20201026の朝焼け
今日は実家から職場に向かう。
先々週おばあちゃんが倒れた。
今は意識不明、植物状態だ。
ずっと体調が悪く、おじいちゃんが介護をしていた。
倒れる数日前に母親に私の仕事の話を聞いたおじいちゃんが電話してきてくれた。
そのときおばあちゃんと少しだけ話した。
話したというか、おばあちゃんの声を聞くことができた。
だからなのか、おばあちゃんの声が私の頭の中に鮮明に流れる。私に呼びかける声が。
もうおばあちゃんと話ができないのかと思うとすごく悲しい。
昨今の状況で、原則お見舞いは禁止である。それでも病院の方々や少しだけ離れて住む私のことを考えて優先的に会わせてくれた家族に感謝だ。
布団の上がり下がりで呼吸の早さがわかる。手を触ったらひんやりしていた。
おばあちゃんはパッチワークが趣味なので、わたしにたくさんの作品をくれた。
家にあるクッションカバーに目を凝らすと、縫い目の細かさがよくわかる。腰を丸めて縫っている姿が頭に鮮明に思い浮かぶ。
にこにこしながら家族の誰よりもたくさん食べて、裁縫や編み物を器用にこなす。歳を感じさせない肌のきめ細やかさ。
色んなことをよく覚えているのは、おばあちゃんに対する憧れがあったからだと思う。
もっと当たり前のように話をしたり、編み物を教わったり、ただ一緒にお茶をしたりしたかった。
今の状態が辛いのか、それとも意識がなくて何もわからないのかはわたしにはわからないけど、おばあちゃん自身が一番楽な状態になってくれたらいいなと思う。