eBayセラー向けドイツ包装法の対応方法
※現在有料マニュアルの販売は停止中です。ドイツ発送を検討中のeBayセラーの方向けに、無料部分のみ残してあります。
このノートでは、eBayセラー向けに、2022年7月よりドイツへの発送に必須となった包装法の対応法を紹介しています。
前半は無料、後半は有料です。
ご自身で英語(もしくはドイツ語)サイトでの登録・購入などの作業に抵抗がない方は、無料部分を読むだけでドイツ包装法への対応方法がわかります。
非常にわかりにくいのですが、LUCIDに登録してIDを取得するだけでは、包装法の求める要件は満たせません。ID取得後、ドイツのデュアルシステムパートナー企業と契約し、その内容をLUCID内にて宣言することが必要です。
当ノート後半では、これら一連の手続きに関して、具体的に使用するサイトとそのスクリーンショットを使って、すべて詳細に解説します。有料になりますが、英語に自信のない方や、包装法について調べるのに疲れてしまった方、時間をかけたくない方にとっては、すぐに役立つ内容になっています。
まずは無料部分までご覧いただいた後、当マニュアルがあなたに必要どうかをご検討ください。
このノートに書かれた手続きを行うことで、2022年7月以降もドイツへの発送が問題なくできるようになります。
多くの越境セラーがドイツ市場から撤退することが予想される中、ドイツへの発送が継続できることは、それだけで大きな武器になります。ライバルセラーがいなくなることでドイツ向けの販売を独占できる可能性も決してゼロではなく、思わぬチャンスも巡ってくるかもしれません。
ぜひ当ノートを活用して、信用あるストア運営やeBayの売上げアップにお役立てください。
ドイツ包装法に対応するために必要な手続きとは?
ドイツが求める要件に対応するには、次の3つのステップが必要です。
LUCIDへの登録(無料)
ドイツリサイクル業者との契約(有料)
LUCIDへの宣言
あなたがeBayセラーの場合は、すべての手続が完了後、LUCIDから発行されたDEから始まるLUCID IDをeBayに登録してください。これで、eBay側から包装法対応済みセラーとして認識されます。
ただし、eBayでLucid IDを登録できるのはビジネスセラー限定です。USサポートにも確認しましたが、これはeBayの仕様であり、アカウント種別がIndividual(個人)の場合、Lucid IDの入力欄自体が存在せず、登録はできません。
事前にご自身のアカウント種別を確認し、必要に応じてアカウント種別の変更を行ってください。
※現時点で、eBayは個人アカウントのドイツ販売を制限していません。LUCID IDを取得していなくてもドイツへの販売ができる状態ですが、ドイツ側が「個人ならLUCID IDがなくても良い」としているわけではないため、注意が必要です。
包装法違反には最高で20万ユーロ(日本円で2700万円以上)の罰金が課されるという厳しいペナルティがあります。個人アカウントでの販売を継続する方は、そういった点を承知のうえ、自己責任でIDの取得やドイツ発送の可否をご判断ください。
LUCIDとは、ドイツの包装登録データベースのことす。このデータベースにドイツ国内に流通する包装材の種類やボリュームをすべて登録することが義務付けられています。
その対象はドイツ国内だけではなく、海外からドイツ国内へ輸出を行う事業者も含まれており、私たち日本人セラーも例外ではありません。これから説明する手順は、LUCIDへの正しい登録作業の流れになります。
(1)LUCIDへの登録
まずはLUCIDの公式サイトへアクセスし、アカウント登録を済ませましょう。登録は無料で、費用はかかりません。
LUCIDへの登録が完了すると、DEから始まるLUCID登録ナンバーが発行されます。
今後、この登録ナンバーがドイツ包装法へ対応した業者であることの証明になりますが、ただLUCIDに登録しただけでは有効ではありません。次に説明する、リサイクル業者との契約が必要です。
(2)ドイツリサイクル業者との契約
LUCIDへの登録を有効にするためには、ドイツ国内のリサイクル業者と有料で契約を結ぶ必要があります。これは、あなたがドイツへ発送した包装材のリサイクル処理を委託するための費用だと考えてください。
契約する業者は、あなたが自由に選ぶことができます。契約といっても書類の提出等は必要なく、オンライン上で彼らが提供するライセンスを購入することで契約ができます。
このライセンス費用は、あなたがドイツへ発送する包装材の種類や量によって変わるため、事前に梱包資材の種類と、1年間で発送に使用する重量を計算しておく必要があります。
eBayではLizenzeroという企業を提携パートナーとして紹介しており、料金は年間39ユーロからです。
リサイクル業者は自由に決めて問題ないため、私たちのマニュアルでは、より安価なライセンスを紹介しています。
(3)LUCIDへの宣言
ライセンスを購入後、その契約内容をLUCIDマイページで宣言(登録)することで、ドイツ発送のための準備は完了です。
なお、ライセンスは毎年購入する必要があり、LUCIDへの登録内容も必要に応じて毎年変更しなければなりません。
契約リサイクル業者を選ぶ時は、一度契約したら終わりではなく、今後もドイツ発送を続ける限り、契約する必要があることを見越して選ぶことをおすすめします。
LUCIDへの登録、ライセンス購入によるリサイクル業者との契約、LUCIDへの宣言。この3つをすべて完了させることが、ドイツ包装法に対応するための要件です。
LUCIDへの登録方法やライセンスの購入方法をより詳しく知りたい方は、有料部分の購入をご検討ください。英語やドイツ語がまったくわからなくても大丈夫なように、3つのステップそれぞれについて、スクリーンショット付きで詳しく解説しています。
マニュアルに関するFAQ
登録代行はしていないのですか?
第三者がLUCIDの登録を代行することは禁じられています。ドイツ国内へ発送する事業者が、自身で手続きをする必要があります。
ドイツへの発送が1個しかなくても登録が必要ですか?
ドイツへ発送する荷物が1個でもあれば、必ず登録が必要です。
もしLUCIDに登録していない場合、ペナルティなどはありますか?
eBayやAmazonといった販売プラットフォームには、すべてのセラーに対してLUCID登録事業者かどうかを確認する義務が課せられています。
まだ日本語での告知はありませんが、eBayの英語サポートサイトでは、セラーがLUCID登録ナンバーをeBayに登録していない場合、ドイツからの注文をブロックすると明言しています。
LUCIDナンバー未取得でドイツに荷物を発送した場合、どんな扱いになるかは現時点ではわかりません。
登録費用はどれくらいかかりますか?
ドイツリサイクル業者のライセンスはすべて有料で、無料ライセンスはありません。LUCID提携業者はドイツ国内に複数あり、一般的には年間30~40ユーロ程度からライセンスを提供しています。
ライセンス費用はドイツ国内へ輸出する梱包資材の総ボリュームによって変わるため、一概にいくらとは言えませんが、購入自体は年間3000~4000円程度から可能です。最安値企業では、年間6ユーロから提供されています。
宣言が完了していないLUCID IDは使えないのですか?
現時点では不明です。eBayやEtsyなどのプラットフォームへの申請はLucid IDがあればよいため、ライセンス未購入、未宣言の状態でも登録自体は可能でしょう。また、登録したIDが完全に有効なIDかどうかまではチェックをしていないと思われます。
送り状へIDを記載する必要はありますか?
現時点では、DHLやFedExなどからも送り状にIDを記載するようにとの要請は出ていません。サポートに問い合わせた結果、現地からの通達もないとのことでした。そのため税関でのチェックがあるのかどうか、通関に影響するかどうかは不明です。
ECプラットフォームにはセラーがLUCID登録事業者であるかどうかの確認が義務付けられていますが、運送業者に対しては、IDの確認義務は課されていないものと推測されます。
ドイツ包装法についての解説はありますか?
なぜ登録が必要なのかを理解するために、包装法やLUCIDについて最低限の説明はマニュアルに記載しています。
ただ、当マニュアルの目的は「ドイツへの輸出を行うセラーが2022年7月以降も問題なく発送を行えること」であり、包装法を完全に理解することではありません。
そのため、LUCID及び関連サイトの全文翻訳などは付けておりませんので、あらかじめご了承ください。登録に必要な部分については、迷わずに作業を進められるよう、すべて日本語訳と解説を付けています。
eBay以外のサイトでも有効ですか?
当マニュアルの手順に沿って発行されたLUCID登録ナンバーは、eBayに限らずすべての販売プラットフォームで有効です。登録ナンバーはサイトごとではなく、事業者ごとに発行されるナンバーなので、一度発行されたナンバーはどのECサイトでも共通で使用できます。
Amazon、Etsy、Shopify、直接取引など、ドイツとの取引が発生するすべてのセラーさまに役立てていただけます。
eBay輸出研究所とは?
私たちeBay輸出研究所は、複数の現役セラーによって構成されるグループです。コンサルなどのサービス提供が目的ではなく、自分たちが越境ECを続けるための情報交換の場として生まれました。
海外輸出をするうえで避けて通れないのが発送の問題です。ですが、eBay輸出に関してリサーチや売れ筋商品の情報はあっても、発送のルールについて詳しく解説した情報はなかなか見当たりません。
ドイツの包装法と同様の法律は、実はヨーロッパ各国にすでに存在しています。今後ドイツを皮切りに、フランスやイギリスなど他の国が類似のリサイクル制度を運用し始める可能性は、決してゼロではありません。
今までにもIOSSやCEマーク問題でヨーロッパへの発送は年々難易度が上がっていましたが、今後ますますハードルが上がるかもしれないのです。
そうなった時に、セラー1人で対応できる範囲には限りがあります。かといって、eBayセラーにとって有望な市場であるヨーロッパを捨ててしまうことは、直接売上に響いてくる苦渋の決断です。
eBay輸出研究所では、現地の英語サイトからメンバーが直接情報を収集し、必要に応じて現地機関や企業にも問い合わせを行うことで、より正しく、適切な情報が得られるよう努めています。
ドイツ包装法対応マニュアルは、私たちがそうして得て、実際に自分たちで実行・確認した情報です。包装法対応に関する情報があまりにも少ないことから、今回このような形で公開することといたしました。
たとえ1人であったとしても、悩めるセラーさんのお役に立つことができれば幸いです。
それでは、以下より有料エリアとなります。ご購入いただくと続きが読めるようになり、図解入りのマニュアル全3ファイルをダウンロードしていただけます。