教育観を磨くためにはどうしたらよいのか?
日ごろの教育活動は、その人の教育観をベースに行われています。
意識しているかどうかは別として、一人一人教員は教育観をもっており、教員になる前の自分の受けてきた教育、教員になった後の経験等をもとに形成されているものと思われます。
大雑把に言えば、教育観は意図的につくられたものではなく、体験や経験を通して自然につくられてくるものと言えるでしょう。
「教育観をもつ」ではなく「教育観を磨く」となると話は少し違います。
「磨く」という行為は主体的なものです。
結果的に自然に磨かれていくことはあると思いますが、今の変化の激しい社会においては、自分で磨くことを意識しなければ、ステレオタイプの教育観から脱却することは難しく、取り残されてしまう可能性も出てきます。
特に、児童生徒や学生を指導・支援する立場の教員は、自分勝手な教育観で教育活動を行うわけにはいきません。意図的に教育観を磨くことが必要になってきます。
それではどのように「教育観を磨く」のか。
私は以下の3つを大切にしています。
① 社会情勢に関心をもち、「世の中の動き」を理解しようとすること
「今、世の中では何が起こっているか」「子どもたちの未来はどうなり
そうか」「子どもたちに必要な資質・能力は何か」「学校教育はどうあれ
ばよいか」などに関心をもつということです。
そのためには、情報収集のアンテナを広くもち、その感度も高めること
が大切になってきます。
➁ 自分と異なる考えや先進的な実践に触れること
教育観のアップデートのためには、同質集団だけではなく、自分が考
えたこともない、見たこともない「考え方や実践」に触れることが大切
になります。できれば、書籍等などの情報だけでなく、実際に現地に行
き体験することができればと考えます。もちろん、子どもという「異」
から学ぶことも必要です。
③ 教育観について人と対話すること
①や➁で得た情報等も踏まえ、教育観について、多様な他者と対話する
ことです。人と対話することによって、自分の教育観も明確になってきま
す。学校の同僚やサークル仲間などと話をするのもよいでしょう。
このことこそが教育観を磨くことだと考えます。
①➁③は、研修(研究と修養)の修養に当たる部分です。
ややもすると研究と比べ、後回しにされることもありますが、意図的に行う人とそうでない人とでは、10年後、教員としての厚みが大きく違ってくると思われます。
教育観を磨くことは、意図的な行為になります。
多くの業務を抱える中で、日常的に①➁③ができる環境をいかにつくるかが大切になります。