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私たちのコールドプロセス石鹸

先日オンラインストアに、ミツロウコーティング石鹸「adatepe 101」が少しだけ入荷したのですが、即日完売となりました。
次の入荷は11月を予定しております。

ですのでまずは、ココナッツオイルソープバー、オリーブココナッツソープ「adatepe 201」で、私たちのコールドプロセス石鹸をお使いいただきたいです。

完売した「adatepe 101」は少し特別な石鹸です。ミツロウコーティングのオリーブ石鹸といっても、一般には何だか分からないと思います。
ミツロウコーティング???

私たちの石鹸は、大きな工場で熱を加えて釜炊きしたり、塩析してして夾雑物(私たちは全くそうは思っていません)を取り除いて、大量に製造する石鹸とは異なります。

フードクオリティの植物オイルにアルカリを加え、その反応熱だけで鹸化するコールドプロセス製法で作ります。
着色剤、人工的な香料や保湿剤など、添加物は一切加えない石鹸です。

コールドプロセス製法で作る石鹸の、その使い心地と素晴らしさは、なによりお使いの皆さまがよくご存知だと思います。

この石鹸の特徴として、水に溶けやすいという性質があります。
ですから空気中の水分(湿気)にも反応するため(いわゆる汗をかく状態)、製品としてお届けするには、空気を遮断して密封する必要があります。

それでポリプロピレン樹脂(これは燃やしても有害物質が発生しません)で真空パックをするのですが、eavamのフラッグシップ石鹸として、私たちらしい密封方法はないものか。
そんな試行錯誤をしていた時に、この「ミツロウでコーティングする」という方法に至りました。

でもこれは、私たちの発明ではありません。
昔からチーズ(貴重な発酵食品)をコーティングしたり、高価なお酒の瓶を封したりと、貴重な食品や飲料を安全に密封するのに使われてきた、天然の樹脂がミツロウでした。

そういえば、大切な手紙を書いて最後に封するのにも、ミツロウは使われてきました。
「大切なものを安全に密封する」そうだ。私たちのコールド石鹸もミツロウで密封すれば良いじゃないか。

ちなみにミツロウは、私たちのバームの基材として、いつも工房にあった身近な存在です。そしてそれは、地元の養蜂家から分けてもらうとても上質なものでした。

そうして出来上がったのが、ミツロウコーティング オリーブソープ「adatepe 101」でした。

この石鹸は、まずミツロウを剥がしてから使いますが、そんな石鹸は当時世の中にありませんから、最初はいろいろありました。

初期に購入されたご年配の女性から「いくら擦っても泡が出ないのですけれど。。。」と困惑されたことがありました。
お聞きすると、ミツロウコーティングのまま、直に使おうとしてらしたとのこと。泡は出ないし水は弾くし肌は痛い、さすがに変だと思いご連絡くださった。

笑い話のようですが、本当の話です。
ご説明してミツロウを剥がしてもらい、使っていただくと、とても使い心地が良いですねと、以降この石鹸のファンになってくださいました。

このミツロウを剥がす際には、少しコツがいります。
今のような暑い季節であれば、比較的剥がしやすいですが、寒い冬など気温が低い時期は、ミツロウも硬く固まってなかなか大変な時もあります。

そんな時は手で包んで人肌で温める。炬燵があればその中で温める。ぬるま湯に入れて温める。
要はミツロウを柔らかくしてから紐を引いていただくと、剥がしやすくなります。

裏技としては電子レンジで数秒だけチンする方法も。
これは電子レンジの機種や出力にもよるので、様子を見ながら「ほんの数秒だけ」にしてください。くれぐれも10秒とかそれ以上のチンは絶対に避けてください。

手間の掛かる石鹸ですみません。

剥がしたミツロウは、人肌で温めて塊にして、剥がしたコットンの紐に巻き付ければミツロウキャンドルになります。
小さな子どもたちには安全なミツロウ粘土になります。
木工家具や革製品の上質なワックスになります。
余すところなくお使いいただければ嬉しいです。

そんな思いで作った石鹸です。

https://eavam.official.ec/items/27023382

https://eavam.official.ec/items/74661157


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