大和当帰を見て、食べる。奈良・薬草の里「大宇陀」の旅
前回のナカタさんからバトンタッチで、往復note第2回はアンドウ→ナカタさんです。
ナカタさん、タコパレシピありがとう。ハラペーニョソースとライムを手に入れてサルサ作ってみました!ほんと現地の味っぽい。おいしい!早速タコパやってみます~。
さて、私の方は以前からナカタさんに聞かれていた、奈良の薬草めぐりの旅についてご紹介したいと思います。先に奈良の薬草についてカンタンに説明しますね。
キーワードは「大宇陀」と「大和当帰」です。奈良の室生近くに大宇陀という場所があるのですが、そこは古代(万葉集の頃)から薬草の産地として有名で、現在でもさまざまな薬草が作られているんです。そこで今注目されている薬草が大和当帰。
当帰とはですね…例えば薬局にある婦人科系の漢方薬、当帰芍薬散なんかによく使われていて、その場合には「根」を生薬として使っています。ちなみに当帰という名前は、不妊で実家に戻った妻がこの漢方を飲むと治って帰ってくる(だったかな・・)という中国の言い伝えに由来するらしいです。ハーブのセイヨウトウキにはアンジェリカというラブリーな名がついています(味も匂いもザ・漢方って感じの薬草なのですが・・)。奈良で作られている当帰は大和当帰と呼ばれていて、質がいいといわれています。
そして近年、当帰の「根」が薬なのはそのままに、「葉」の方が食品扱いになりまして。それを機に大和当帰のお茶やお菓子、化粧品などがたくさん作られるようになって、奈良県が薬草で町おこしを狙い・・大和当帰が密かに盛り上がっているというのが今の状況です。ふー、カンタンとか言って長かった。
万葉の時代にトリップしたような森野旧薬園
それではようやく私の奈良・薬草の旅、ダイジェストをお送りします。
初めて大宇陀に行ったのは2019年秋。日本最古の薬草園といわれる「森野旧薬園」に行きたい!大和当帰に触れたい!と思い立った旅でした。
大宇陀にある森野旧薬園は江戸時代に森野通貞(藤助)という人が始めた薬草の植物園で、幕府薬園の補助機関にもなっていたところです。園内には約250種もの薬草が植えられています。
で、ここすっごい私好みでした!町なかにあるんだけど小さな裏山になっていて、自然の里山のようなんです。薬草も名前の札がついているくらいできっちり区分けとかし過ぎてなくて自生しているかのようだし、野趣あふれる素敵な場所です。人もほとんどいなくって(失礼な・・)静かで癒される空間。高台なんで町を見渡せる景色のよい場所もあるし、小さな資料館や歴史を感じさせる藁ぶきの古民家などもあり。こじんまりしているのに、いろいろ楽しめます。おすすめです。もちろん大和当帰も見られます。
また入り口が面白くて、趣のある本葛屋さんに入っていってレジで入館料を払い、お店の裏口から道を登っていくんです。この本葛屋さんは森野吉野葛本舗。食品のイメージがある「葛」も、実は葛根湯などに入っていることで知られる薬草のひとつなんです。
森野さんのある通りは歴史的な建物がずっと続いていて、とても絵になる街並みです。観光客でごったがえしている・・なんてこともなく(また失礼な)、本当にのんびりしています。
森野さんを出て通りをてくてく歩いて行きまして、向かったのが薬草レストラン「ヒルトコカフェ」。センスのよい古民家カフェで、奈良の薬草を使った料理が食べられます。窓から宇陀の自然の風景を眺めながら、念願の大和当帰を使った薬草ランチを楽しみました。地味な存在の薬草がおいしいカフェご飯になっていて感動。
この辺り、のどかで見どころもいろいろあってとてもいいのです。すぐ近くの万葉の丘かぎろい公園は、柿本人麻呂の歌碑があって万葉の時代そのままのような素朴な雰囲気(やはり誰もいない)。歌碑は「東の野にかぎろひの立つ見えて・・」なんだけど、私はここでふとナカタさんと行った御茶ノ水の居酒屋「カギロイ」を思い出してしまいましたよ…。
最後に大宇陀への行き方は、近鉄の榛原駅からバスで20分。大宇陀で降りると大きな道の駅があるのでそこを拠点に歩きます。バスは1時間に1、2本しかない地獄表(by みうらじゅん)なので注意が必要です。
そして道の駅では大和当帰のお茶、お菓子などのお土産が買えます!
ちょい長くなっちゃってすみません。結局、肝心の薬草発酵博覧会の話にまでたどり着かなかったので、それは次回に!
そして春に私はまた奈良&滋賀旅行を計画しているので、ナカタさんにはぜひ滋賀のお土産の銘菓を教えてほしいです。よろしくー。