いつか目を覚ましたら
※具体的な虐待の話、いじめの話出てきます。
自分の過去を整理したくて書いているだけなので、読まなくて大丈夫です。
小さい頃、よく考えていた。
「今生きてる世界は全部悪夢で、目を覚ましたら今とは違う世界にいるんじゃ無いか?」と。
少し、私の身の上話をする。
物心ついた時にはもう、父親はいなかった
生後数ヶ月の時に離婚したらしい
なので、顔も声も全く記憶にない
身寄りもお金も無い母と赤ん坊の私は、母方の祖父母の元へ。
祖父母はとても厳しい人達だった。
元々、母が沢山の精神疾患を患うようになった、不幸な道を選ぶようになった、元凶。
私は幸い、肉体的な虐待(殴る蹴るなど)は受けずに済んだ。
私が従順で、何一つ反抗しなかったからだろう。
反抗していたら、そっちもされてたと思う。
おじいちゃんおばあちゃんが、孫に優しい、激甘なんてフィクションだ。
あの家でのルールは沢山あって、祖父母のいうことを全て聞く良い子であること、目上の人には家族であっても敬語で話すこと、祖父母のことはお祖父様・お祖母様と呼ぶこと、何があっても泣かないこと…これらを守らないと生きていけなかった。
夕食の時間には、近所の人の悪口がもっぱらの話題で。
母はそれが嫌いでいつも凄く早くご飯を食べて自分の部屋に帰ってしまうから
食べるのが遅かった私はいつも、一口も無いくらいのお米とお味噌汁、おかずを盛るようにして母に追いつけるようにしていた。
祖父母はその地域一帯で、1番のお偉いさんだったから私は常に優等生である必要があった。
保育園年長さんくらいから、本格的に勉強を始めて、保育園や学校から帰ってきたら夕飯の時間までほとんど休憩なしで祖父と勉強する日々。
学校で毎回テストは100点。いつも賞状を貰うのは私。
全ては祖父母のメンツを保つ為。
その頃、母は実家から私と出る為に毎日朝早くから夜遅くまで働いていて。幼少期のほとんどを母と過ごした記憶がない。
仕事が休みの時も、自殺未遂で精神病棟に入院したり、男友達や彼氏と遊んで朝帰りしていたから会える時は本当に少なかった。
それでも、頑張れば母と遊びに行けるかもしれない、少しでも一緒にいられるかもしれないと思って必死に優等生として振る舞っていた。
結局、母との遊ぶ約束はほとんど守られなかったけれど。
祖父母は、障がい者になった母のことを失敗作だと考えていたんだろう。
だから孫の私は、なんとしてでも成功作にしたかった。そんな期待が母の悪口と一緒にかけられていた。
祖父母は子供の泣く声も嫌いで、私が寂しかったり、転んで泣いたりすると物置に閉じ込められて泣き止むまで出して貰えなかった。
その頃から、私は自分を守るために感情を抑圧した。考えることもやめて、ロボットみたいだった。
その頃の写真には、いつも作り笑顔の自分が写っている。
100点を取ってたはずなのに、あの時何を勉強したのかは全く覚えていない。
小学校に上がる前から夜、寝られなくなって、でも寝てないと怒られてしまうから寝たふりが上手くなった。いつも枕に顔を押し付けて泣いていた。寂しかった。
小学校に上がってからはいじめられるようになって。学校にも居場所が無くなった。
先生に相談しても、「気のせい」と言われるだけ。
今でも覚えている。
確か、図工の時間に好きなものを粘土で作るという課題で、私は母がパン屋さんで働いていたから色んなパンを作った
完成した作品は、みんなと一緒にロッカーの上に置いて飾ってあった。
翌日、私の作品だけ無くなっていた。
その時先生が言った言葉。「きっと〇〇ちゃんのパンが美味しそうだったから取っちゃったのよ」
数週間後、私の粘土は同級生の男の子のポケットからゴミだらけの塊になって出てきた。
私の歯磨きコップを割られた事もあった。
それでも私は人前では絶対に泣かなかった。
時々、自分が誰かわからなくなることが増えた
周りにいる人、母親さえも知らない人に見えることがあった。
私はその時、壊れていたんだと思う。
小2の時に、ようやく祖父母の元から夜逃げするようにして脱出した。
そこから私は赤ちゃん返りをして、不登校にもなって
凄く不安定な状態が何年も続いた。
夢なら良いのに。
何度も繰り返し考えていた。
辛かったのは、当時だけじゃ無い。
あの時意味のわからなかったことが、成長するにつれ、わかるようになっていく。
なぜいじめられたのか、なぜ母はそばにいてくれなかったのか、なぜ先生は助けてくれなかったのか。
「夢なら良いのに」は、いつの間にか唱えなくなっていた。
一つは、自分の人生はいつでも自分で終わらせられることに気づいたから
そして、運良く私は色々な選択肢が沢山あることに気づけたから
あの頃の私には、家や学校でこんな目にあってるんだと言うことを誰かに伝えて助けを求めるという選択肢が、私の中には無かった
「いつか目が覚めたら」じゃなくて、「いつか目を閉じるとき」までに、わたしは私に掛けられている沢山の呪いの半分くらいは解けているといいな