【デッキ紹介】10年目の革命――《アーカナイト・マジシャン》を使い続けた男
こんにちは、くうねると申す者です。
《アーカナイト・マジシャン》を10年間ぐらい使い続けてきた決闘者です。
普段は「遊帆社中」というサークルで、絵を描いたり漫画を描いたり動画編集をしたり同人誌を作ったり、何か色々しています。
その色々の中にはライティングも(最近はやっていませんが)含まれるのと、今回久々にデッキに大きな変化があったため、デッキ紹介という形式で筆を執らせて頂きます。
1.デッキリスト
メインデッキ(60枚)
モンスター(39枚)
《アーカナイト・マジシャン/バスター》×1枚
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》×1枚
《教導の騎士フルルドリス》×1枚
《混沌の創世紳》×1枚
《カオス・ソーサラー》×1枚
《ブラック・マジシャン・ガール》×1枚
《クイック・シンクロン》×1枚
《バスター・ビースト》×1枚
《妖精伝姫-シラユキ》×1枚
《Emトリック・クラウン》×1枚
《教導の聖女エクレシア》×2枚
《Emダメージ・ジャグラー》×3枚
《Emハットトリッカー》×3枚
《マスマティシャン》×2枚
《A・ジェネクス・バードマン》×1枚
《ジャンク・シンクロン》×2枚
《灰流うらら》×2枚
《幽鬼うさぎ》×1枚
《幻獣機オライオン》×2枚
《増殖するG》×2枚
《ゾンビキャリア》×1枚
《ブンボーグ001》×1枚
《ジェット・シンクロン》×2枚
《サイキック・リフレクター》×2枚
《マジシャンズ・ソウルズ》×3枚
魔法(19枚)
《ワン・フォー・ワン》×1枚
《ミラクルシンクロフュージョン》×1枚
《おろかな埋葬》×1枚
《死者蘇生》×1枚
《調律》×2枚
《混沌領域》×3枚
《墓穴の指名者》×2枚
《禁じられた一滴》×1枚
《禁じられた聖杯》×2枚
《抹殺の指名者》×3枚
《緊急テレポート》×2枚
罠(2枚)
《無限泡影》×1枚
《バスター・モード》×1枚
エクストラデッキ(15枚)
《覇魔導士アーカナイト・マジシャン》×1枚
《電脳堺狐-仙々》×1枚
《氷結界の龍 トリシューラ》×1枚
《ヴァレルロード・S・ドラゴン》×1枚
《月華竜 ブラック・ローズ》×1枚
《シューティング・ライザー・ドラゴン》×1枚
《アーカナイト・マジシャン》×2枚
《TG ハイパー・ライブラリアン》×1枚
《アクセル・シンクロン》×1枚
《水晶機巧-クオンダム》×1枚
《幻獣機アウローラドン》×1枚
《水晶機巧-ハリファイバー》×1枚
《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》×1枚
《リンクリボー》×1枚
サイドデッキ(15枚)
《原始生命態ニビル》×1枚
《ダイナレスラー・パンクラトプス》×2枚
《アーティファクト-ロンギヌス》×2枚
《屋敷わらし》×2枚
《サンダー・ボルト》×1枚
《ハーピィの羽根帚》×1枚
《禁じられた一滴》×2枚
《神風のバリア -エア・フォース-》×2枚
《レッド・リブート》×2枚
2.要件定義
デッキの紹介をする前に「要件定義」――つまり、どのような状況下で運用される前提で構築されたデッキかをまず最初に説明させて頂きます。
僕個人としてはデッキ紹介として記事を執筆をするにあたって、運用環境の共有をしないのはいささか親切心に欠けると考えているからです。
大会環境でない限りは、人のプレイする環境は千差万別です。
アニメのカードのみを使ってデュエルしたい、というコミュニティでデュエルしている人もいれば、身内メタが飛び交っていたり、面白いコンボの披露を主眼に置いたいわゆる「プロレス的」デュエルが展開される環境でデュエルしている人もいることでしょう。
ゆえに「どのような環境で使われていたデッキか」という下地の共有なくしては、カードの採用理由や運用方法をお伝えしたとしても、十分に伝わるかどうか、という懸念があります。
また、仮に紹介したデッキを実際に使ってみようという方がいた場合には僕個人のものであるプレイ環境を記載しておくことで「《灰流うらら》や《増殖するG》は飛んでこないから、《墓穴の指名者》や《抹殺の指名者》は役割がないから抜こう」等、その方の環境に合わせた改善が成されるための助けにもなると考えられます。
故に、前提としての「要件定義」に紙数を割くことをご容赦ください。
前置きが長くなってしまいましたが、運用環境について説明します。
今回、上記のデッキは下記のイベントに参加する為に構築しました。
詳細は上記記事を参照して頂ければと思いますが、簡単に言うと結果として僕は下記の状況に置かれました。
1.「どんなデッキと戦うかわからない中で10連勝(マッチ勝利)すること」
2.「1戦目の対戦相手は3連勝中である」
3.「1戦目に限り、相手のデッキは分かっている」
4.「2戦目以降勝ち進んだ場合、対戦相手に自分のデッキを知られている」
過去の傾向から言って、勝ちを目的とした環境ではあるももの大会環境に即しているわけではないため、ある程度の強度をボーダーとして「本当に何が来るかわからない」という状況でした。
しかしながら「お前らなんかに負けま10」は対戦に敗北した側が勝利した側の次の対戦相手を決定するシステムなので、一番最初に戦うデッキだけはどんなデッキかわかります。
(※更に言えばツイキャスで放送しエビデンスを確保するルールのため、録画を視聴することで詳細な動きや採用カードもある程度わかります)
また、一番最初の対戦相手Sierαさんは上記の過酷な条件下で僕との対戦に至るまでに3人の決闘者を下し勝ち進んでいる強者であり、1回戦で負けたら元も子もないことからまずは【ネメシスアーティファイバー】擁するSierαさんをある程度意識してメインデッキを纏めました。
相手の場のカードを破壊する効果を持つ《アーカナイト・マジシャン》を主軸としたデッキを破壊された時の効果を持つアーティファクト入りデッキにぶつけるというのは、本来であればありえない選択なのですが、致命的問題があるカード(後述)によってクリアできたこと、僕が《アーカナイト・マジシャン》を使うことにこだわりがあり「勝ち進むのであればこのカードで」という思いがあったことから上記のリストを使用するに至りました。
3.基本設計――デッキの設計思想
《アーカナイト・マジシャン》は融合と/バスター2種の派生を持つシンクロモンスターです。正規の手段で特殊召喚された時に自身に魔力カウンターを付与する効果、攻撃力が自身に付与されている魔力カウンターの個数により決定する効果、相手場のカードを破壊する効果が共通しています。
このカードはここ数年かなりの苦境に立たされています。
理由は破壊された時や墓地に送られた時に効果を発動するカードが増えているからです。
シャドール、ヴァレット等、そういった効果を備えているのがモンスターだけならばまだよいのですがメタルフォーゼや破械、アーティファクトに代表される魔法罠に至るまで被破壊・被墓地送り時効果を備えているアーキタイプ相手には「場をコントロールしつつ、アドバンテージ的な優位を取ってゆく」という役割を一切遂行できません。
アドバンテージ面を無視して相手の場に置かれているカードをローラー作戦で踏み、その上で一気にライフを奪うという場面以外で出す意味がマジでないという状況が多く存在し、大味な運用にならざるを得ないというのが昨今の実情でした。
――しかし、パック「PHANTOM RAGE」で状況が一転します。
《電脳堺狐-仙々》の登場です。
場限定の《マクロコスモス》となる永続効果、攻撃宣言時に除外されているカードを墓地に戻す効果、条件の緩い自己蘇生効果を備えています。
このカードの登場は《アーカナイト・マジシャン》系列にとって革命的と言ってよく、《アーカナイト・マジシャン》にこのカードを添えることで墓地に送られた際に発動される効果の発動を許さずに盤面の切り返しを行うことができます。
このため(破壊され)墓地に送られた時の効果を持つカードの充実に伴って取れなくなっていた「相手の場のカードを破壊し盤面をコントロールしつつ、アドバンテージ的な優位を取る」という役割を再び安定して遂行できるようになりました。
これこそが、僕が10年の間《アーカナイト・マジシャン》と待ち望んでいたカードなのです。
もちろん今までも類似の無差別除外系カードは存在し、僕自身も幾度が検討したことはありました。しかし《マクロコスモス》や《異次元グランド》は自身のギミックの首を絞めるリスクと罠ゆえの遅さによる問題がつきまとい、《M・HERO ダーク・ロウ》は場に呼び込むためだけにHEROギミックを搭載しなければならないため噛み合わず、いずれも机上論に留まっていました。
《電脳堺狐-仙々》が実際の運用に耐えうる理由は以下のとおりです。
・同じシンクロモンスターである《アーカナイト・マジシャン》と展開のためのギミックを共有できる
・場限定の除外であるため《シューティング・ライザー・ドラゴン》等のデッキから直接墓地肥やしを行うカードの邪魔をしない
・場のカードを除外する効果がマイナスに働く場面でもリンク素材等にすることで、再び自分が有利な場面でカードが墓地に送られる状況を作れる
・条件の緩い自己蘇生効果を持つため、一度墓地に送られてもカードを消費せず場から墓地に送られるカードが除外される状況を復活させられる
これだけでも強力ですが、除外されているカードを墓地に戻す効果も《Emダメージ・ジャグラー》《ジェット・シンクロン》等と強力なシナジーを形成し、このカードの攻撃自体が☆4魔法使い族やチューナーの確保=《アーカナイト・マジシャン》のシンクロ召喚の布石となることも見逃せません。
従来の構築だと確保できるリソースには限りがあり、効果破壊で相手のリソースを削るのも難しい状況が数多くあったため一方的に疲弊してしまうことも珍しくなかったのですが、《電脳堺狐-仙々》のおかげである程度のロングゲームにも対応できるようになりました。
よって今回の構築は《アーカナイト・マジシャン》系列と《電脳堺狐-仙々》をセットで運用することに主眼を置きました。
この戦術であればアーティファクトにも後れを取ることはありません。
シンクロ召喚がベースのデッキであることに変わりはなく初動への《アーティファクト-デスサイズ》が刺さり過ぎているので有利とは言えませんが、逆にいえば「そこさえなんとかなれば勝負にはなる」ということでもあります。
《電脳堺狐-仙々》は条件の緩い自己蘇生効果を備えていると言えど、後攻1ターン目から《電脳堺狐-仙々》を置いたうえで《アーカナイト・マジシャン》による切り返しを行いたい場面が存在することは容易に想像できるため、構築上、ある程度の展開力が求められます。
また、《アーカナイト・マジシャン》は後攻に出す意味は(基本的には)ないカードのため「先行の時は何をして相手にターンを渡すか」ということも課題になります。
そのため、このデッキは基本的には(特に先行時は)《TG ハイパー・ライブラリアン》を最初に展開し、連続シンクロによってリソースを確保していきます。
先攻では手札誘発や《教導の聖女エクレシア》からの《教導の騎士フルルドリス》、《シューティング・ライザー・ドラゴン》+《妖精伝姫-シラユキ》、余裕があれば《電脳堺狐-仙々》《ヴァレルロード・S・ドラゴン》もここで構え、先攻2ターン目で詰めていくのが理想です。
この考え方は【ジャンクドッペル】のうち「中軸」と位置付けられる構築を参考にしました。
参考先:まぐっしーブログはやめで 中軸ジャンドについて
https://magurooru.hatenablog.com/entry/2020/05/25/205133
また、サブギミックとして「カオス」モンスターを採用しました。
もともと《カオス・ソーサラー》は《アーカナイト・マジシャン》では突破できない効果破壊耐性を持ちを突破すべく補完枠として投入していたのですが、新しく《混沌領域》が登場したため追加で《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》《混沌の創世神》を投入しました。
従来の効果破壊耐性持ちに対する補完としてはもとより《アーティファクト-デスサイズ》《次元障壁》をはじめとするエクストラ封じを食らったとしても影響を受けずに切り返していける駒が欲しかったからです。
墓地リソースを要求する召喚条件の関係上、初動には組み込みにくいため、カオスの増量は手札事故の可能性を引き上げるというデメリットは依然として存在します。
しかし《混沌領域》の登場によってそのデメリットを幾分かは緩和しながらデッキ内のカオスモンスターを増やすことができるようになったため、今回のような構築に踏み切ることができました。
《混沌領域》は《アーカナイト・マジシャン》系統ともかみ合わせがかなり良いのですが、それについては別項で個別に説明します。
4.詳細設計――カードの採用理由
ここでは個別にカードの採用理由や運用等を説明します。
全てのカードについて説明することはできないため、主要なカードかつ前項で説明のなかったものについてのみ記載させて頂きます。
■《妖精伝姫-シラユキ》
極めて《アーカナイト・マジシャン》と噛み合わせの良いカードです。
《アーカナイト・マジシャン》が突破できない破壊耐性持ちを裏側守備表示にしつつ、自身が☆4魔法使い族であるため《アーカナイト・マジシャン》の素材にもなることができます。
もちろん妨害としても優秀なため、基本的に《シューティング・ライザー・ドラゴン》ではこのカードを墓地に送ります。
一度除外したカードも《電脳堺狐-仙々》で墓地に戻せますが、《電脳堺狐-仙々》の蘇生にも墓地リソースを要求するため、乱用はできません。
カオスモンスターも採用されているため、コストとして除外するカードは慎重に選択する必要があります。
■《教導の聖女エクレシア》《教導の騎士フルルドリス》
《教導の聖女エクレシア》から《教導の騎士フルルドリス》を持ってくることで、妨害を1枚構えるのも勿論強力ですが、《教導の聖女エクレシア》はサーチ効果を破棄して展開することでその後もエクストラデッキからの展開を行えるため効果を使わないこともあります。
また《教導の騎士フルルドリス》は対象を取らない効果無効のため、《教導の騎士フルルドリス》で「対象にならず、効果では破壊されない」モンスターを沈黙させつつ《アーカナイト・マジシャン》で突破することも想定しています。
■《Emダメージ・ジャグラー》《Emハットトリッカー》
基本的には非チューナーは☆4魔法使い族を展開していきます。必然的に《アーカナイト・マジシャン》は☆3チューナー、《TG ハイパー・ライブラリアン》は☆1チューナーを組み合わせて出すことになります。
《Emダメージ・ジャグラー》はサーチ効果も勿論優秀ですが、ダメージを0にする効果も地味にこのデッキと噛み合いが良いことも見逃せません。
相手のワンキルを止めて相手の目算を狂わせたうえで、返しのターンに墓地効果から魔法使いを確保しつつ、《アーカナイト・マジシャン》が相手がワンキルしようと場に吐き出したリソースを潰して切り返すことができるからです。
■《混沌の創世神》
通常《水晶機巧-ハリファイバー》《幻獣機アウローラドン》等、光闇以外のモンスターは後述する《混沌領域》でデッキに戻すことができないため一度使ってしまったらもう一度効果を使うことは難しいです。しかし《妖精伝姫-シラユキ》や《電脳堺狐-仙々》で除外できればこのカードでデッキに戻すチャンスが生まれます。
故に、初動にこそなり得ませんがリソース回復を行いながら展開を行うことができるこのデッキ唯一無二の重要な役割を持つカードとなります。
単純に効果を使って除外された《ジェット・シンクロン》を特殊召喚しつつ、《ジャンク・シンクロン》を確保しながら《電脳堺狐-仙々》になるなど、あらゆるモンスターを特殊召喚できる効果で中盤以降、色々な局面で役に立ってくれます。
■《サイキック・リフレクター》
このデッキの数少ない1枚初動です。
1枚から《水晶機巧-ハリファイバー》《電脳堺狐-仙々》《シューティング・ライザー・ドラゴン》《ヴァレルロード・S・ドラゴン》になりつつ《バスター・モード》もサーチできる優秀なカードです。
《緊急テレポート》と《ワン・フォー・ワン》は初手で引いても《TG ハイパー・ライブラリアン》を絡めて展開した後でも強いですが、《サイキック・リフレクター》そのものはダブりが弱いため2枚としています。
《バスター・モード》も《アーカナイト・マジシャン/バスター》を展開するのに必須の為、このデッキでこそ十全に真価を発揮することができます。
■《禁じられた一滴》《禁じられた聖杯》
フリーチェーンの効果無効です。
【ネメシスアーティファイバー】の《アーティファクト-デスサイズ》や《水晶機巧-ハリファイバー》に有効かつ、苦手な破壊耐性持ちの回答としても妨害札としても一定の効果が見込めるため採用しました。
《禁じられた聖杯》フル投入でも良かったのですが《禁じられた一滴》1枚《禁じられた聖杯》2枚という配分なのは、「対象にならず、効果では破壊されない」モンスターへの対策を1枚分用意したかったためです。
■《マジシャンズ・ソウルズ》
状況に応じてレベル1の魔法使い族として展開することも、《ブラック・マジシャン・ガール》を展開してレベル6の魔法使い族を用意することも可能なのがこのカードの魅力です。このデッキはレベル3とレベル1のチューナーを主に採用しているため、このデッキの要である《アーカナイト・マジシャン》と《電脳堺狐-仙々》どちらにもなれるというのはとても大きいです。また、効果の使用後は召喚権を消費せずに墓地に送られるため、《ジャンク・シンクロン》が初動化するのも大きなメリットです。
このデッキは基本的に1枚初動は多くなく、カード同士の噛み合わせで動いていくタイプのため、不要な魔法や発動を諦めた《バスター・モード》をドローに変換して手札を整えられるのも重宝します。
■《抹殺の指名者》《墓穴の指名者》
どんなデッキが来るかわからないイベントのため、手札誘発を投げられるかどうかは環境的に見て予測がつきませんでしたが1戦目はおそらく撃たれるだろうと思ったのと、自分のしたい動きを通していくデッキのためフル投入です。
■《幽鬼うさぎ》《灰流うらら》《増殖するG》
《幽鬼うさぎ》は誘発というより、《緊急テレポート》で特殊召喚できるレベル3チューナー兼《抹殺の指名者》の除外要員として運用していました。
《灰流うらら》《増殖するG》はデッキに空き枠がなかったのと、《抹殺の指名者》《墓穴の指名者》含め展開に関与しないカードが最初から手札で塊で来ても困ってしまうため、2枚ずつの投入に止めました。
■《混沌領域》
カオス系統をサーチできるのも強力ですが、地味に墓地効果の使い勝手が良かったです。
なんと驚くべきことに《バスター・モード》で/バスターモンスターを特殊召喚できるのはデッキからのみのため、従来であれば《アーカナイト・マジシャン/バスター》を引いてしまった場合どうしようもなかったのですが、《アーカナイト・マジシャン/バスター》をコストに《混沌領域》でサーチしてきたモンスターで《アーカナイト・マジシャン/バスター》を除外し《混沌領域》でデッキに戻しつつ1枚ドロー、という流れで手札に来てしまった/バスターを損失なしでデッキに戻すことができます。
このカードのおかげで《アーカナイト・マジシャン/バスター》の採用を1枚としても《バスター・モード》が腐る可能性がぐっと減ったのはとても大きいです。
もちろん《TG ハイパー・ライブラリアン》等のシンクロモンスターをデッキに戻してリソース回復を図るのも良いでしょう。
■《氷結界の龍 トリシューラ》
詰み防止の最終兵器です。
《I:Pマスカレーナ》素材の《双穹の騎士アストラム》等、自分以外の効果で破壊耐性を得ていて対象にも取れないような、どうしても突破できないモンスターにぶつけます。
■《覇魔導士アーカナイト・マジシャン》《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》
《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》から《ミラクルシンクロフュージョン》を墓地に落とし終盤のフィニッシャーかつ打点要員である《覇魔導士アーカナイト・マジシャン》を展開します。
《炎斬機ファイナルシグマ》等の打点突破以外受け付けないモンスターが存在する以上、3400という基礎打点を持つ《覇魔導士アーカナイト・マジシャン》の有用性は計り知れません。
《覇魔導士アーカナイト・マジシャン》は/バスターほどの派手さはないですが小回りが利くという強みがあります。
適当なモンスター2体からの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》で計3900ポイントのライフを削れますが、その後一切特殊召喚できなくなるため、バトルフェイズ中の《バスター・モード》発動で追撃したい場合などは注意が必要です。
5.基本展開
基本的には《水晶機巧-ハリファイバー》からの《幻獣機アウローラドン》が起点となりますが、《TG ハイパー・ライブラリアン》の引きによってはいくらでも展開が伸びるので決まったルートというものはありません。
あくまで一例と捉えて頂ければと思います。
■《水晶機巧-ハリファイバー》単騎
①《水晶機巧-ハリファイバー》L召喚、《ブンボーグ001》特殊召喚
②《水晶機巧-ハリファイバー》+《ブンボーグ001》
=《幻獣機アウローラドン》L召喚(幻獣機トークン×3+《ブンボーグ001》特殊召喚)
③《幻獣機アウローラドン》効果、幻獣機トークンと《幻獣機アウローラドン》を《幻獣機オライオン》に
④幻獣機トークン+《幻獣機オライオン》=《TG ハイパー・ライブラリアン》S召喚、《幻獣機オライオン》で幻獣機トークン特殊召喚
⑤幻獣機トークン+《ブンボーグ001》=《水晶機巧-クオンダム》S召喚(1ドロー)
⑥《水晶機巧-クオンダム》+幻獣機トークン=《シューティング・ライザー・ドラゴン》、効果で《妖精伝姫-シラユキ》を墓地へ(2ドロー)
場:《TG ハイパー・ライブラリアン》、《シューティング・ライザー・ドラゴン》
墓地:《妖精伝姫-シラユキ》
結果→2ドロー+妨害2(《妖精伝姫-シラユキ》+《シューティング・ライザー・ドラゴン》からの《月華竜 ブラック・ローズ》or《ヴァレルロード・S・ドラゴン》)
《水晶機巧-ハリファイバー》しか作れない……という時の展開です。
追加で☆4魔法使いを用意できれば、後攻であればここから《アーカナイト・マジシャン》で切り返していったり、《TG ハイパー・ライブラリアン》と《水晶機巧-クオンダム》で《電脳堺狐-仙々》が出たりします。
■《水晶機巧-ハリファイバー》+《マジシャンズ・ソウルズ》
①《水晶機巧-ハリファイバー》L召喚、《ブンボーグ001》特殊召喚
②《水晶機巧-ハリファイバー》+《ブンボーグ001》
=《幻獣機アウローラドン》L召喚(幻獣機トークン×3+《ブンボーグ001》特殊召喚)
③《幻獣機アウローラドン》効果、幻獣機トークンと《幻獣機アウローラドン》を《幻獣機オライオン》に
④幻獣機トークン+《幻獣機オライオン》=《アクセル・シンクロン》S召喚、《幻獣機オライオン》で幻獣機トークン特殊召喚
⑤《ジェット・シンクロン》を墓地に送り《アクセル・シンクロン》を☆6に
⑥《マジシャンズ・ソウルズ》効果、《ブラック・マジシャン・ガール》特殊召喚
⑦《ブラック・マジシャン・ガール》+《ブンボーグ001》=《アーカナイト・マジシャン》
⑧《アクセル・シンクロン》+幻獣機トークン=《電脳堺狐-仙々》
何もない状況から《アーカナイト・マジシャン》と《電脳堺狐-仙々》を並べるルートです。効果未使用の《ジェット・シンクロン》が残っているので、《アーカナイト・マジシャン》で除去した後、《ヴァレルロード・S・ドラゴン》を展開してもいいですし、もし最初に追加で☆4非チューナーを展開できるのであれば《電脳堺狐-仙々》と《アーカナイト・マジシャン》を出す前に、《TG ハイパー・ライブラリアン》を出すこともできます。
5.成果
「お前らなんかに負けま10」では2勝し、3戦目で敗北しその時点で僕の挑戦は終わりを迎えました。
1戦目はSierαさんの【ネメシスアーティファイバー】にストレート勝ち、2戦目はkyousukeさんのエルドリッチ入り【エーリアン】に2勝1敗という結果でした。
アーティファクトやエルドリッチといったカード群は従来であれば敗北を悟るレベルでの不利対面でしたが《電脳堺狐-仙々》を使うことで優位に立てたので設計思想については一定の手応えがありました。
3戦目はMさんの《アポクリフォート・キラー》を軸とした【クリフォート】に1勝2敗で敗北しました。《アポクリフォート・キラー》の突破方法が《覇魔導士アーカナイト・マジシャン》しかなかったり、《スキルドレイン》が刺さったりしたのが敗因でしょうか。
サイドの組み方が下手で、有効なサイドチェンジができなかったりとイベント通しての反省もありました。《スキルドレイン》等の永続系等がきついことはわかりきっているので使用感が微妙だった《屋敷わらし》ではなく《コズミック・サイクロン》を入れるべきでした。マッチ戦を普段から経験していないが故の浅慮さが招いた失敗でした。
逆に言えば普段のデュエルでは絶対ありえないシチュエーションだったため、メイン・サイドの構築をどうするかうんうん唸って考えるのはとても楽しいものでした。
主催のReoさん、本当にありがとうございました。
6.結び
僕自身《アーカナイト・マジシャン》を長く使ってきて、久しぶりに「戦える」デッキを作る手ごたえを得られたのでとても満足しています。
《アーカナイト・マジシャン》というカードそのものはカテゴリでもテーマでもなくシンクロモンスターのため【魔力カウンター】というカテゴリからも浮き気味のため、直接的な強化を貰えることはまずありません。
しかし今回改めて気付いたのは新規カードに目を向けてみれば《電脳堺狐-仙々》や《混沌領域》のような、ある程度汎用性のあるカードを新規カードとして見出すことができるということです。
テーマからもカテゴリも浮いたカードだからこそ、自分で噛み合いのあるカードを探してゆく楽しみを改めて味わえるという魅力があるのではないでしょうか。
あと告知ですが、3/13(土)に遊戯王OCGオンリーイベントの「強欲で謙虚なイベント」に申し込み・応募が通ればサークル参加します。
サークル名は「遊帆社中」です。
アクリルキーホルダーと、オリジナル決闘漫画を頒布予定です。
詳細は参加確定次第僕のTwitter(@Black_Sleeper)で告知します。
当記事への質問等も、Twitterにリプライの形式でして頂ければと思います。
定期的にイラスト等もアップしておりますので、ぜひフォローを宜しくお願いします。
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