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やきゅうた入門~第2回~
今回のテーマは「母音」。
ズバリ、今回の内容を一言でまとめると「母音を徹底的に一致させよ」に尽きる。
これは野球選手名で歌ってみたシリーズに限った話ではなく、他の替え歌においてもそうではあるのだが、原曲の歌詞と替え歌歌詞が似た響きであることが好ましい。特に、替え歌歌詞の内容にメッセージ性があるわけではなく、原曲に近づけた歌詞が求められるやきゅうたにおいては響きが異なることは致命的な違和感につながる。この“響き”を近づけるための手段が「母音の一致」である。
やきゅうた作詞を始めた人がまずぶつかる壁が「上手く当てはまる選手を思いつかない」だと推察される。この知識不足によって母音の異なる選手を当てはめることになり、そのことによって完成度に欠いた作品となって他者からは「なんか違う」と思われてしまう。そうならないようにするためにまず一番最初にやらなければいけないのが、ズレのない作詞が出来るようになることである。
※もちろん、作品によっては母音が一致していなくても高評価されているものも存在するが、この多くの場合、子音が一致している、サビなど盛り上がる場面である、原曲の歌い方にクセがあるなどの理由があり、一種の技と捉えられる。これらはあくまでも基礎を固めた上での応用であり、最初から目指すべきものではないと言える。
単に文章を読んでいてもつまらないだろうからここで実践してみよう。今回は誰もが知っている童謡『森のくまさん』の1番を使って練習したい。
〈歌詞〉
あるひ もりのなか くまさんに であった
はなさく もりのみち くまさんに であった
これを母音に置き換えると以下のようになる。
アウイ オイオアア ウアアウイ エアア
アアアウ オイオイイ ウアアウイ エアア
後はこの母音と一致するように選手を並べてみると違和感なく替え歌に変換できるだろう。なお、どうしても選手が思いつかない場合はNPBのホームページにある「プロ野球在籍者名簿」を参照すると良い。→プロ野球在籍者名簿
ここで解答の一つを紹介しよう。
松井 森野 和田 桑田 辻 江川
あるひ もりのなか くまさんに であった
髙松 森 大道 村田 藤井 寺原
はなさく もりのみち くまさんに であった
今回はあくまでも母音を一致させることが目標であるため、子音の一致やフルネームなどは度外視である。しかしながら、この替え歌歌詞を曲に合わせて口ずさんだとしても大きな破綻はないはずである。この母音を一致させながらの変換を繰り返し続けることによって、やきゅうた歌詞が作られていく。大学受験の英語長文を読む前に英文解釈・構造分析を練習するのと同じように、まずは短い歌詞で訓練し、それから少しずつ歌へとステップアップすることが望ましい。今度は童謡『うみ』の歌詞で練習してみよう。
〈練習①〉
うみはひろいな おおきいな
つきがのぼるし ひがしずむ
何となく慣れてきただろうか。解答例は様々だが、1つ紹介すると、以下のようなものが挙げられる。
牛田 清宮 大木 伊奈
うみはひろいな おおきいな
辻田 野茂 ルーキ 比嘉 ミツル
つきがのぼるし ひがしずむ
Point
この時のコツとして、先駆者からの引用が効果的である。例えば、「どこまでも」という歌詞があったとする。これを先ほどのように考えると、「どこまでも」→「オオアエオ」となり、「小野 金子」や「横田 江藤」などのような解答が思い浮かぶであろう。しかし、色々な動画を視聴する、作詞大会で他人の歌詞を見るという経験をしていると、「どこまでも」という歌詞には「戸郷 マテオ」や「床田 デイモン」、「太田賢吾」などが当てはめられていることが多いことに気付くようになる。以上のような各フレーズに対する模範解答、特に日本語の歌によく出てくるフレーズをパターン化して覚えておくと便利である。
最後にもう1つ、童謡『ぞうさん』の歌詞で練習して終わりにしよう。
〈練習②〉
ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね
そうよ かあさんも ながいのよ
今回はここまで。次回のテーマは子音。