eBayセリング・リミットとは - 初心者向け講義 -
eBayのセリング・リミットの目的
eBayが他のショッピングモールと一線を画す特徴がセリングリミットです。出品数量・出品総額に上限を設けることで、経験の浅いセラーが大量出品することを防ぐ目的のルールです。
大量出品することで、大量に売れやすくなるのですが、経験の浅いセラーは、受注処理になれていないため、発送手続きや、顧客フォローにおいて、結果的にお客様に迷惑をかけることが多いようです。
これを防ぐためeBayは、セラーの経験・販売実績に応じて、出品数量と、出品総額に制限を設けています。
セリング・リミットは、eBayのお客さまを守るだけでなく、ネガティブな評価がつくことで評判が落ちることからセラーを守ってくれる制度にもなっています。
銀行融資の場合も、取引実績が少ない場合は、最初から大きな融資は得られないように、eBayでも実績を積みながら、事業を拡大することが促されているわけですね。
最初から焦らずに、手堅く堅実に積み上げていくのが、eBayの考え方のようです。
eBayアカウント開設直後のセリング・リミットは?
アカウント開設直後は、10品、500ドルでスタートします。
10品・500ドルでは、商売として取り組むにはかなり少ない枠ですね。
500ドルに対して、利益率が仮に30%だとすると、500x30%=150ドルですから、お小遣いにしかなりません。
(参考)なお、稀に5品、250ドルでスタートする人もいますが、クライアントの方々を拝見していると、これはeBayをビジネス・アカウントで開始されるケースで散見される傾向があるようです。eBayは、パーソナルアカウントで開始したほうが、よさそうですね。
2か月から3か月のリミット例
しかし、1か月、2か月と、継続的に販売活動を続けていくと、eBayは前向きにリミットを増やしてくれますので、大丈夫です。例えば、下記画像のアカウントでは、2か月で200品、$19,000ドルまで、リミットが増えてきました。
上記と同様に試算すると、19000ドルx30%=5700ドル なので、これくらいのリミットまで増やせると、個人事業として軌道に乗り始めますしね。
さらに、継続的に続けると、下記画像のように、なんと6億円以上のリミットにもなります。
ここまで大きく、セリングリミットを拡大すると、リミットの有効活用に工夫が必要になりますね。
どうやって、セリング・リミットを増やすか?
Bayのセリング・リミットを増やす手続きを、リミット・アップ交渉といいますが、一定のルールがあります。
(1)手続方法:電話・メールにて依頼します。
電話・メール、どちらの方法でも、原則として英語で交渉します。なお英語を使わずにリミットアップする方法も、当記事で別途説明しています。
(2)リミット・アップ依頼のタイミングは、30日ごとが原則ですが・・・
ルールとしては、初出品から30日以上経過していること、
または前回のリミットアップから、30日以上経過していることが、建前になっています。
これは、リミットアップの依頼を乱発されることで、制度趣旨が損なわれることを防ぐ意図かと思われます。
30日経過しなくてもリミットアップできる場合がある!
しかし、当記事執筆時点では、このルールは既に形骸化されている傾向があるようで、30日経過せずとも、「電話交渉できる場合には、リミットアップに応じてくれる事例が、散見されています。
eBay側も、出品数が増えることで、販売促進につながるため、柔軟な運用を始めているのかもしれません。
ただ、メールで依頼する場合には、やはりルール通り30日待つように返事が返ってきてしまうようです。
英語に抵抗がある場合のリミットアップ方法
英語に苦手意識があるeBayセラーの場合は、自ら英語でリミット・アップ交渉せずに、リミットアップ代行を頼む方法もあります。
eBayのリミットアップを専門としている通訳業の方がいますので、かわりに交渉してもらうこともできます。
英語に不安があって、イーベイをやらない、というのはとてももったいないことなので、積極的に活用して、eBayにチャレンジしていきたいところですね。
リミット・アップの上げ幅は?
(1)アカウント取得後、初回リミットアップでは、最大10倍です。
すなわち、
10品x10倍=100品
500ドルx10倍=5000ドル
となります。これくらいになると、得られる売り上げ・利益の額も、お小遣いとしては、大きすぎるくらいの金額が見込めてくるのではないでしょうか?
1か月前後でここまで来れるケールも、十分にあるので、希望を持ってスタートしたいものですね。
(2)2回目以降のリミット・アップ依頼
この場合は、2倍が上限で運用されていますので、あまり大きな上げ幅を要求して、担当者や代行の方を困らせないようにしたいですね。
ただ、2倍といっても、その後は複利(累乗)で増えていきますので、一定期間後には、使いきれないほどのリミットは得られるようになります。
リミットの少なさに、やきもきするのは、最初の数か月かと思いますので、焦らず、手堅く実績を積んでいきたいものです。
リミット・アップ手続きの例外 <1>自動リミットアップ
原則は、電話・メールで英語交渉することになりますが、例外的に、セラーが手続き取らなくても、eBay側の判断で勝手にリミットアップされることも、しばしばあります。
自動リミットアップするのは下記の場合が代表的です
(1)アカウントの運用状況が良好で、かつ当該セラーのセリング・リミットが不足しがちな場合
(2)eBay側が、ハイシーズンに販売促進したい場合
セラーの側でコントロールできる方法ではありませんが、日ごろから良好なアカウント運用を心がけることと、リミットを有効活用しておく(多く余らせない)ことが、自動リミットアップを引き出す秘訣になります。
リミット・アップ手続きの例外 <2>日本語でリミットアップ
これは、eBay Japanのカスタマーサポートに依頼して、リミットアップしてもらう方法です。
この方法を使うには、条件があるので、初心者が誰でも使えるという方法ではありません。どのような条件かというと
(1)アカウント取得前に法人を作り、事前にイーベイ・ジャパンにサポート依頼する
この場合は、イーベイジャパンの日本人担当者が、日本語でサポートしてくれます。当方が確認している事例としては、この方法で、アカウント取得直後から5万ドルのリミットを得られた方がいらっしゃいます。
(2)個人セラーで、TRS取得後にeBayジャパンから日本語でのサポートの招待を受ける
これは、eBayジャパンが主体となって招待するので、我々セラーが意図してクリアでるものではありませんが、セラーとしてできる努力としては早めにTRSを取得して、アカウントの運用実績を良好に保っておくことです。
当方のクライアントの事例としては、アカウント取得後1年程度で、声がかかる方が、見受けられます。
自動リミットアップの上げ幅
自動リミットアップは、eBay担当者が電話でセラーの状況や取り組み方をヒアリングすることなしに、勝手にリミットアップされるので、イーベイとしても、判断が慎重になります。
そのため、上げ幅も初心者に対しては、2割増し、3割増しなど、微弱な上げ幅にとどまることが多いです。
他方で、運用実績の豊富なアカウントの場合は、eBayとセラーとの間で信頼関係もできているため、5倍~10倍の上げ幅となる事例も、多くあります。
したがって、初心者のうちは、自動リミットアップに期待しすぎることなく、電話やメールで、リミットアップ交渉の手続きをとるほうが良いですね。
まとめ
このようなリミットアップの制度は、アマゾンやヤフオク、楽天などにはないeBay特有の制度なので、戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この制度が参入障壁になって、eBayが過当競争に陥らない健全なマーケットになっていることも、見逃せない側面です。
物事には、メリット、デメリット双方ありますので、いかにメリットを活用してビジネスを発展させるかにフォーカスして、取り組んでいきたいものです。
本日もお読みいただき、ありがとうございました^^
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?