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要注意!DHLとFedexはここが違う

新型コロナ蔓延の影響で日本郵便のEMS・eパケット・SAL便の引き受けが制限されて以来、DHLやFedexが、eBayセラーの間で急速に拡大されてきています。

両者ともにクーリエとしては代表格の運送会社ですが、運賃テーブルの差はもちろん、その他の取引条件でも、様々に違いがあるので、整理しておきたいと思います。

運賃テーブル上は、どちらかが安い場合でも、他の取引条件が違うことで、個別にみると、送料の比較が逆転するケースもあります。

このため、取引条件の主要な違いを理解しておくことは、eBayセラーとしては重要になります。


1.運賃の差額

 私の場合は、コロナ以前からDHL社を愛用してきましたが、コロナ後にFedexさんとのお取引を始めました。

コロナ以前の数年前にFedexさんに取引打診をしたときには、法人ではなかったためか、あまり前向きに契約関係の話をして頂けなかったことがあるのですが、その後、FedexさんもeBayセラー向け割引運賃サービスの提供に前向きになられたようです。

両者の価格差は、指向先や重量帯に応じて違っているので、一概には言えませんが、それぞれ運賃テーブルを取り寄せて、いいところ取りしながら、お付き合いすることで、利用者としては最適化できるかと思います。

指向先の地域によっては、同じ重量帯でも1件につき1000円以上の差が出るところもありました。

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2.容積重量の適用条件の違い(DHL)

DHLさんでは、支給されるフライヤーに入る大きさであれば、容積重量は適用されずに、実重量のみが適用されます。

フライヤーというのは、DHLのロゴが入ったビニール袋ですが、B4とA3サイズがあります。どちらもDHLさんに依頼すれば、無料で支給される梱包資材です。

無料で支給される梱包資材は、フライヤーの他に、段ボールが各サイズで様々にありますが、段ボールで発送する場合は、実重量と容積重量それぞれを比較して、重たいほうの重量で、運賃が決まります。


3.容積重量の適用条件の違い(Fedex)

Fedexさんを利用する場合に、容積重量が適用されないようにするためには、Fedex支給の専用梱包資材を利用することが条件になっています。

Fedexさんでは専用ビニール袋を、フライヤーと呼ばずに「Fedex Pack」と呼び、段ボールを「Fedex Box」と呼んでいます。さらに、Fedex Envelopeという封筒もあります。

容積重量計算を回避できるのは、DHLさんではフライヤーに限定されていましたが、ではPack(DHLのフライヤーに相当)に限定されません。Fedex Boxというダンボールまで含めて、Fedex支給の梱包資材を利用すれば、容積重量計算の適用を「広く」回避することができます。

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4.Fedex梱包資材の利用制限について

Fedexでは、要先重量計算を回避する資材がたくさんあって「いいなー」と浮かれていたら、実はいろいろ利用制限があるようで、ちょっと現実に引き戻されました。例えば、

【価格制限】Fedex EnvelopeとFedex Packについては、申告価格100ドルまでしか利用できず、それを超える申告価格の商品については、EnvelopeやPackに入れても、容積重量計算が適用されるとのことです。

【サイズ制限】Fedex Pack入る大きさでも、高さが6cmを超える場合は、容積重量計算が適用されるとのことです。

【Fedex Boxのサイズ】Fedex Boxは、ラージ・サイズでも、高さが7cmしかないので、7cm超の高さのあるものはBoxに入りません。この上のサイズの箱(専用資材)は、10kg以上専用の箱になってしまうので、小さくて100ドル超の品物には向きません。

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5.土曜集荷手数料

・DHLさんの場合は、事務所(自宅)に集荷に来ていただくにあたり、特に手数料は発生しませんが、

・Fedexさんでは、土曜集荷の場合に、運賃とは別に手数料が発生します。土曜集荷手数料の詳細については、Fedexさんの営業担当者に見積もりを頂くことをおすすめします。

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6.集荷依頼の締め切り時間

集荷依頼の締め切り時間は、集荷先の地域によって異なると思いますが、弊社では、下記の通り違いが出ています。

・DHLさんでは、月曜から木曜は15:30締切、金曜日は19:00締切

・Fedexさんでは、月曜から金曜で14:00締切

7.運送保険(補償)料の違いについて

運送中に事故や紛失があった場合の補償についても、重要なポイントです。単価の安い品物を発送する場合は、保険無しで発送するというのも判断ですが、ビンテージものや高価な品物は、保険(補償)を付けたところです。

保険(補償)の仕組みは、DHLさんとFedexのどちらも、基本運賃に含まれる保証と、基本運賃に含まれない補償の2つに分けて計算する仕組みになっています。

【基本運賃に含まれる補償】

・DHLの場合、基本運賃を支払うことで、1kgにつき25米ドルまでが補償金額となります。

・Fedexの場合は、基本運賃を支払うことで、貨物1件あたり100米ドル、または重量1kgあたり20米ドルのいずれか大きい 金額までが、補償金額となります。

【追加保険料(手数料)が必要な補償】

基本運賃に含まれない補償、つまり上記基本運賃に含まれる補償を超えて、さらに高額な補償を付けたい場合は、DHLとFedexで以下の追加手数料を支払うという点で違いがあります。

・DHLの場合、申告金額の1.2%または2500円のいずれか高い金額

・Fedexの場合、貨物の申告価額が、(i) 12,500円 または (ii) 1ポンドあたり1,375円の、いずれか大きい方を超えた金額について、12,500円ごとに170円 (端数切り上げ)になります。

 Fedexさんの方は、日本語の説明を読むだけでは、実際にいくらの追加保険料が必要なのかわかりにくいですよね。

【実務上、どちらの運送会社を選択すべきか】

この点は、各社の発送ラベル発行システムにおいて、保険料を含む運賃見積もりシステムがあるので、それぞれで見積もり出して、比較する形にならざるを得ないかと思います。

しかし、両社の保険料の計算体系に違いがあることを知っておくことで、見積もりを取ったり、両社それぞれと取引を開始しておくなど、事前の段取りが立つため、これはこれで重要な知識だと思います。

【計算事例】例えば1.5kgの貨物の場合

Fedexでは

申告金額が3万円で、1.5Kgの場合は、保険料は340円
申告金額が5万円で、1.5Kgの場合は、保険料は510円
申告金額が10万円で、1.5Kgの場合は、保険料は1,190円
申告金額が15万円で、1.5Kgの場合は、保険料は1,870円
申告金額が20万円で、1.5Kgの場合は、保険料は2,550円

※Fedexでは、上記保険料は従価手数料と呼ばれています。

上記Fedexと比較すると、DHLでは、申告金額20万円まで保険料は、一律2500円で、ほぼ拮抗します。

したがって、上記の事例では、申告金額が20万円を大きく下回る場合、保険料についてはFedexの方が、割安に感じられます。特に申告金額が万円を下回る場合には約2000円の開きがありますので、この違いは、見逃せないですね。


8.その他

以上の他、差出窓口の多さや場所などの違いがありますが、やや論点として細かくなりますので、また稿を改めて、ご案内の機会を持ちたいと思います。

本日もお読みいただきまして、ありがとうございました。



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