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親切な人の思い出

私は極度の方向音痴&電車音痴である。

そんな私が用事があって、1人で電車で都内に行くことになった。
秋葉原まではなんとか大丈夫。
問題はその先、乗り換えとか、目的地までの道順とか…。
そして、なんとか目的地について用事を済ませたが、帰りがまた大変。

とりあえず帰りも、秋葉原を目指して電車に乗った。
電車に乗っているうちに、だんだんこの電車が秋葉原に停まるのか不安になったきた。

私はつり革につかまって立っていたので、目の前に座っている息子と同じくらいの男性にこの電車は秋葉原に停まるのか聞いてみた。

男性は「秋葉原には停まらないですよ」と。
その言葉で私の脳内は一瞬で真っ白になっていた。
そして同じ男性に秋葉原まで行きたいがどうしたらいいのか聞くと、親切に教えてくれた。

私は、とりあえず言われた駅で降りてから、冷静になって考えようと思っていた。
降りる駅に近づくと、どうやらその男性も降りる様子に見えた。

そして、同じ駅で降りると男性から
「秋葉原行の電車のホームまで一緒に行きましょうか?」と言われたので、
私は嬉しくなり「お願いします」と言った。

その男性は人混みの中を、足早に歩きだした。
歩くのが遅い私は必死に男性の後ろをついていった。

そして乗り換えのホームまでけっこう歩いた。
私は1人ではこのホームにたどり着けなかったかも...と思い、声をかけた人が偶然同じ目的で良かったと思っていた。

すると男性がホームの掲示板を見ながら、
「次に来る電車に乗れば秋葉原に着きますから」と言ってその場を去ろうとした。
私は驚いて「この電車に乗らないのですか?」と聞くと
「僕は乗らないです」と。
私は「てっきり同じ電車に乗り換えるのかと思っていて…すみません。ありがとうございます!助かりました!」と何度もお礼を言っている時に、電車が来た。

そして男性は私に会釈してからまた足早に戻って行った。
私も電車に乗り、この男性のおかげで迷うことなく秋葉原に無事に着いた。

そして何年たっても、思いがけないこの男性の親切な行動がいつまでも私の心に残っている。

私の周りには優しさや感謝の気持ちが溢れているけど、特に見ず知らずの人にも親切な行動ができる人に出会うと本当に感動するし、私もそうでありたいと思う。









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