ルミネをデコンしてみた
デコンという聞きなれない言葉は、deconstruction(脱構築)を語源にした造語で
博報堂がやっているマーケティング活動の一つです。
CMや広告がなぜこの表現になったのか、伝えたいことは何なのかを因数分解して考えること。それをデコンというそうです。
クリエイティブオタクの私として
森本千絵さまや佐藤雅彦さまなど数多くの神様プランナーを心の師匠として常々敬愛しているのですが
未だにこちらを超えるクリエイティブは私の中ででてきません。
悪い女ほど、
清楚な服が、
よく似合う。
わたしらしくをあたらしく
LUMINE
尾形真理子さんの作品です。
尾形さんの紹介はこちら。
ビジュアルと一緒に見るとこうなります。
なんでしょうね。
この鮮やかさに、このモデルの表情に、この服装。
私はこのクリエイティブを見た時に動けなくなりましたよ。
衝撃すぎて。
泣きそうにすらなりました。
傷はないけど、ものすごく痛かったというか。
なぜこんなに突き刺さったのかな、なぜこれがファッションビル(ビルなのかな)のルミネだったのかを
自分なりにデコンしてみます。
悪い女って
まず悪い女って誰なんだろう。
逆に良い女って何なんだろう。
おそらくですが、ルミネのターゲットは今時の20代~30代前半だと思います。
となると、良い女のイメージには峰不二子はあがってこないと思います。
そしてなんとなくなんですが、女にとっての良い女だと思うんですね。
ルミネのメインターゲットは女性でしょうから。
女にとって良い女って、性格が良くて明るくておしゃれで一緒にいて楽しくてかわいくて美人で…てところだと思います。
でも多分、多分&妄想ですよ。
恋愛というところにおいては、自分より秀でてない女が「良い女」じゃないかと思うのですよ。
ぶっちゃけて言うと
男を石鹸のにおいをもって、自然にかっさらっていく女
苦労せず(そう見える)男をかっさらっていく女
彼氏何人いるんだみたいな女
のことを女からみた悪い女なのではと思うわけですよ…
でね、この悪い女って
誰の心の中にも、きっといるんですよ…
「あ、あの子みたい…」と。
私にはいました。みなさんにもいますよね?え、いない?そうですか。
でも「あ…なんかわかる」と思った方は、いるんです。
実際に。心のどこかに。悪い女が。
その女が性格が悪いとかそういうことじゃないんですけど
自分の中にないものを持っていて
その嫉妬だったり羨望だったりがミキサーにかけられて
「悪い女」が出来上がっていくんだと思います。
で、だいたいそういう女は
誰からも好かれそうな清楚な服を着ている、というイメージ。
苦労せず恋愛を楽しむかわいい子。
私とは違う、きれいな子。
このコピーから受けたショックの根元は
そういうドロドロした嫉妬、そして
「私だって悪い女になりたい」という自分でも気づかない欲なのではなかろうか…
やっぱり女子は恋愛したいんですよ。ときめきたい。
だから可愛くなりたい。
そこを突いたんではないでしょうか。
もう一度このコピーを読んでみます。
悪い女ほど、
清楚な服が、
よく似合う。
わたしらしくをあたらしく
LUMINE
ここには恋愛だのファッションだの書いてないんです。
ただ、あなたの思う悪い女はそうだよ、と。
そこで考える。
私は、今のままでいいのかーーーーーーーー
服を、変えて、みようかな…
と、私は妄想しました。
尾形さんがこう考えたわけではありません。
もっともっと海底一万マイルくらい深く深く考えられて生まれた名作、いや傑作、後世に残すべきコピーです。
私なんぞの妄想があっているわけではないのです。
そしてあのビジュアル。
あのモデルは悪い女なのか、良い女なのか。
あっち側なのか。こちら側なのか。
私は悪い女だと思います。
キレイな花畑でキレイな服を着て。
そしてきっと、こう思うんですよ。
私も、ああなりたい。
服を買いましょう!自分を変えましょう!なんて
言ってないのにね、変わりたいって思わせるんですよ。
本当にすごいですね…
デコンという妄想
博報堂ではもっともっともーーーーっと
深く深くデコンをしていると思います。
でも個人でデコンを妄想でやってみても、
かなり面白い。
私は専門学生時にデコンしまくる先生の授業を受けた影響で
クリエイティブオタクになったので
うわ!!!!っていうクリエイティブを見ると
妄想劇場が始まります。(笑)
デコンをすると表現の幅が広がります。
自分では同じものを埋めないけど、引き出しが増えていく。
いつか使う調味料が増えていく感じ?違うか?
なので表現をする人にとってデコンはおすすめです。
12月くらいにひたすら妄想デコンしまくる座談会をやろうと思っていまして(笑)
それも楽しみにしております。
興味のある方はご一報を!
それでは!
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