなった。
目の前で腕を切り刻みたかった。
アンタは自分で自分をカタワにさせたいの!?と叫ばれたが、左腕なんて使えなくなってもいい。
深く切り過ぎて腱を切った人を知っているが、力が入りにくくなる程度らしい。それならいいかな、と思っている。
右腕が動けば、右手が動けば、絵が描けるし、大抵の仕事はできる。

友達も少なくなり、片手で足りる。今更増やす気もない。お別れがしんどいからだ。たくさん傷つく。
猫さえいればいい。
タコピーのしずかちゃんの、チャッピーみたいに。
チャッピーがいれば、どんな辛いことがあっても平気なの。そう言いたい。

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