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「多様性」が育つα世代の教育環境とは 個の尊重が自己肯定感を高める

こんにちは、α世代ラボです。

α世代ラボでは、α世代の価値観や生態を明らかにすべく、α世代本人や彼らをよく知る方へのインタビュー記事をアップしていきます。

αファミリーへの取材では、α世代本人やその親御さんにお話を伺っていきます。

今回はKさんファミリーに取材をさせていただきました。

α世代であるIくんと母親のKさんに、家庭の方針や昨今の保育園事情などについてお話を伺いました。

α世代とは:
Z世代の次に続く世代であり、おおよそ2010~2024年ごろに生まれた世代

α世代ラボ:『α世代』とは? 見えてきた「デジタルユーティリティ」と「自己肯定感」


■Iくんプロフィール
年齢:6歳(2017年生まれ)
年次:年長
性別:男性
居住地:愛知県
家族構成:父、母、弟、妹
習い事:なし
将来の夢:クッパ


習い事はせず、自分の好きな時間を優先するα世代の多様性が顕著に

Iくんへのインタビュー

―Iくんは携帯持ってる?

持ってないよ。タブレットはよく見てるけど。

―そうなんだ。タブレットで何してるの?

YouTube見てる。

―そっか。YouTubeでは何を見てるの?

ゲーム配信とか、こわい動画とか。

―1日どれくらい見るの?

おふろに入って寝るまでの間だから、1時間くらいかな。

―ゲーム配信を見てるってことは、Iくんもゲームをするの?

ゲームは少しだけ。マリオカートが好き。

―そうなんだ。何か習い事はやってる?

やってない。おうちで遊んでる方が好きだから。

―そっか。お休みの日は何して遊んでるの?

家族で外に出かけることが多いかな。あとは家で弟たちと遊んでる。

―そうなんだ。Iくんが今1番大事にしてるものって何?

トランスフォーマーのロボット!

―かっこいいね! Iくん、将来の夢ってある?将来は何になりたいの?

クッパ!クッパになりたい。(笑)

―クッパ!(笑)そうか、マリオカートやってるからクッパが好きなんだね。

うん!ジュニアクッパにもなりたいな。

α世代の保育園は多様性を受け入れる教育方針 個々の時間や気持ちを優先し、集団行動を押し付けない

母親・Kさんへのインタビュー

―Iくんは年長さんで、携帯は持っていないんですね。

まだ1人で行動することがないので、携帯の必要性がないんですよね。小学生になったら学童に行かせるので、そのときには持たせるかもしれません。友達と遊びに行ったときなど、GPSがあったら便利ですよね。あとは簡単な連絡が取れれば、それで充分だと思っています。

―YouTubeなどのデジタルツールも、時間を制限されているんですか?

そうですね。普段は保育園に行っているので、平日は夜の1時間と決めています。

土日も時間帯は決めていませんが、同じく1時間の制限をかけています。あとは子供向けの番組だけが流れるよう、フィルタリングも設定しています。

―おうちでは、YouTube以外に何をして遊んでいますか?

テレビを見ていることが多いです。Amazonプライムやネットフリックスでアニメを見ていますね。

―Iくんが土日は家族で外に出ることが多いと言っていました。外で遊ばせることも意識されているんですか?

家にいると私もスマホを見てしまうし、なるべく外に連れ出すようにしています。保育園からも、「身体を動かすことで脳の発達も促される」と聞いているし、子供は体力がありますからね。消耗させないと。(笑)

公園や、大きな商業施設に連れていき、できるだけ身体を使った遊びをさせることを意識しています。

―習い事は特にやっていないと聞きました。今後、何か始める予定はありますか?

スポーツ系を考えているんですけど、本人があまり行きたがらなくて。どうやら集団で何かをするより、1人で取り組む遊びのほうが好きみたいです。

それならサッカーのようなチームプレーではなく、個人のスポーツの方が向いてるかな?と。でもこればっかりは本人のやる気次第なので、今はまだ保留状態ですね。

―Iくんは集団より、1人で遊ぶほうが好きなんですね。

保育園に迎えに行くと、みんなで遊んでいるより1人で遊んでいることの方が多いです。でもこれ、うちの子に限らず最近の子の特徴かもしれません。(笑)他の子も、けっこう別々に遊んでいたりしますね。

―そうなんですか!興味深いです。

それぞれ個人で、レゴブロックをやったり、粘土で遊んだりしてますね。もちろん集団で行動する時間もあるみたいですけど、保育園自体が個々を尊重する教育方針だと聞いています。

―個々を尊重するとは、例えばどういうことでしょう?

例えばお昼寝の時間でも、眠たくない子は無理に寝かせない方針のようです。お散歩も、「行きたくない」と言えば行かなくていい、と。(笑)お遊戯のような、みんなで活動する時間がありますよね。それも声はかけるけれど、嫌がったら無理強いはしない。

そういう子は異年齢のクラスに入ったり、手の空いている先生が見たりして、子供の自由にさせていることが多いみたいです。

―まさに多様性ですね。α世代の子供たちならではの教育方針ですね。

そうですよね。私たちの時代では考えられなかったので、少し戸惑うこともありますけど、子供たちはその方針に慣れているので、家で私が怒るとびっくりしたりするんですよ。「え?そんなこと言われたことないのに」みたいな。(笑)

―Kさんにとって多様性を受け入れる教育はどう感じますか?

良いと思う面もあるし、正直不安に思うこともあります。そんなに集団行動が苦手で、将来会社でちゃんと働いていけるかな?とかね。会社の忘年会ちゃんと行ける?って思っちゃう。(笑)

多様性も大事だけど、コミュニケーションを図ることも大事ですよね。そのあたりのバランスがちゃんと取れるのか心配になります。自分の気持ちばかりを優先させていたら、上手くいかないときもあると思うので。

―忘年会、行かなそうですよね。(笑) 他に感じることはありますか?

さっきも家で怒るとびっくりすると話しましたが、全体的に打たれ弱い気もします。とにかく叱られ慣れてないから、当然かもしれません。園では子供の気持ちをとにかく肯定してくれるので、否定されることに慣れてないんですよね。良いことでもあるけれど、ちょっと気になることでもあります。

―良いと感じることも教えて欲しいです。

自分を認めてもらっているので、自己肯定感は高いと思いますね。「ありのままでいい」と受け入れられているので、自信になるのではないでしょうか。

―どういったところで、自己肯定感が高いと感じますか?

保育園ではとにかく先生が率先して褒めてくれるんですよね。「お片付けができたね」「すごいね」「きのうよりできるようになったね」といった感じで、小さな変化、成長も見つけて、積極的に声をかけてくれるようです。

そうするとIも家でそれを報告してくれるし、自信を持って日々の生活にも取り入れてくれる。お手伝いも進んでしてくれるようになったし、そういった部分は本当にありがたいと思います。

―もうすぐ小学生ですね。何か準備はされているんですか?

身の回りのことが1人でできるように、今から練習させています。これまでは保育園に行く準備も、帰る準備も私がしていましたが、小学生になると親がそばにいない機会も増えると思うので。荷物を確認してまとめるとか、洗濯物は出してカゴに入れる、とか。急にはできないだろうから、少しづつ教えている段階です。

―小学校では、デジタルツールを使った授業も行われるのでしょうか?

小学2年生から、1人1台タブレットが支給されると聞きました。今はデジタルツールを使えないと生きていけない時代ですからね。使い方を覚える分には、どんどん覚えていってほしいと思っています。

―SNSの利用については、どう考えていますか?

しばらくは制限したいですね。解禁するのは、小学校の高学年くらいからでしょうか?

―それは何か理由がありますか?

子供のことは心配だけど、プライバシーも守ってあげたいという気持ちがあります。スマホを与えたら、ネットで何を見てSNSでどういったやり取りをしているのか、親としてはどうしても気になると思うんです。

でも子供には子供の世界があり、親に見られたくないこともあると思うのでそこは尊重してあげたい。自分も子供の頃に、友達との交換日記を親に見られて嫌な気持ちになったことがありました。(笑)

最低限のフィルタリングだけ設定して、子供を信頼して任せようと思えるのは……やはり高学年くらいかな?と思っています。

まとめ

α世代の子供たちは、保育園からすでに多様性を受け入れられているんですね。自分のありのままを認めてもらえると、自己肯定感が高まり自信にも繋がることがよくわかりました。

その一方で集団行動が苦手だったり、否定されることに慣れていないため打たれ弱さを感じることもあるようです。そして今の時代、親にとって「子供にスマホをいつ持たせるか」は悩ましい問題だと思います。

子供を信じて尊重したいけれども、やはり心配で気になるという親の葛藤をひしひしと感じることとなりました。

Iくん、Kさん、貴重なお話をありがとうございました!


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