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4時間目 都市からの遠心的な移動はなぜ起こる? ①


1 郊外化を加速させる要因とは何か?

(1) 郊外化が起こる前提条件は?

まず郊外化とは何かについて解説する。

郊外化とは、主にヨーロッパ、北米、オーストラリアで、交通システムの改善により町や都市が外側に悪題することです。

Oxford IB Diploma Geography(2017)より

交通システムなどのインフラが整うことによって、都市の外側からも容易にアクセスできるようになり、人々は郊外にも都市を拡大することになった。この拡大を郊外化という。そこには主に住宅が建っている。

この郊外化が起こる前提条件は主に5つある。
・生活費の削減:郊外に住むことで、高額な土地代を払わずに済む
・非常に低い金利:金利が低いということは、お金を借りやすい状態にあるということ。そのため家を建てるには適した時期である。
・建築社会の拡大:インナーシティがある程度発展したら建設会社は、それ以外の場所の仕事ができるようになるため、郊外に建設を起こす。
・下水道、電気、ガス、水道などの公共サービスの提供に対する地方自治体の意欲:自治体が国民に十分に提供できるため、郊外に行きやすくなった。
・公共交通機関の改善:郊外からの移動ができるため、郊外に住むことができるようになる。

(2) 郊外化のプッシュ要因とプル要因とは?

プッシュ要因:インナーシティの地価の高騰
       家族が増える
       騒音、悪臭などの都市でおこる問題がある

プル要因:地価が低いため、低コストで、広い家を手に入れれる。
     都市の騒音、悪臭がない

(3) 各国の郊外化にはどのような特徴があるのか?

アメリカでは、第二次世界大戦後に郊外化が各地で行われた。
第二次世界大戦後、帰ってきた軍人の家を確保するために、アメリカ政府が主体となって行われた。

イギリスでは第二次世界大戦後の人口増加、ベビーブームによって人々はより安価な土地を求め、郊外化していった。その結果イギリスではスプロール化が行われた。

2 スプロール現象はなぜ起こる?その影響は?

スプロール現象とは、都市の発達するプロセスのうち、「郊外化」の場面で起こり、郊外への都市の拡大を行うにあたって無秩序に広がることである。
結果それぞれの建物が虫食い状態になり、都市の連携が取れない、都市が本来の役割を果たさない、居住環境ラインフラの整備が追い付かないなどの問題が生じる。

スプロール現象の図

対策としてはコンパクトシティというものがある。コンパクトシティとは都市の産業や生活機能を1か所にまとめ、街そのものを小さくすることである。特定の地域に人を集めることで、社会インフラを効率的にしたり、移動が困難な高齢者に合わせた都市づくりになる。

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